ジオデータ サービスを使用した Amazon EC2 インスタンスへのレプリケーション
GIS データに編集を加える場合は、データをローカルで編集した後、レプリケーションを使用して、Amazon EC2 上の EGDB(エンタープライズ ジオデータベース)から公開されたジオデータ サービスを通してデータを同期できます。
ローカル ジオデータベースから Amazon EC2 上のエンタープライズ ジオデータベースに直接レプリケーションと同期を実行すると、非常に長い時間がかかります。このため、以下のいずれかの方法を使用します。
- ローカルで複製を行い、レプリカをクラウドに移動して、ジオデータ サービスを公開した後、サービスを通してデータの変更を同期します。
- EGDB のジオデータ サービスを公開し、ジオデータ サービスをレプリカのターゲットとしてローカル ジオデータベースを複製した後、サービスを通してデータの変更を同期します。
ローカルで複製し、生成された 1 つまたは複数のファイルをクラウドに移動する場合は、ファイルの移動に使用するデータ転送の方法だけが制限となります。
データが少量(4 MB 以下)の場合は 2 番目の方法が簡単ですが、この方法は接続のタイムアウトや IIS のデータ転送規制で制限される場合があります。
レプリカを作成し、インターネット経由でジオデータ サービスと同期する場合は、ArcGIS Server または HTTP サーバのタイムアウトに注意してください。これらのデフォルトの設定は 10 分です。したがって、updategram を Amazon EC2 上のジオデータベースに送信する時間が 10 分を超えると、同期は失敗します。
特定のタイプのデータを複製する際の制限についても注意が必要です。詳細については、以下のトピックをご参照ください。
ジオデータ サービスと非接続環境のレプリカの使用
オンプレミスの ArcSDE ジオデータベースから Amazon EC2 上のエンタープライズ ジオデータベースへの非接続環境のレプリカは、いくつかの方法で設定できます。以下のいずれの方法でも、ローカル レプリカの作成、エンタープライズ ジオデータベース インスタンス サーバへのレプリカ ファイルの移動、エンタープライズ ジオデータベースへのデータの読み込み、およびジオデータ サービスの公開を行います。このジオデータ サービスを通して、ローカル ジオデータベースの編集を Amazon EC2 上のエンタープライズ ジオデータベースに同期することができます。レプリカの移動には以下のファイルを使用できます。
- XML ドキュメント - ArcMap のレプリカ作成ウィザードを使用して、ローカル ArcSDE ジオデータベースのデータセットを圧縮された XML ドキュメントに複製できます。圧縮された XML ドキュメントは、一度に 1 つのデータセットを転送します。少量の単純なデータだけを複製する場合は、複数のデータセットを(圧縮されていない)1 つの XML ドキュメントに複製することもできます。ファイルを Amazon EC2 上のジオデータベースにインポートするときに、インポートされたデータは自動的にバージョン対応登録され、複製済みとしてマークされます。
- トランスポート ファイル ジオデータベース - トランスポート ファイル ジオデータベースは、複製されたデータの転送用に設計されたファイル ジオデータベースです。レプリカ作成ウィザードおよび [レプリカの作成(Create Replica)] ジオプロセシング ツールは、どちらもトランスポート ファイルジオデータベースを出力できません。したがって、カスタム ArcObjects コードを使用して、トランスポート ファイル ジオデータベースを生成する必要があります。詳細については、ArcGIS .NET ArcObjects ヘルプの「非接続環境でレプリカを作成する方法」をご参照ください。
ヒント:
トランスポート ファイル ジオデータベースを作成するためにインストール可能な ArcGIS Desktop アドインは、ArcGIS Resource Center で入手できます。
- PostgreSQL の *.dump ファイル - 以下のいずれかの場合は、PostgreSQL の *.dump ファイルを使用してジオデータベース データを転送できます。
- すべてのデータをエンタープライズ ジオデータベース インスタンスに移動する場合
- ローカル ジオデータベースが、エンタープライズ ジオデータベース インスタンスで使用されている PostgreSQL と同じリリースの PostgreSQL に格納されている場合
ローカルの ArcSDE ジオデータベースが PostgreSQL に格納されていない場合は、ArcSDE for PostgreSQL ジオデータベースを一時的にローカルで設定し、ここにデータを複製した後、バックアップを作成してエンタープライズ ジオデータベース インスタンスに移動することができます。
ジオデータ サービスと接続環境のレプリカの使用
Amazon EC2 上のエンタープライズ ジオデータベースからジオデータ サービスを作成し、ローカル ジオデータベースのデータをジオデータ サービスに複製した後、ジオデータ サービスを通して変更を同期できます。この方法は、ローカル ジオデータベースまたは複製するデータ量と同期中に生成された updategram が少量(4 MB 未満)の場合に有効です。
手順については、「ジオデータ サービスと接続環境のレプリカの使用」をご参照ください。