ツール共有のための構造

「ツール配布方法」に記載があるように、ツールを共有するには、まずそのツールが使用するすべてのリソースを格納したフォルダを作成します。手動でリソースをこのフォルダにまとめ、標準の ZIP 圧縮ユーティリティでこのフォルダを 1 つの *.zip ファイルにします。そのうえで、この *.zip ファイルを他者と共有します。

このトピックでは、ツールボックス、およびツールが必要とするすべてのリソースの格納に使用するフォルダ構造について説明します。ここでは、間違うことのないよう、このフォルダ構造を [ToolShare] フォルダと呼びます。この構造は、単に、基準点を提供するためのもので、必ず使用しなければならないわけではありません。

以下の説明で使用する <ToolShare> は、システム上の任意の場所にあるシステム フォルダを示します。このフォルダの名前はどのようなものであってもかまいません（山括弧 <> は、括弧内のテキストが置き換え可能であることを表します）。

次に、完成済みの [ToolShare] フォルダを示します。

<Toolbox>

これは共有の対象となるツールが格納された 1 つまたは複数のジオプロセシング ツールボックス（*.tbx）です。

• このツールについては、必ず、（絶対パスではなく）[相対パスで保存] オプションをオンにしてください。
• ツールボックスと各ツールのドキュメントに、ツールの動作に必要な製品レベルとエクステンションが明記されているはずです。
• ディレクトリには複数のツールボックスを格納することもできます。

必要に応じて、ツールボックスを ToolData ディレクトリのジオデータベース内に置きます（ToolData ディレクトリは、ツールが必要とするデータを格納するためのもので、パーソナル ジオデータベースとファイル ジオデータベースを格納することもできます）。ただし、ツールボックスは、<ToolShare> フォルダにある方が見つけやすく、またこのフォルダに置くことで、<ToolShare> フォルダの内容がジオプロセシング ツールをサポートしていることを明確にできます。

<ArcMap mxd>

1 つまたは複数の ArcMap、ArcScene、または ArcGlobe ドキュメントを配信する場合は、ドキュメントを <ToolShare> の直下に置きます。

• 必ずドキュメントについて、[データ ソースを相対パスで保存] オプションをオンにしてください。

別の方法として、[マップ コンテンツの統合] ツールでマップ ドキュメントが必要とするすべてのリソースをまとめることもできます。

Readme.txt

フォルダを配信するときには、Readme.txt ファイルを含めることが一般的です。Readme.txt は、メモ帳で作成できるテキスト ファイルです。Word などのワード プロセッサを使用する場合は、必ずドキュメントをシンプル テキストとして保存してください。

Readme.txt ファイルは、ディレクトリを偶然に見つけた、ArcGIS ユーザではない人が読むことも考えられます。このため、次のようなテキストを含める必要があります。

このフォルダとサブフォルダには、ArcGIS ジオプロセシング ツール用のデータが格納されています。ツールの詳細については、ArcCatalog を起動し、ツールボックスを右クリックして [ヘルプ] をクリックしてください。

目的についての簡単な記載、日付、連絡先といった情報の提供も検討してください。

ToolData

ToolData ディレクトリは、小さいデータセット、ArcSDE の接続ファイル（*.sde）、およびツールが実行する必要のある *.lyr ファイルを格納するためのものです。たとえば、土壌タイプと間隙指標のテーブルや、国勢調査フィーチャ分類コード（CFCC）による制限速度のテーブルといった、単純なルックアップ テーブルなどです。このディレクトリは、地域の土壌タイプ ポリゴンといった大きいデータセットの格納には適していません。通常、そのような大きいデータセットは、エンタープライズ データベースや共有ディレクトリのような中心的な場所に置かれ、UNC パスまたはデータベース接続でアクセスできます。

Scripts

このフォルダには、スクリプト ライブラリなど、スクリプト ツールによって使用されるすべてのスクリプトを格納します。ダイナミック リンク ライブラリ（*.dll）と実行可能なファイルもここに格納します。あるいは、スクリプトをツールボックスに埋め込んで、スクリプト ファイルの管理を不要にすることもできます。

スクリプトの埋め込みに関する詳細

Doc

このフォルダには、配信されるツールに関する理解を促進するための、次のようなものを例とする、すべてのものが格納されます。

• モデル図に使用されている画像
• ツールまたはツールボックスが参照する、コンパイルされた外部ヘルプ ファイル（.chm）
• 提供するヘルプで参照される *.pdf や *.docx などのその他のファイル

Scratch

このディレクトリは、モデルでの中間データの書き出し、スクリプトでのテンポラリ データの書き出しに使用します。このディレクトリには、scratch という名前のファイル ジオデータベースを格納します。

現在のワークスペースとテンポラリ ワークスペースの詳細中間データの管理の詳細