ArcGIS での検索の使用

ArcGIS には、GIS コンテンツを検索し、その結果を即座に作業で使用できる機能があります。たとえば、検索した結果をマップに追加したり、見つかったアイテムをジオプロセシング操作に挿入したりすることができます。

ArcGIS での検索は、[検索] ウィンドウからアクセスします。[検索] ウィンドウは、検索の使用方法の設定や管理にも使用できます。たとえば、検索対象にしたいファイル フォルダ、ジオデータベース、サーバなどを特定することができます。

このトピックでは、検索の使用方法の概要と、ArcGIS で検索を設定する方法について説明します。

検索を使用する準備

検索を使用する前に、検索プロパティを設定していることを確認してください。確認するには、検索対象にするローカル コンピュータやネットワーク上の一連のフォルダ、あるいはジオデータベース接続を特定します。

詳細については、後述する「インデックス構築オプションの確認と設定」をご参照ください。

検索インデックスの更新と管理

新しいデータセットの作成、既存のデータセットの変更や置換などは定期的に行われるため、検索インデックスが内容の最新状態を反映しなくなる可能性があります。

[インデックス/検索オプション] ダイアログ ボックスを使用して、インデックスを再構築する頻度を制御したり、必要に応じて作り直したりすることができます。変更の多い ArcGIS ワークスペース フォルダやジオデータベースを検索する場合に便利です。

詳細については、後述する「インデックス構築オプションの確認と設定」をご参照ください。

アイテムの検索

アイテムを検索するには、[検索] ウィンドウで次のように操作します。

1. [検索] ウィンドウ アイコン をクリックするか、メイン メニューで [ウィンドウ] → [検索] の順にクリックして、ArcGIS で [検索] ウィンドウを開きます。
2. [検索] ウィンドウが表示され、GIS アイテムの検索や結果の確認ができるようになります。

検索結果の確認と操作

検索結果は結果ウィンドウに表示されます。次に例を示します。

マップ ドキュメントにカーソルを重ねると、アイテムの説明が表示されます。

検索結果を使用して、次の操作を実行することができます。

• 検索結果のアイテム名をクリックすると、アイテムが開きます。たとえば、マップ ドキュメント名をクリックすると、ドキュメントが ArcMap で開きます。データセット名をクリックすると、データセットが新規レイヤとして ArcMap に追加されます。ジオプロセシング ツールをクリックすると、ツールが開いて実行できるようになります。
  注意:

  検索結果でレイヤやデータセットの名前をクリックすることにより、意図せずに新しいデータをマップに追加してしまうことがあります。

• 検索結果のスニペット（各アイテム名の下に表示される短い説明）にマウス カーソルを重ねると、アイテムの説明がポップアップ ウィンドウに表示されます。
• 結果のスニペットをクリックして、アイテム説明を開きます。アイテム説明は、アイテムの情報を確認するだけでなく、メモを取ったり、説明を更新したりするのにも便利です。たとえば、特定のタスクをサポートするために最適なデータセットが見つかったとします。説明の中に、そのことをメモとして記録することができます。
• パス（リンク）をクリックして、見つかったアイテムを表示する カタログ ウィンドウに移動します。たとえば、適切なジオプロセシング ツールが見つかった場合は、そのリンクをクリックして、ツールがどのツールボックスに含まれているかを確認することができます。

便利な検索のヒント

ArcGIS の検索を使用するときは、次のことを考慮すると役に立ちます。

• 検索カテゴリ（[すべて]、[マップ]、[データ]、[ツール]）を使用して、検索結果を絞り込みます。
• アイテムを文書化するときはタグを使用します。タグは検索に非常に役立つ場合があります。
• 検索にワイルド カード（*）を使用します。語句の一部に続けて「*」を入力すると、検索が容易になります。たとえば、「templates」を検索するときには「temp*」と入力します。
• 検索対象にするフォルダ、ジオデータベース、サーバを把握しておくことをお勧めします。使用しているコンピュータで ArcGIS の検索プロパティを設定する手順については、後述のセクションをご参照ください。
• 検索結果を確認する際に、アイテムの説明を編集しておくと、多くの場合役に立ちます。スニペットをクリックすると、検索結果の [アイテム説明] が表示されます。検索操作の一部としてこの説明を編集することができます。詳細については、「カタログ ウィンドウのアイテムの文書化」をご参照ください。
• ArcGIS の [検索] ウィンドウでは、その他にも役立つヒントが提供されます。詳細については、[検索] ウィンドウの [ヘルプ] をクリックしてください。

検索対象の特定

ArcGIS の検索では、検索対象を特定するための重要な手順がいくつかあります。ここではその手順について説明します。

• ローカル検索の実行 - メイン メニューで、ローカル検索とエンタープライズ検索のどちらを実行するかを指定することができます。[ローカル検索] を選択すると、使用しているコンピュータおよび カタログ ウィンドウに設定済みの ArcGIS 接続を検索することになります。
• エンタープライズ検索の実行 - [エンタープライズ] を選択すると、ArcGIS Server を使用して公開されているサーチ サービスを使用して、エンタープライズ全体の検索が実行されます。サーチ サービスは、検索オプション ダイアログから追加することができます。
• ArcGIS Online 検索の実行 - [ArcGIS Online] を選択すると、ArcGIS Online のコンテンツと、自分のワークスペース（My Content など）内のアイテムを検索できます。デスクトップから ArcGIS Online にログインするには、[ファイル] → [サイン イン] の順にクリックします。

インデックス構築オプションの確認と設定

ArcGIS の検索プロパティを [インデックス/検索オプション] ダイアログ ボックスで管理する必要があります。

このダイアログ ボックスで、検索の対象にする一連のフォルダ、GIS 接続、ArcGIS Server のサーチ サービスを設定することができます。さらに、ArcGIS の検索インデックスを保守する時期や頻度も指定することができます。

検索インデックスの構築は、検索結果を迅速で正確なものにするために重要です。デフォルト設定を使用すると、通常はほとんどのユーザに対して適切に機能します。しかし、このダイアログ ボックスを使用すると、特定の設定を変更することができます。次に例を示します。

• インデックスを構築するフォルダや接続を特定する場合
• 新しいアイテムについて検索インデックスを更新する頻度を設定する場合
• アイテムのインデックスを作り直す頻度を指定する場合

即時インデックス構築を手動で制御して、ArcGIS コンテンツの更新、一時停止、インデックスの再構築を行うこともできます。

1. ArcGIS の [検索] ウィンドウでアイコンをクリックして、[インデックス/検索オプション] ダイアログ ボックスを開きます。
2. [インデックス/検索オプション] ダイアログ ボックスでは、検索用のインデックスを構築するフォルダや ArcGIS 接続の確認および設定が可能です。現在の接続は [フォルダおよびサーバ接続の登録] ボックスで確認できます。[追加] ボタンと [削除] ボタンを使用して、この接続リストを管理してください。これは、多数のワークスペース フォルダ、ジオデータベース、ツールボックス、GIS サーバ、およびその他のリソースへの接続を確立するために使用します。
   ArcGIS 検索で管理できる接続のリストを次に示します。
   • フォルダ接続 追加され、接続が確立されている任意のワークスペース フォルダです。フォルダの内容は、各フォルダの下に一覧表示されます。
   • パーソナル ジオデータベース ファイル ジオデータベース内のデータセットの管理に使用します。
   • ツールボックス このノードは、ジオプロセシング ツールの整理やアクセスに使用します。
   • Interoperability Connections オプションである Data Interoperability Extension 製品の多数の特別なデータ形式にアクセスするために使用します。Safe Software の FME 製品にアクセスして、GIS データの相互運用性を確保するために使用します。
   • データベース サーバ接続 SQL Server Express に格納され、管理されているジオデータベースに管理者として接続するために使用します。

     ArcSDE ジオデータベースの管理者タスクの詳細

   • データベース接続 Oracle、SQL Server、SQL Server Express、IBM DB2、Informix、PostGreSQL 内の ArcSDE ジオデータベースへの接続をユーザが確立するために使用します。
   • GIS サーバ接続 ArcGIS サーバ、ArcIMS サーバ、および各種の OGC WMS サービスや WFS サービスに接続するために使用します。
3. [検索] タブの [エンタープライズ サーチ サービスの登録] ボックスでは、ArcGIS サーチ サービスの確認と設定が可能です。[追加] ボタンと [削除] ボタンを使用して、サーチ サービスの接続リストを管理してください。