Spatial Analyst の概要

ArcGIS Spatial Analyst Extension には、包括的なラスタベースの空間解析を実行するための豊富なツールと機能が用意されています。このエクステンションでは、さまざまなデータ形式を使用してデータセットの結合、新しいデータの解釈、および複雑なラスタの操作を実行できます。Spatial Analyst を使用して実行できる解析の例として、テレイン解析、サーフェス モデリング、サーフェスの内挿、適地選定のためのモデリング、水文解析、統計解析、画像分類などがあります。

次に、Spatial Analyst の主なコンポーネントの簡単な説明を示します。

次に、ArcGIS 10 の Spatial Analyst で利用できる各コンポーネントについて詳しく説明します。

ジオプロセシング ツール

Spatial Analyst は、空間解析処理を実行するための 170 のジオプロセシング ツールを提供します。これらのツールの一般的なカテゴリには、解析を目的とするツールに加え、基本的な算術演算と論理演算を実行するツールや、ラスタ データセットの作成と処理を実行するツールが含まれます。ツールは、関連する機能ごとに 19 のツールセットにグループ化されています。

Spatial Analyst ツールボックス
[Spatial Analyst] ツールボックスのツールセット

マップ代数演算と Python

マップ代数演算は、Python 環境と完全に統合されました。Python におけるマップ代数演算式の構文は、ArcGIS 9.x の [ラスタ演算(Raster Calculator)]、[マップ代数演算 単一出力(Single Output Map Algebra)](SOMA)、および [マップ代数演算 複数出力(Multi Output Map Algebra)](MOMA)ジオプロセシング ツールで使用する構文とよく似ています。ArcGIS 10 の Python 環境は、コマンドのオートコンプリート機能、スクリプトの利用範囲の拡張、および遅延実行により、以前よりも利便性が向上しています。

Python でのマップ代数演算の例

Spatial Analyst ツールバー

[Spatial Analyst] ツールバーの対話型ツールを使用して、サーフェス ラスタに等値線を作成し、データのヒストグラムを作成してラスタ レイヤの値の分散状況を調べることができます。

[Spatial Analyst] ツールバー

ArcGIS 9.3 以前の [Spatial Analyst] ツールバーに慣れている場合、ArcGIS 10 のツールバーには個々の操作が表示されるドロップダウン リストがないことに気付くはずです。すべての Spatial Analyst ツールは、ジオプロセシング ツールと Python を通して利用でき、カスタマイズにより任意のツールバーに追加できるようになりました。

9.3 以前の [ラスタ演算] ダイアログ ボックスの代わりに、マップ代数演算は直接 [Python] ウィンドウに入力できます。

画像分類ツールバー

このツールバーでは、対話型のツールとジオプロセシング ツールの両方によって、マルチバンド ラスタ データセットの画像分類を実行できます。

[画像分類] ツールバーのみで、画像分類処理を完結できます。ここで提供される対話的で使いやすいツールによって、教師付き分類に必要なトレーニング サンプルを作成、評価したりできます。多変量解析用のさまざまなジオプロセシング ツールにもアクセスできます。

[画像分類] ツールバー

[トレーニング サンプル マネージャ] では、分類の実行を支援する次のような機能が提供されています。

トレーニング サンプル マネージャ

このツールバーによって、画像分類作業が効率的かつ簡単になります。

関連項目


7/10/2012