演習 5:アニメーションの操作
景観をバックに飛行する物体を表示する一連のアニメーションを作成する場合を想定します。TIN は作成済みで、その上にイメージをドレープして、範囲が示されています。また、その地域に発生している奇妙な現象に関するデータがいくつかあります。それらのデータをすべて動的に表示し、対象となるポイントをアニメーション化するとともに、どのようにサーフェイスを作成したかを示したいと考えています。また、シーン内でレイヤを移動してその現象のモデル化をしたいと考えています。
チュートリアル データはすでに Animation.sxd というシーン ドキュメントで作成済みです。ArcScene のアニメーション ツールを使用することによって、提示したいポイントを効果的に表示してください。
データは、MassGIS の Commonwealth of Massachusetts Executive Office of Environmental Affairs により提供されています。
この演習では、ArcScene ドキュメントの既存のアニメーションである Final Animation_A.sxd を使用するものとし、アニメーションを作成するときによく使われるタスクを実行します。アニメーションを作成するのに ArcScene で行う作業の大半は、ArcGlobe にも適用されます。
Final Animation_A シーンドキュメントを開く
ここでは、アニメーション機能を使用して、シーンをアニメーション化したときの効果を説明します。
- [スタート] → [すべてのプログラム] → [ArcGIS] → [ArcScene 10] の順にクリックして、ArcScene を起動します。
- ArcScene の [はじめに] ダイアログ ボックスで、[既存のシーン] → [詳細検索] の順にクリックします。
- 「Exercise5」フォルダに移動し、「Final Animation_A」ArcScene ドキュメントをダブルクリックします。
シーンのアニメーションの再生
シーンのアニメーションを表示するには、ビュー内で [アニメーション] ツールバーにアクセスできるようにしておく必要があります。
- [カスタマイズ] をクリックし、[ツールバー] をポイントして、[アニメーション] をクリックします。
- [アニメーション コントロールを開く] ボタンをクリックします。
- [再生] ボタンをクリックします。
アニメーション シーン ドキュメントを開く
- ArcScene で [ファイル] をクリックし、[開く] をクリックします。
- 「Exercise5」フォルダに移動し、「Animation」ArcScene ドキュメントをダブルクリックします。
このセクションでは、アニメーション ツールを使用して、キーフレームのキャプチャ、トラックのインポート、アニメーションの再生、シーン ドキュメントへの保存などを行います。
アニメーションの作成でキャプチャするために 3 つのタイプのキーフレームが使用されます。1 つめは、カメラ キーフレームです。カメラ キーフレームは、シーンで見られるビューのスナップショットです。2 つめは、レイヤのプロパティのスナップショットであるレイヤ キーフレームです。3 つめのタイプは、シーン キーフレームで、シーンのプロパティが保存されます。ここでは、カメラ キーフレームのセットから簡単なアニメーションを作成します。
三次元ビューをキーフレームとしてキャプチャしアニメーションを作成する
アニメーションを作成する最も簡単な方法は、ビューをキャプチャしてキーフレームとして保存することです。キャプチャしたビューとは、特定の時点でカメラ撮影したシーンのスナップショットです。アニメーションの最も基本的な要素はキーフレームです。キーフレームは、スナップショットとして使用され、トラック間に内挿されます。ここでは、一連のキーフレームを作成し、調査地域の対象ポイント間にアニメーションを表示するカメラ トラックを作成します。
- [ビューをキャプチャ] ボタンをクリックしてシーン全体を表示するカメラ キーフレームを作成します。
- [UFO.lyr] を右クリックして、[レイヤの全体表示] をクリックします。
- [ビューをキャプチャ] ボタンをクリックして、UFO レイヤを示すカメラ キーフレームを作成します。
- [全体表示] ボタンをクリックし、全データを表示します。
- [ツール] ツールバーで [拡大] をクリックし、表示の中心近くにあるゴス高原(Goss Heights)を拡大します。
- [ビューをキャプチャ] ボタンをクリックして、ゴス高原(Goss Heights)のカメラ キーフレームを作成します。
- [全体表示] ボタンをクリックします。
- もう一度 [拡大] ツールを使用して、リトルビル湖(Littleville Lake)を拡大します。
- [ビューをキャプチャ] ボタンをクリックして、リトルビル湖(Littleville Lake)のビューをキャプチャします。
- [全体表示] ボタンをクリックします。
キャプチャしたばかりのビューは、カメラ キーフレームのセットとしてカメラ トラックに保存されます。トラックが再生されると、キーフレーム間がスムーズなアニメーションとして表示されます。次にアニメーション トラックを再生します。
アニメーションを再生する
ビデオ プレイヤーのボタン類に似た簡単なツールを使用してアニメーションを再生します。
- [アニメーション コントロールを開く] ボタンをクリックします。
- [アニメーション] ツールバーの上部のバーをクリックしたまま、シーンの左下にドラッグして、ツールやデータの表示の邪魔にならないようにします。
- [再生] ボタンをクリックします。
アニメーションを消去する
最初からやり直したい場合は、作成したすべてのトラックを消去できます。このセクションでは、作成したトラックを消去し、より効果的なアニメーションを作成し直します。
- [アニメーション] をクリックして [アニメーションを消去] をクリックします。
ナビゲーションを録画する
アニメーションのカメラ トラックを作成するには、シーンでのナビゲーションをリアルタイムで録画する方法もあります。ここでは、[フライ] ツールを使用してナビゲーションしながらシーンのビューを録画します。
- [フライ] ツールをクリックします。
- [録画] ボタンをクリックして、ナビゲーションの録画を開始します。
- [フライ] ツールを有効にするには、シーンの中央を一度だけクリックします。ホバリング モードにすると、飛行を開始します。
- 再度クリックして、シーン内飛行を開始します。
- 飛行を中止する場合は Esc キーを押します。
- [停止] ボタンをクリックして、録画を終了します。
- [全体表示] ボタンをクリックします。
- [再生] ボタン をクリックして、録画したアニメーションを表示します。
- [アニメーション] をクリックして [アニメーションを消去] をクリックします。
3D ブックマークからカメラ トラックを作成する
これまでシーン内をナビゲートし、キーフレームを作成することによりカメラ トラックを構築してきました。カメラ トラックのキーフレームを作成するには、ブックマークしたシーンの三次元表示をインポートする方法もあります。ここでは、3D ブックマークからキーフレームを作成します。
- [アニメーション] をクリックして [キーフレームを作成] をクリックします。
- [タイプ] ドロップダウン矢印をクリックし、[カメラ] を選択します。
- [新規作成] をクリックして、新しいトラックを作成します。
- [作成] をクリックします。
- [ブックマークからインポート] をオンにします。
- [ブックマークからインポート] ドロップダウン矢印をクリックし、[Goss Heights] をクリックします。
- [作成] をクリックし、トラックに 2 つめのキーフレームを作成します。
- [ブックマークからインポート] ドロップダウン矢印をクリックして、[LittleVilleDam] を選択します。
- [作成] をクリックして、このブックマークをキーフレームとしてインポートします。
- [ブックマークからインポート] ドロップダウン矢印をクリックし、[Knightville] をクリックします。
- [作成] をクリックして、Knightville キーフレームを作成します。
- [ブックマークからインポート] ドロップダウン矢印を再度クリックし、[Overview] をクリックします。
- [作成] をクリックし、データ全体を表示するキーフレームをインポートします。
- [閉じる] をクリックします。
- [再生] ボタンをクリックします。
グループ アニメーションを使用して表示レイヤを切り換える
ここまで、アニメーションにするカメラ トラックをキーフレームから作成する方法について説明しましたが、ここからは、アニメーションの再生時にシーンでのレイヤの表示設定を変更する方法について学習します。ここでは、テレインの表示方法を変えるために、テレイン上にドレープするレイヤの表示方法を切り替えます。
- [アニメーション] をクリックして [グループ アニメーションを作成] をクリックします。
- [Image Data] という名前のグループ レイヤを選択します。
- [フェーディング トランジション] バーを全体の 1/4 ほど右にスライドします。
- [フェーディング時にレイヤをブレンド] をクリックします。
- [OK] をクリックします。
- [再生] ボタンをクリックして、アニメーションを表示します。
アニメーション マネージャを使用してトラックの再生をオフにする
アニメーション マネージャでは、アニメーションの多くのプロパティを制御できます。ここでは、アニメーション マネージャを使用してカメラ トラックの再生を停止します。
- [アニメーション] をクリックして [アニメーション マネージャ] をクリックします。
- [トラック] タブをクリックします。
- 「カメラトラック 1」をオフにします。
- [閉じる] をクリックします。
- [再生] ボタンをクリックします。
アニメーション コントロールを使用して再生時間を調整する
- [オプション] をクリックします。
- [再生時間] テキスト ボックスに「10」と入力します。
- 再度 [オプション] をクリックして、ダイアログ ボックスのこの部分を閉じます。
- [再生] ボタンをクリックします。
あらかじめ決めた経路上を移動させる
アニメーションで可能な操作の 1 つに、シーンでのオブジェクトの移動があります。この操作では、モデルの車のレイヤを追加し、指定したトラックに沿ってシーンの中で移動させることができます。この機能は ArcScene でのみ使用できます。
選択したライン フィーチャまたはグラフィックスに沿ってレイヤを移動させることもできます。このシーンには、グラフィックス レイヤがあり、Visual Basic コードを使用して作成されたモデル UFO が使われています。次のステップでは、フライト パスを示すシェープファイルに沿ってモデル UFO を飛行させます。
- コンテンツ ウィンドウで「Flight Path」をオンにし、このレイヤの表示をオンにします。
- 「Flight Path」を右クリックし、[選択] をポイントして、[すべて選択] をクリックします。
- また、パスが 1 つの選択されたライン フィーチャから構成されている場合、[フィーチャ選択] ツールを使用して、使用したいパスを選択することもできます。パスがライン グラフィックスから構成されている場合は、[グラフィックスの選択] ツールを使用します。
- [アニメーション] をクリックして [パスに沿ってレイヤを移動] をクリックします。
- [レイヤ] ドロップダウン矢印をクリックし、「UFO.lyr」をクリックします。
- [高度オフセット] に「75」と入力します。これによって、物体がサーフェス上を飛行しているように見せることができます。
- [方向の設定] をクリックして、アニメーション化する際のレイヤ位置を変更します。
- [パスから計算] をクリックして、パスの形状に基づいたレイヤのロール角を計算します。
- 縮尺係数に「1」と入力します。
- [OK] をクリックします。
- [インポート] をクリックしてフライト パスとして選択されたラインをインポートします。
- [アニメーション] をクリックして [アニメーション マネージャ] をクリックします。
- [トラック] タブをクリックします。
- 「グループ アニメーション(Mesh)」をオフにします。
- 「グループ アニメーション(Photo.sid)」をオフにします。
- 「グループ アニメーション(Topo.sid)」をオフにします。
- [閉じる] をクリックします。
- 「Flight Path」をオフにし、このレイヤの表示をオフにします。
- [再生] ボタンをクリックします。
パスからカメラ フライバイを作成する
レイヤをパスに沿って移動させたのと同じ方法で、カメラをフライト パスに沿って移動させることができます。次に、前の手順で作成したトラックと UFO 飛行時に UFO に向けたカメラのトラックとを組み合わせます。
- 「Flight Path」をオンにし、パスとして選択したラインがまだ選択されていることを確認し、その後、[Flight Path] をオフにします。
- [ブックマーク] メニューをクリックし、[UFO] をクリックします。
- [アニメーション] をクリックし、[パスからフライバイを作成] をクリックします。
- 3 つめの移動対象オプションをクリックします。
- [インポート] をクリックします。
- [再生] ボタンをクリックします。
- 「Topo.sid」チェックボックスをオフにし、航空写真のゆがみを補正した写真を表示させます。
- [オプション] をクリックします。
- [再生時間] テキスト ボックスに「30」と入力します。
- [オプション] をクリックして、ダイアログ ボックスを最小化します。
- [再生] ボタンをクリックします。
アニメーションをシーン ドキュメントとして保存する
アニメーション トラックは、シーン ドキュメント形式で保存できます。次のステップでは、作成したアニメーションをシーン ドキュメントに保存します。
- [ファイル] → [名前を付けて保存] の順にクリックします。
- [ファイル名] テキスト ボックスで、「Animation_A」と入力します。
- [保存] をクリックします。
- ArcScene の [ファイル] メニューをクリックし、[終了] をクリックします。
この演習では、簡単なアニメーションの作成と保存方法を説明しました。これによって、3D データをより高度に視覚化することができるようになります。この演習では、主に ArcScene によるアニメーション作成を説明しましたが、ほとんどのステップは ArcGlobe でも行うことができます。
[アニメーション] ツールバーは、ArcMap でも利用可能です。つまり、ArcMap でもアニメーションの作成が可能です。ArcMap でデータをアニメーション化する上で、3D Analyst ライセンスは不要です。ビューをキャプチャして、マップ ビュー トラック(ArcMap で使用され、ArcScene または ArcGlobe のカメラ トラックに相当)を作成することができます。トラックは、表示範囲をキャプチャします。これによって、拡大、縮小しているアニメーションを作成したり、表示したいと考えているものをアニメーション化できます。また、マップ レイヤ トラック(ArcMap で使用され、ArcScene または ArcGlobe のレイヤ トラックに相当)を作成して、レイヤ表示や透過度を変更しようとしているところでアニメーションを作成できます。
この演習で学んだように、作成するアニメーションのタイプに応じて、ArcGIS のさまざまなアニメーション作成方法があります。使用しているアプリケーション(ArcScene、ArcGlobe、またはArcMap)によっては、[アニメーション] ツールバーで利用できないツールがあります。たとえば、[パスに沿ってレイヤを移動] オプションを利用できるのは ArcScene のみです。アニメーションの概念の詳細については、ArcGIS ヘルプの「マッピングとビジュアライゼーション」セクションにあるアニメーションのヘルプ ファイルをご参照ください。
次の演習では、ArcGlobe の基本的な操作について説明します。