ジオプロセシングの概要

ツールとツールボックス

ジオプロセシング ツールは、地理データに対して、データの抽出とオーバーレイ、マップ投影の変更、テーブルへの列の追加、および属性値、ポリゴン オーバーレイ、最適ルートの計算など、単純で重要な処理を実行します。利用できるツールは数百あります。また、ビジュアル プログラミング言語の ModelBuilder や、テキストベースのプログラミング言語であるスクリプトを使用して、独自のツールを作成することもできます。

ツールはツールボックスに格納されています。ArcGIS に付属する数百のツールは、十数個のツールボックスに整理され、さまざまな分野に対して豊富な機能セットを提供します。

ツールを実行するには、まずツールを見つける必要があります。ツールを検索するには、次の 4 つの方法があります。

  1. よく使用する少数のツールは、[標準] ツールバーの [ジオプロセシング] メニュー内にあります。このリストは、[カスタマイズ] [カスタマイズ モード] の順に選択してカスタマイズできます。
  2. 検索ウィンドウ 検索 でツールを検索します。検索するには、ツールの内容を表すキーワードや短いフレーズを入力します。
  3. カタログ ウィンドウ カタログ でツールを参照します。参照するには、どのツールボックスにツールが含まれているかを知っている必要があります。
  4. ArcToolbox ウィンドウ ArcToolbox でツールを参照します。ArcToolbox ウィンドウは、カタログ ウィンドウと同様に、ツールボックスとツールをツリー ビューで表示します。カスタム ツールボックスを ArcToolbox ウィンドウに追加できます。

検索ウィンドウを使用したツールの検索カタログ ウィンドウを使用したツールの検索

ツールの検索の詳細

ツール ダイアログ ボックス

検索 ウィンドウからツールのダイアログ ボックスを開くには、ツール名をクリックします。カタログ ウィンドウでツールのダイアログ ボックスを開くには、ツールをダブルクリックするか、ツールを右クリックして [開く] をクリックします。

ツール ダイアログ ボックスの使用

ダイアログ ボックスにツールのパラメータを入力したら、[OK] をクリックしてツールを実行します。この例では、[クリップ(Clip)] ツールが Streets レイヤからフィーチャをクリップします。出力フィーチャクラスの Streets_Clip3 には、StudyArea ポリゴン内のフィーチャだけが含まれます。出力フィーチャクラスは、ArcMap のコンテンツ ウィンドウに自動的に追加されます。

ツールの実行の詳細

バックグラウンド処理と結果ウィンドウ

ツールはバックグラウンドで実行します。つまり、ツールの実行中も ArcMap(または ArcGlobe など、他のアプリケーション)を操作することができます。ドキュメント下部にあるプログレス バーには、現在実行中のツールの名前が表示されます。ツールの実行が完了すると、システム トレイにポップアップ通知が表示されます。

バックグラウンド処理のプログレス バーと通知

バックグラウンド処理の詳細

ツールの実行は、[結果] ウィンドウで追跡できます。[結果] ウィンドウを開くには、[ジオプロセシング] [結果] の順にクリックします。[結果] ウィンドウを使用すると、ツールの実行に関するすべての情報がわかります。

結果ウィンドウ内の結果

結果ウィンドウの詳細

モデルと Modelbuilder

ジオプロセシングでは、あるツールの出力を別のツールの入力として、一連のツールを 1 つに連結できます。ツールを連結するにはジオプロセシング モデルを使用します。モデルの作成には、以下の ModelBuilder を使用します。

モデルを表示する ModelBuilder ウィンドウ

ModelBuilder ウィンドウを開くには、[ModelBuilder ウィンドウ] ModelBuilder ボタンを使用するか、[ジオプロセシング] [ModelBuilder] の順にクリックします。上のモデルは、空のモデルを新規作成してから、検索ウィンドウまたはカタログ ウィンドウから ModelBuilder ウィンドウへツールをドラッグ アンド ドロップすることで構築されました。

ここで最も重要なのは、モデルはツールであるということです。モデルの振舞いは、他のすべてのジオプロセシング ツールと全く同様です。モデルは、ダイアログ ボックスまたはスクリプト内で実行できます。モデルはツールなので、モデルをモデルに埋め込むことが可能です。

ModelBuilder の詳細

Python とスクリプト

Python は、無償のクロスプラットフォーム対応のオープンソース プログラミング言語であり、高速でパワフルな機能と習得のしやすさを兼ね備えています。Python は、コンパイラが必要ないため、スクリプト言語(翻訳言語)と見なされます。Python で記述したプログラムは、スクリプトと呼ばれます。Python の他にもスクリプト言語はありますが、Esri はその高い機能と広い支持から、Python を推奨スクリプト言語に選びました。

Python は、ArcGIS のインストール時に自動的にインストールされます。ArcPy サイト パッケージでは、すべてのジオプロセシング ツールおよび GIS データを照会するためのさまざまな便利な機能が利用できます。サイト パッケージは、Python に追加機能を追加するライブラリを表す Python の用語で、ArcPy サイト パッケージは Python に GIS 機能を追加します。ArcPy サイト パッケージは、ArcGIS とともにインストールされます。Python および ArcPy サイト パッケージを使用すれば、地理データを操作する便利なプログラムをいくつでも開発できます。

ArcGIS で Python コードを実行するには、次の 3 つの基本的な方法があります。

  1. Python ウィンドウで Python コードを対話的に実行できます。ウィンドウを開くには、[Python ウィンドウ] Python ボタンをクリックするか、[ジオプロセシング] [Python] の順にクリックします。Python ウィンドウは対話的なウィンドウで、Python コードを入力して即座に実行したり、アクティブ マップに結果を表示したりできます。
  2. オペレーティング システム プロンプトから、Python スクリプト(*.py のファイル)を実行できます。この場合、スクリプトはオペレーティング システム プロンプトから実行されるため、ArcMap などの ArcGIS アプリケーションを起動する必要はありません。オペレーティング システム プロンプトから実行されるスクリプトは、スタンドアロン スクリプトと呼ばれます。
  3. Python スクリプトを実行する独自のジオプロセシング ツールを作成できます。スクリプトを実行するツールは、スクリプト ツールと呼ばれます。スクリプト ツールは他のすべてのジオプロセシング ツールと同様に使用でき、モデルの中に埋め込んだり、他のスクリプト内で使用したりできます。スクリプト ツールは Python スクリプトに限定されません。JavaScript、AML、*.bat、*.exe など任意のファイルを実行するスクリプト ツールを作成できます。
Python の詳細

関連項目


7/10/2012