横メルカトル図法
説明
ガウス クリューゲル図法とも呼ばれ、メルカトル図法に似ていますが、円筒が赤道ではなく子午線に接しています。結果的に、正確な方向が維持されない正角図法となります。中央子午線は、対象となる地域の中心に設定されます。地域の中心に設定することで、その地域のすべての特性の歪みが最小となります。この投影法は、南北に広がる地域に最も適しています。
State Plane Coordinate System では、南北に広がるすべてのゾーンに対して、この投影法を使用しています。UTM 座標系とガウス クリューゲル座標系は横メルカトル図法を基準にしています。
State Plane Coordinate System についての詳細
投影法
中央子午線が特定の地域に配置された円筒図法です。
接線
接図法の場合、任意の 1 本の経線です。割図法の場合は、中央子午線から等距離にあるほぼ平行な 2 本の線です。UTM の場合は、接線は中央子午線から約 180km の位置にあります。
直線となる経緯線
赤道と中央子午線。
特性
形状
正角です。小さい地域の形状は維持されます。大きい地域の形状は、中央子午線から離れるにつれて歪みが大きくなります。
面積
中央子午線から離れるにつれて、歪みは大きくなります。
方向
局所的な角度はどこでも正確です。
距離
縮尺係数が 1.0 の場合は、中央子午線上の縮尺は正確です。縮尺係数が 1.0 よりも小さい場合は、縮尺が正確な直線が 2 本あり、中央子午線の両側で同じ距離にあります。
制限
回転楕円体または楕円体上のデータで、中央子午線から 90°を超えるデータは投影することができません。実際には、回転楕円体または楕円体上の範囲は、中央子午線の両側 12 ~ 15°に限定される必要があります。この範囲を超えると、横メルカトル図法に投影されたデータを、元の投影法の同じ位置に戻すことは不可能になります。球面上のデータの場合には、この制限はありません。
投影エンジンにTransverse_Mercator_complexという新規実装が追加されており、ArcGIS Desktopで使用することができます。これにより、中央子午線から最大 80°まで、横メルカトル図法との間で正確な投影を行うことができます。より複雑な数学が組み込まれているので、パフォーマンスに影響します。
用途と使用例
State Plane Coordinate System で、主に南北に広がったゾーンに使用されます。
USGS の 7.5 分単位の標準地形図。1957 年以降、ほとんどの USGS の新しい地図で、多円錐図法に代わってこの投影法が使用されています。
北米(USGS、中央子午線の縮尺係数は 0.926)。
1920 年以降のイギリスの Ordnance Survey の地形図。
UTM 座標系およびガウス クリューゲル座標系。世界は、6°幅の 60 の南北に広がったゾーンに分割されます。各ゾーンには、縮尺係数 0.9996 および 500,000m の False Easting が設定されています。赤道の南のゾーンには、すべてのY座標が正となるように、10,000,000 メートルの False Northing が設定されています。ゾーン 1 は 177°W にあります。
ガウス クリューゲル(GK)座標系は、UTM 座標系と類似しています。ヨーロッパは 6°幅のゾーンに分割され、その中のゾーン 1 の中央子午線が 3°E になっています。パラメータは、縮尺係数が 0.9996 ではなく 1.000 になっていることを除いて、UTM と同じです。また、一部の場所では、ゾーン番号の 100 万倍を False Easting 値 500,000 に加えることもあります。GK ゾーン 5 は、500,000 メートルまたは 5,500,000 メートルの False Easting 値を持つことになります。
パラメータ
Desktop
- False Easting
- False Northing
- Central Meridian
- Scale factor
- Latitude of origin: 原点の緯度
Workstation
- Scale factor at Central Meridian
- Longitude of Central Meridian
- Latitude of origin: 原点の緯度
- False Easting(meters)
- False Northing(meters)