キャッシュ マップ サービスについて

ArcGIS マップ サービスでは、マップの範囲をカバーする小さなタイルとして、複数のマップ縮尺に対して事前に計算をしてキャッシュを作成することが可能です。事前に処理されたこれらのマップ タイルを取得することによって、マップがサービスからリクエストを受けるたびにマップ表示を動的に計算するよりも、はるかに高速でスケーラブルになります。これらはキャッシュ マップ サービスと呼ばれます。

ArcGIS のキャッシュ マップ サービスは、Google Maps や Microsoft Bing Maps のような、Web マッピング サービスで使用されるキャッシュ マップ機能に似ています。これらのマップ サービスに拡大操作を行うと、マップは適切な解像度で描画されます。これらの各デジタル マップは、さまざまなマップ縮尺で調査領域全体(国や世界全体など)にわたって生成されます。基本的には、1 つのマップ縮尺に対して 1 つのマップ ビューが生成されます。

ArcGIS は、これと同じメカニズムをマップ サービスの公開に対してもサポートしています。マップが全世界、自分の国全体、または地域シーン(たとえば、カリフォルニア州マリン郡、テキサス州フォートワースのような小さな地域に対応するシーンを公開することができます)のいずれをカバーしたい場合でも、独自のデジタル ベースマップを公開することが可能です。

複数解像度のキャッシュ マップ
多くの Web マップは、さまざまなマップ縮尺で使用するように設計され、各ビューは、それぞれのマップ縮尺で表示するように設計されます。マップを徐々に拡大するにつれ、より高い解像度で情報が表示されます。レイヤとその内容は、マップ縮尺の変更に合わせて変化します。

次の図は、複数の縮尺を持つベースマップを作成するために、ArcGIS で使用されているプロセスの概要を示しています。

複数縮尺のキャッシュ マップ サービスの構造図

Web マップは、さまざまなマップ縮尺で使用するように設計され、各ビューは、それぞれのマップ縮尺で表示するように設計されます。マップを徐々に拡大するにつれ、より高い解像度で情報が表示されます。レイヤとその内容は、マップ縮尺の変更に合わせて変化します。

キャッシュマップ ビューの事前処理

多重解像度のマップを作成し、対象分野に対応した適切なマップ縮尺ごとのイメージ タイルとして、一連のマップビューを生成します。 マップの設計を ArcMap ドキュメントとして実装し、マップ縮尺ごとにキャッシュ(マップを事前に処理)し、それぞれの縮尺のマップを表す一連のマップ タイルを生成します。マップ タイルは、マップ サービス キャッシュとして格納されます。 ユーザがキャッシュ マップ サービスからマップをリクエストする場合には、適切なマップ縮尺と範囲のタイルがキャッシュから取得されます。

マップはすでに計算済みのため、サーバでの実際の作業は、適切なマップ イメージ タイルを検索することだけです。

ヒント

次に、役に立ついくつかのヒントを示します。

ArcGIS ユーザは、独自のベースマップ用にキャッシュされたマップ サービスを設計および作成することができます。一般的には、縮尺または解像度の数が非常に少ない、比較的範囲の限定されたマップを作成します(都市や地域を対象とするマップなど)。

Web GIS アプリケーションのデザイン パターンに関する情報については、「Web GIS を導入するためのフレームワーク」をご参照ください。

キャッシュ マップ サービスの構築と使用に関する詳細については、ArcGIS Server を使用した「マップ キャッシュの概要」をご参照ください。

関連項目


7/10/2012