中間データの管理の概要
モデルを実行したときに、モデルの各プロセスで出力データが作成されます。この出力データの一部は、最終出力を作成する別のプロセスに接続するための中間ステップとしてのみ作成されます。これらの中間ステップから生成されたデータは中間データと呼ばれ、多くの場合、モデルの実行が完了した後は不要になります。中間データは、モデルの実行後に削除すべき一時的なデータと考えることができます。ただし、モデルを [ModelBuilder] ウィンドウから実行した場合、中間データは削除されず、ユーザによる削除が必要となります。
既存のデータ変数および最終出力変数を除いて、すべてのデータ変数はモデル内で自動的に中間データとして設定されます。モデル内のデータ変数が中間データであるかどうかを確認する場合、または中間データに設定されている変数の状態を変更する場合は、変数を右クリックして [中間] をクリックし、変数名の横のチェック マークをオンまたはオフにします。
最終的な出力変数が削除されないように、最終出力変数は中間データとして設定しないことをお勧めします。
中間データの書き込み場所の制御
新しい出力データセットを作成するジオプロセシング ツールは、「現在のワークスペースおよびテンポラリ ワークスペース環境の使用」で説明するように、出力データセットの名前を自動生成します。この自動生成された名前には、データセットを含むワークスペースまたはフォルダのパスが含まれています。ModelBuilder は、この自動生成された出力名を使用して中間データを書き込みます。この出力データセット名は、出力データセットの別の名前と場所を入力することで常に上書きできます。また、自動生成される出力名の構築に使用するワークスペースを指定できる方法もあります。
ModelBuilder で作業しているときに、特に中間データについては、自動生成された出力名を無視するのは簡単です。ただし、中間データの書き込み場所を制御する方が有効な状況もあります。
- 中間データは ArcSDE ジオデータベースに書き込まないでください。この場合、テンポラリ データをローカル エリア ネットワーク上のエンタープライズ データベースに書き込んでいるため、パフォーマンスの問題が発生します。常に、テンポラリ ワークスペースで(パーソナル ジオデータベースまたはシェープファイル ワークスペースではなく)ファイル ジオデータベースを使用することを推奨します。
- 作業中のジオデータベースが中間データで煩雑になるのを避けることができます。代わりに、中間データを書き込む別のワークスペース(ファイル ジオデータベースを推奨)を指定します。
中間データの書き込み先は、次のいずれかの方法で制御できます。
- すべての中間データ変数を右クリックし、これらの変数が書き込まれる場所を変更します。この方法は、特に多数の中間データがある場合は不十分です。
- 「現在のワークスペースおよびテンポラリ ワークスペースの環境設定」で説明しているように、テンポラリ ワークスペースを設定します。
- 「管理データとしての中間データの設定」で説明しているように、中間データを管理データに設定します。
中間データの詳細な説明については、特に ArcGIS Server で共有または公開しているモデル ツールに関係があるため、「共有モデルでの中間データの管理」をご参照ください。