スケマティック ダイアグラムを更新するタイミング
ある時点で、スケマティック ダイアグラムに含まれているスケマティック フィーチャが、ダイアグラムの初期生成に使用された入力データの現在の状態で更新されていない場合があります。これは、次の状況で起こります。
- 関連付けられている入力エレメント(つまり、関連付けられている GIS フィーチャまたはオブジェクト、XML エレメント、ネットワーク エレメントなど)が存在しなくなった場合
- 元の入力エレメントの一部の属性値が変更されている場合
- いくつかの新しい入力エレメントが初期データとして検出される場合。ダイアグラムの生成直前に初期入力データとして使用されていた初期のトレース、ネットワーク解析、カスタム クエリ、属性検索などの処理の結果からいくつかの新しいエレメントが返されるようになった場合
以下のセクションでは、ダイアグラムの基礎となるビルダに応じて、これらの変更が更新時にダイアグラムのコンテンツにどのように反映されるのかを詳しく説明します。
スタンダード ビルダ ダイアグラムの更新
スタンダード ビルダに基づくスケマティック ダイアグラム テンプレートを次のような異なる入力データで機能するように構成することができます。
- ジオメトリック ネットワークを表現する GIS フィーチャ - このようなフィーチャがトレースまたは選択処理の後にマップ ドキュメントでハイライトされている場合
- カスタム クエリ - コンテンツを指定する、関連付けられているすべてのスケマティック フィーチャクラスに構成されている場合
ダイアグラムのコンテンツがジオメトリック ネットワークを表現する GIS フィーチャに基づく場合
この場合、スケマティック ダイアグラムは、トレースまたは選択処理の後に、マップでハイライトされている GIS フィーチャから生成されます。ダイアグラムが生成されると、Schematics では、これらのハイライトされているフィーチャに関連付けられているスケマティック フィーチャが構築され、ダイアグラムが表示される前にスケマティック データセットのスケマティック フィーチャクラスに配置されます。次に、このダイアグラムが開かれるたびに、スケマティック フィーチャに対して、GIS フィーチャクラスからではなく、スケマティック データセットのフィーチャクラスから直接クエリが実行されます。フィーチャの状態の変更やフィーチャの削除など GIS データに変更が加えられた場合、それらの変更がスケマティック データセットに自動的にレポートされることはないため、スケマティック ダイアグラムのコンテンツが GIS データセットのコンテンツと不整合になることがあります。
このため、スケマティック データセットが GIS データに応じて同期され、GIS フィーチャでの変更がダイアグラムに反映されるように、スケマティック ダイアグラムの更新を開始することができます。
次の表は、選択した更新オプションに基づいて、更新されたダイアグラムに反映される変更の種類を示しています。
初期 GIS フィーチャでの変更の種類 |
元の選択内容/トレース/クエリに対して同期する |
属性のみを更新する |
アクティブ ダイアグラムに新しいフィーチャを追加する |
アクティブ ダイアグラムを上書きする |
---|---|---|---|---|
削除された GIS フィーチャが更新されたダイアグラムに反映されるかどうか |
される |
されない |
される |
される(下記の注意 4 を参照) |
新しい GIS フィーチャが更新されたダイアグラムに追加されるかどうか |
|
されない |
される |
される(下記の注意 4 を参照) |
GIS フィーチャの属性に加えられた変更が更新されたダイアグラムに反映されるかどうか |
される(下記の注意 3 を参照) |
される(下記の注意 3 を参照) |
される(下記の注意 3 を参照) |
される(下記の注意 3 および 4 を参照) |
- スタンダード ビルダ ダイアグラムが、マップ上にグラフィックスとして返されたトレース結果から生成された場合、トレース パラメータは、スケマティック データセットに自動的に保存されます。次に、このダイアグラムが、[元の選択内容/トレース/クエリに対して同期する] オプションを使用して更新されると、Schematics では、トレース処理が自動的に再実行され、メモリ内の新しいトレース結果を使用してダイアグラムのコンテンツが更新されます。つまり、結果としてのトレースによって返される新しい GIS フィーチャに対して、新しいスケマティック フィーチャが、更新されたダイアグラムに作成されます。
- スタンダード ビルダ ダイアグラムが、マップで選択された GIS フィーチャ セットから生成された場合、この初期選択セットを作成するためにマップで実行されたと考えられる処理はたくさんあります。たとえば、手動選択、[属性検索] または [空間検索] コマンドを使用した選択処理、選択セットとして返されたトレース結果、これらの処理のいくつかを組み合わせたものなどです。この場合、ダイアグラムの更新時に、Schematics では、マップ内の同じ処理によって返されるはずの GIS フィーチャを自動的に取得することができません。つまり、最初に選択セットに基づいて生成されたダイアグラムの場合、[元の選択内容/トレース/クエリに対して同期する] オプションを使用して更新すると、マップで作成された可能性のある新しい GIS フィーチャに対して、更新されたダイアグラムに新しいスケマティック フィーチャが作成されることはありません。ダイアグラムのコンテンツは、同じ初期 GIS フィーチャ選択セットについてのみ更新されます。ダイアグラムの更新後にこのような変更をダイアグラムに反映させるには、マップで同じ選択処理を再実行し、[アクティブ ダイアグラムに新しいフィーチャを追加する] または [アクティブ ダイアグラムを上書きする] オプションを使用してダイアグラムを更新する必要があります。
- メモリにダイアグラムが読み込まれるたびに、たとえばダイアグラムで編集セッションが開始されるたびに、自動的に再評価されるようにスケマティック属性を構成することができます。この場合、関連付けられている GIS フィーチャクラスのいずれかのフィールドにこれらの属性がリンクされていると、GIS フィーチャ フィールドの値に対する変更が、編集セッションの開始時にダイアグラムに自動的に反映されます。これらの変更がスケマティック データベースに保持されるように、ダイアグラムの編集を保存することだけが必要です。保存後に、ダイアグラムは更新されていませんが、これらの属性値は最新のものになっています。
- [アクティブ ダイアグラムを上書きする] オプションを使用した場合、更新後のダイアグラムのコンテンツが、更新前のコンテンツとは完全に異なる場合があります。
ダイアグラムの更新時に、Schematics では、ダイアグラムに含まれるスケマティック フィーチャに関連付けられている GIS フィーチャに作用した可能性のある変更が反映されるだけでなく、スケマティック ルールの実行などの処理が更新プロセスで再実行される場合もあります。次の表は、選択した更新オプションに基づいて、ダイアグラムの更新時に体系的に再実行される処理の種類を示しています。
Schematics の更新プロセス中の処理 |
元の選択内容/トレース/クエリに対して同期する |
属性のみを更新する |
アクティブ ダイアグラムに新しいフィーチャを追加する |
アクティブ ダイアグラムを上書きする |
---|---|---|---|---|
トレース パラメータがスケマティック データベースに保持される場合、更新時にトレースが自動的に再実行されるかどうか |
される |
されない |
されない |
されない |
更新時にルールが再実行されるかどうか |
される |
されない |
される |
される |
スケマティック フィーチャの削除、削減、およびスケマティック リンクの再接続など特定の編集処理が、更新されたダイアグラムに保持されるかどうか |
される、またはされない(オプション) |
される、またはされない(オプション) |
される、またはされない(オプション) |
される、またはされない(オプション) |
ダイアグラムのコンテンツ全体がカスタム クエリに基づく場合
この場合、スケマティック ダイアグラムは、データベース テーブルからレコード セットを返す構成済みのクエリ セットから生成されます。ダイアグラムが生成されると、Schematics では、ダイアグラムで予期されるレコード セットに関連付けられているスケマティック フィーチャが構築され、ダイアグラムが表示される前にスケマティック データセットのスケマティック フィーチャクラスに配置されます。
ダイアグラムが再度開かれると、通常、スケマティック フィーチャに対して、実際のデータベース テーブルではなく、スケマティック データセットのフィーチャクラスからクエリが実行されます。つまり、変更が実際のデータベースのコンテンツに作用した場合、スケマティック フィーチャクラスまたはダイアグラムに変更が自動的に反映されることはありません。これらの変更を反映させるには、スケマティック ダイアグラムを更新する必要があります。
次の表は、選択した更新オプションに基づいて、更新されたダイアグラムに反映される変更の種類を示しています。
カスタム クエリによって返されるレコード セットに対する変更の種類 |
元の選択内容/トレース/クエリに対して同期する | 属性のみを更新する |
---|---|---|
削除されたフィーチャまたはオブジェクトが更新されたダイアグラムに反映されるかどうか |
される | されない |
新しいフィーチャまたはオブジェクトが更新されたダイアグラムに追加されるかどうか |
される | されない |
フィーチャまたはオブジェクトの属性に加えられた変更が更新されたダイアグラムに反映されるかどうか |
される | される |
スタンダード ビルダ ダイアグラム テンプレートに関連付けられているスケマティック フィーチャクラスに指定されているクエリが、スケマティック ダイアグラムが読み込まれるたびに動的に再実行されるように構成されている場合、ダイアグラムのコンテンツには、ダイアグラムが読み込まれた後、実際のデータベースにおける変更がダイアグラムの更新なしですぐに反映されます。ただし、この特定の場合では、スケマティック データセットのスケマティック フィーチャクラスのコンテンツは、スケマティック ダイアグラムが更新されるか、スケマティック ダイアグラムで編集セッションが開始して編集が保存されるまで、ダイアグラムのコンテンツと不整合のままです。
ダイアグラムの更新時に、スケマティック ルールの実行など、他の特定の処理を更新プロセス中に再実行することもできます。次の表は、ダイアグラムの更新時に再実行できる処理の種類を示しています。
Schematics の更新プロセス中の処理 |
元の選択内容/トレース/クエリに対して同期する | 属性のみを更新する |
---|---|---|
更新時にルールが再実行されるかどうか |
される(下記の注意を参照) | されない |
スケマティック フィーチャの削除、削減、およびスケマティック リンクの再接続など特定の編集処理が、更新されたダイアグラムに保持されるかどうか |
される、またはされない(オプション) | される、またはされない(オプション) |
ダイアグラムの更新時に、ダイアグラムの生成時と更新時に開始されるようカスタム クエリが構成されている、つまり評価モードが [生成/更新時のクエリ] になっているクエリが指定されているスケマティック フィーチャクラスにのみルールは適用されます。カスタム クエリがダイアグラムの読み込み時に開始するよう構成されている、つまり評価モードが [編集開始時のクエリ] になっているクエリが指定されているスケマティック フィーチャクラスは、ルール実行後に処理されます。
ネットワーク データセット ビルダ ダイアグラムの更新
ネットワーク データセット ビルダを使用する場合、スケマティック ダイアグラムは解析済みのネットワーク解析レイヤから生成されます。ダイアグラムが生成されると、Schematics では、このネットワーク解析レイヤを構成するメモリ内フィーチャに関連付けられているスケマティック フィーチャが構築され、ダイアグラムが表示される前にスケマティック データセットのスケマティック フィーチャクラスに配置されます。次に、このダイアグラムが開かれるたびに、スケマティック フィーチャに対して、スケマティック データセットのフィーチャクラスから直接クエリが実行されます。ネットワーク データセットで、解析済みのネットワーク解析レイヤに作用する変更を行った場合、この変更がスケマティック データセットに自動的にレポートされることはありません。この場合、この変更が反映されるようにスケマティック ダイアグラムのコンテンツを更新することができます。ダイアグラムを更新する前に、ネットワーク解析レイヤを再解析する必要があります。
次の表は、更新されたダイアグラムに反映される変更の種類を示しています。
ネットワーク解析レイヤを構成するメモリ内フィーチャに対する変更の種類 |
更新 |
---|---|
削除されたネットワーク エレメントが更新されたダイアグラムに反映されるかどうか |
される |
新しいネットワーク エレメントが更新されたダイアグラムに追加されるかどうか |
される |
ネットワーク エレメントの属性に加えられた変更が更新されたダイアグラムに反映されるかどうか |
される |
ダイアグラムの更新時に、Schematics では、ダイアグラムに含まれるスケマティック フィーチャに関連付けられているネットワーク エレメントに作用した可能性のある変更が反映されるだけでなく、スケマティック ルールの実行などの処理が更新プロセスで再実行される場合もあります。次の表は、ダイアグラムの更新時に体系的に再実行される処理の種類を示しています。
Schematics の更新プロセス中の処理 |
更新 |
---|---|
更新時にルールが再実行されるかどうか |
される |
スケマティック フィーチャの削除、削減、およびスケマティック リンクの再接続など特定の編集処理が、更新されたダイアグラムに保持されるかどうか |
される、またはされない(オプション) |
ユーザは、最初に特定の解析済みのネットワーク解析レイヤに基づいて生成されたダイアグラム、ネットワーク データセットの異なる部分に基づいているその他の解析済みのネットワーク解析から生成されたダイアグラム、または別の種類のネットワーク解析から生成されたダイアグラムを更新することができます。これは、更新後のダイアグラム コンテンツが更新前のコンテンツとはまったく異なるものになる場合があることを意味します。
XML ビルダ ダイアグラムの更新
XML ビルダを使用する場合、スケマティック ダイアグラムは入力 XML データから生成されます。ダイアグラムが生成されると、Schematics では、入力データの XML エレメントに関連付けられているスケマティック フィーチャが構築され、ダイアグラムが表示される前にスケマティック データセットのスケマティック フィーチャクラスに配置されます。次に、このダイアグラムが開かれるたびに、スケマティック フィーチャに対して、スケマティック データセットのフィーチャクラスから直接クエリが実行されます。入力データでの変更が、スケマティック データセットに自動的にレポートされることはありません。この変更を反映するには、スケマティック ダイアグラムのコンテンツを更新する必要があります。
次の表は、更新されたダイアグラムに反映される変更の種類を示しています。
初期 XML エレメントでの変更の種類 |
更新 |
---|---|
削除された XML エレメントが更新されたダイアグラムに反映されるかどうか |
される |
新しい XML エレメントが更新されたダイアグラムに追加されるかどうか |
される |
XML エレメントの属性に加えられた変更が更新されたダイアグラムに反映されるかどうか |
される |
ダイアグラムの更新時に、Schematics では、ダイアグラムに含まれるスケマティック フィーチャに関連付けられている XML エレメントに作用した可能性のある変更が反映されるだけでなく、スケマティック ルールの実行などの処理が更新プロセスで再実行される場合もあります。次の表は、ダイアグラムの更新時に体系的に再実行される処理の種類を示しています。
Schematics の更新プロセス中の処理 |
更新 |
---|---|
更新時にルールが再実行されるかどうか |
される |
スケマティック フィーチャの削除、削減、およびスケマティック リンクの再接続など特定の編集処理が、更新されたダイアグラムに保持されるかどうか |
される、またはされない(オプション) |
ユーザは、最初に所定の入力 XML データに基づいて生成されたダイアグラム、またはその他の入力 XML データから生成されたダイアグラムを更新することはできます。これは、更新後のダイアグラム コンテンツが更新前のコンテンツとはまったく異なるものになる場合があることを意味します。