陰影起伏 DEM とスキャン マップの結合

複雑さ: 中級者 データ要件: 独自のデータの使用

陰影起伏の付いた地形図の作成は、2 種類のラスタ データのマージ例として挙げられます。陰影起伏 DEM を別のラスタ データ(衛星画像や航空写真など)と結合することもできます。陰影起伏 DEM をスキャンしたマップまたは任意の 2D イメージと結合することで、地形図の視覚効果を向上させることができます。

このワークフローには、2 つのデータ ソースが存在します。エッジに沿ってつながれた複数のタイル化された DEM と、複数のスキャン マップ シートです。モザイク データセットを使用して、以下のワークフローに沿って、ラスタ データ ソースを管理および結合します。

  1. DEM データセットを管理するためのモザイク データセットを作成します。
  2. スキャン マップを管理するためのモザイク データセットを作成します。
  3. 上の 2 つを結合するために、3 つめのモザイク データセットを作成します。(この処理は必須ではありませんが、これによってデータを個別に維持できるようになるので、管理が簡単になります。)
  4. スキャン マップのモザイク データセットを 3 つめのモザイク データセットに追加します。
  5. 3 つめのモザイク データセットに必要な関数を適用して、2 つのデータ ソースを挿入して結合します。

ワークフロー図

モザイク データセットの作成

このワークフローでは、3 つのモザイク データセットを作成します。ソースのモザイク データセットを個別に管理しておくと便利なことがあります。たとえば、他のモザイク データセットの入力データとして使用しやすくなります。

手順:
  1. DEM という名前のモザイク データセットを作成します。ここにはすべての標高データを格納します。
    1. データを追加し、サービス概要を作成します。
  2. TOPO という名前のモザイク データセットを作成します。ここにはスキャンしたマップを格納します。
    1. データを追加し、サービス概要を作成します。
  3. HillShadeTopo という名前のモザイク データセットを作成します。
  4. [モザイク データセットへのラスタの追加] ツールを使用して、TOPO モザイク データセットを HillShadeTopo モザイク データセットに追加します。
    1. [モザイク データセット] に「HillShadeTopo」と入力します。
    2. [ラスタ タイプ] のドロップダウン矢印をクリックし、[Raster Dataset] をクリックします。
    3. [入力] の値は [Dataset] でなければなりません。
    4. [入力] の参照ボタン 参照 をクリックして、TOPO モザイク データセットを選択します。
    5. [OK] をクリックしてツールを実行します。

関数の追加

次の手順では、HillShadeTopo モザイク データセットに関数を追加して、TOPO と陰影起伏 DEM を平均します:(TOPO + 陰影起伏 DEM) / 2

算術関数の追加:加算

手順:
  1. カタログ ウィンドウ内の HillShadeTopo を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
  2. [関数] タブをクリックします。
  3. [モザイク関数] を右クリックして、[挿入] [算術演算関数] の順にクリックします。

    算術関数を追加

  4. [入力ラスタ 2] の参照ボタンをクリックして、DEM モザイク データセットを選択し、[追加] をクリックします。

    デフォルトでは、この操作は [加算] です。

  5. [OK] をクリックして [ラスタ関数プロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。

TOPO および DEM モザイク データセットのピクセル値を追加する関数が挿入されます。[関数] タブの関数チェーンに算術関数が表示されるようになり、DEM モザイク データセットが追加されます。スキャン マップに陰影起伏を付けて出力するには、DEM に陰影起伏関数を追加する必要があります。

関数チェーン

陰影起伏関数の追加

手順:
  1. [DEM] を右クリックして、[挿入] [陰影起伏関数] の順にクリックします。

    陰影起伏関数の追加

  2. 必要に応じて、光源方位、光源高度、または Z 値のパラメータを編集します。
  3. [OK] をクリックして [ラスタ関数プロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。

    関数チェーン

陰影起伏関数が DEM の上に挿入されます。陰影起伏関数とモザイク関数(これがソース TOPO です)の両方からの出力が合わせて追加されます。ただし、TOPO モザイク データセットには 3 つのバンドがあり、陰影起伏関数では 1 バンドのグレースケールが出力されるだけです。バンド抽出関数を挿入して、算術関数では陰影起伏の付いたシングル バンドを入力として使用するように指定する必要があります。これが 3 つのバンドそれぞれに追加されます。したがって、同じ数のバンドを持つデータをまとめて追加することになります。

バンド抽出関数の追加

手順:
  1. [陰影起伏関数] を右クリックして、[挿入] [バンド抽出関数] の順にクリックします。
  2. [バンド ID] テキストボックスに 1 1 1(スペース区切りのリスト)を入力します。
  3. [OK] をクリックして [ラスタ関数プロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。

    関数チェーン

DEM に陰影起伏が付き、3 つのバンドに拡張されます。TOPO および陰影起伏 DEM を追加する関数が関数チェーンに追加されました。次に、これらの合計を 2 で割る関数を追加できます。

算術関数の追加:除算

手順:
  1. [算術関数] を右クリックして、[挿入] [算術関数] の順にクリックします。
  2. [演算] のドロップダウン矢印をクリックし、[除算] をクリックします。
  3. [ラスタ] のドロップダウン矢印をクリックし、[ラスタ 2] をクリックします。
  4. [定数] テキスト ボックスに「2」と入力します。
  5. [OK] をクリックして [ラスタ関数プロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。

    必要な関数がすべて関数チェーンに追加されました。

    完成した関数チェーン

  6. [OK] をクリックして [モザイク データセット プロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。

陰影起伏の付いたスキャン マップを表示します。拡大/縮小を行い、ビューの更新が必要な場合があります。

関連項目


7/10/2012