PostgreSQL でのジオデータベースの設定の概要

PostgreSQL DBMS(データベース管理システム)でジオデータベースを作成する前に、まず PostgreSQL ソフトウェアのインストール、DBMS の設定、データベース クラスタの初期化、データベースの作成を行います。それが完了したら、ArcSDE をインストールし、ジオデータベースを作成して、そのデータベースにユーザとスキーマを追加します。

PostgreSQL の設定とジオデータベースの作成(Linux)

create_pgdb.sde スクリプトを変更して実行すれば、ステップ 1 と 2 を完了できます。setup_pgdb.sde スクリプトを変更して実行すれば、ステップ 7 ~ 10 とステップ 12 を完了できます。これらのスクリプトは、インストールメディアの pg ディレクトリに格納されています。

  1. PostgreSQL をインストールします。Red Hat Linux では RPM インストール パッケージを使用してインストールできます。
  2. st_geometry.so ファイルを 32 ビット サーバでは usr/lib/pgsql ディレクトリに、64 ビット サーバでは usr/lib64/pgsql ディレクトリにコピーします。
  3. postgres ユーザとしてログインし、データベース クラスタを初期化します。
  4. デフォルト以外の場所に表領域を格納する場合は、ジオデータベースを作成するデータベースの表領域を格納するディレクトリを作成します。
  5. postgres ユーザのシェル ファイルに変数を定義して、シェルを準備します。
  6. pg_hba.conf ファイルと postgresql.conf ファイルを変更して、接続を受け入れるようにデータベース クラスタを設定します。
  7. PostgreSQL データベース、表領域、sde ユーザ、sde スキーマを作成します。
  8. ジオデータベースのセットアップを行うために sde ユーザにスーパー ユーザ権限を付与します。
  9. sde ユーザに、データベースに対するすべてのアクセス権限(full)を付与します。
  10. sde スキーマの USAGE 権限を PUBLIC に付与します。
  11. PostGIS を使用している場合は、public.geometry_columns テーブルに対する SELECT、INSERT、UPDATE、および DELETE の権限、および public.spatial_ref_sys テーブルに対する SELECT 権限を SDE ユーザに付与します。
  12. PL/pgSQL をインストールします。
  13. OS の sde ユーザとしてログインして、ArcSDE をインストールします。
  14. PostgreSQL DBMS とは異なるサーバに ArcSDE をインストールする場合、PostgreSQL の lib(64 ビット サーバの場合は lib64)ディレクトリから ArcSDE がインストールされているサーバの SDEHOME > bin に特定のライブラリをコピーまたは FTP 転送して、ST_Geometry タイプがライブラリにアクセスできるようにする必要があります。Linux の場合、RPM を Linux サーバに配置した後、rpm コマンドを実行する必要があります。手順については、「異なるサーバへの PostgreSQL と ArcSDE のインストール」をご参照ください。
  15. $SDEHOME/etc および Linux/etc ディレクトリのファイルを変更します。
  16. sdesetup コマンドを実行して、ジオデータベースを作成し、ArcGIS Server Enterprise ライセンスで認証します。「PostgreSQL でのジオデータベースの作成(Linux)」をご参照ください。
  17. サービスを使用する場合は、sdemon コマンドを実行してサービスを開始します。手順については、「ローカル ArcSDE サービスの開始(Linux または UNIX)」をご参照ください。
  18. 他のユーザおよびユーザのスキーマを作成し、権限(スキーマに対する権限を含む)を付与します。
  19. PostGIS を使用している場合は、public.geometry_columns テーブルに対する SELECT、INSERT、UPDATE、および DELETE の権限、および public.spatial_ref_sys テーブルに対する SELECT 権限を、そのデータベースでデータを作成するすべてのユーザに付与します。

PostgreSQL の設定とジオデータベースの作成(Windows)

  1. ウィザードを使用して PostgreSQL をインストールします。Slony-I のような他の PostgreSQL コンポーネントを使用する場合は、アプリケーション スタックビルダをインストールします。
  2. pg_hba.conf ファイルを変更して、クライアント接続を受け入れるように PostgreSQL データベース クラスタを設定します。「クライアント接続を受け入れるための PostgreSQL データベース クラスタの設定(Windows)」をご参照ください。
  3. ウィザードを使用して ArcSDE をインストールします。手順については、「ArcSDE for PostgreSQL のインストール(Windows)」をご参照ください。
  4. PostgreSQL DBMS とは異なるサーバに ArcSDE をインストールする場合、PostgreSQL の lib ディレクトリから ArcSDE がインストールされているサーバの SDEHOME > bin に特定のライブラリをコピーまたは FTP 転送して、ST_Geometry タイプがライブラリにアクセスできるようにする必要があります。手順については、「異なるサーバへの PostgreSQL と ArcSDE のインストール」をご参照ください。
  5. postgres スーパー ユーザとして接続します。表領域、データベース、sde ユーザ、sde スキーマを作成し、インストール用のスーパー ユーザ権限を sde ユーザに付与します。これには、ArcSDE for PostgreSQL のポスト インストール ウィザードを使用します。PostGIS を使用する場合は、ステップ 2 で PostGIS をインストールしたときに作成された PostGIS 対応のデータベースを指定してください。ポスト インストール ウィザードの使用法については、「PostgreSQL でのジオデータベースの作成(Windows)」をご参照ください。
  6. ArcSDE サービスを使用してジオデータベースへの接続を作成する場合は、ポスト インストール ウィザードを使用してサービスを作成し開始することができます。
  7. PostGIS を使用している場合は、public.geometry_columns テーブルに対する SELECT、INSERT、UPDATE、および DELETE の権限、および public.spatial_ref_sys テーブルに対する SELECT 権限を SDE ユーザに付与します。
  8. 他のユーザおよびユーザのスキーマを作成し、権限(スキーマに対する権限を含む)を付与します。

関連項目


3/6/2012