GP サービス サンプル:クリップと送信
フォルダ |
ClipAndShip |
目的 |
ユーザによってデジタイズされたポリゴンを使用して、調査対象地域のレイヤをファイル ジオデータベースにクリップし、ユーザがダウンロード可能な *.zip ファイルを作成します。 |
サービス |
Portland(マップ サービス)、ClipAndShip(ジオプロセシング サービス) |
ジオプロセシング タスク |
データの抽出タスク(Extract Data Task) |
入力 |
[クリップ対象レイヤ]、[対象地域]、[フィーチャ フォーマット]、[ラスタ フォーマット] |
出力 |
データが格納された ZIP ファイル。 |
データ |
オレゴン州、ポートランドの調査対象地域の複数のデータセット。 |
エクステンション |
なし。 |
備考 |
指定された形式のファイルが格納された圧縮ファイル output.zip を作成します。このファイルは、ジオプロセシング サービスとして公開される ArcMap ドキュメント内のレイヤの配置を表しています。 |
対応するフォルダ
C:\arcgis\ArcTutor\GP Service Examples\ClipAndShip に完全なモデルとデータが含まれています。
このサンプルについて
このサービス サンプルでは、マップおよびジオプロセシング サービスを公開および使用する手順を詳細に説明します。このジオプロセシング タスクでは、必要なレイヤを選択し、対象地域の 1 つ以上のポリゴンをデジタイズし、出力フィーチャとラスタ データのフォーマットを選択できます。マップ内のデータは対象地域にクリップされ、ユーザにまとめて提供されます。「ClipAndShip」という名前が付いているのは、このためです。
データ
このサンプルで調査対象地域となるのは、オレゴン州、ポートランド市内の小さな地域です。データには、調査地域の各場所、交通ネットワーク、水路フィーチャ、土地登記、陰影起伏ラスタが含まれます。これらのデータは、C:\arcgis\ArcTutor\GP Service Examples\ClipAndShip\ToolData\Portland.gdb にあります。
公開
- カタログ ウィンドウで、C:\arcgis\ArcTutor\GP Service Examples\ClipAndShip に移動します。
- Portland.mxd を右クリックし、[ArcGIS Server で公開] を選択します。
- 最初のウィンドウでは、デフォルト値をすべてそのままにして、[次へ] をクリックします。
- 次のパネルでは、[マッピング(常に有効)] 以外のチェックボックスをすべてオフにします。[次へ] をクリックします。
- [完了] をクリックします。マップ サービス Portland が ArcGIS Server に公開されます。このサービスを後でベースマップとして使用します。
- ArcMap で C:\arcgis\ArcTutor\GP Service Examples\ClipAndShip\Portland.mxd を開きます。
- カタログ ウィンドウで、次の操作を実行します。
- [Toolboxes] → [System Toolboxes] → [Server Tools] → [データの抽出] → [データの抽出タスク(Extract Data Task)] の順に展開します。
- [データの抽出タスク(Extract Data Task)] ツールを ArcMap のコンテンツ ウィンドウにドラッグします。
コンテンツ ウィンドウにツール レイヤ [データの抽出タスク(Extract Data Task)] が表示されます。
- ツール レイヤを含むマップ ドキュメントを ClipAndShip.mxd という名前で保存します。
- カタログ ウィンドウで、ArcGIS Server への接続を右クリックして、[新規サービスの追加] を選択します。
- [GIS サービスの追加] パネルで、サービス名に「ClipAndShip」と入力し、[タイプ] として [Geoprocessing Service] を選択します。[次へ] をクリックします。
- 次のパネルで、ソース ファイルとして [マップ] をオンにします。上記で作成した ClipAndShip.mxd マップ ドキュメントへのパスを入力して [次へ] をクリックします。
- 残りのすべてのパネルでは、デフォルト値をそのまま使用して [次へ] をクリックし、最後のパネルになったら [完了] をクリックします。作成した ArcGIS Server サーバ接続の下にサービス ClipAndShip が表示されます。
使用
次の手順は、前の手順で公開したマップ サービスおよびジオプロセシング サービスを使用する方法を示したものです。
- 新しい ArcMap ドキュメントを開きます。
- カタログ ウィンドウで、次の操作を実行します。
- [GIS サーバ] → [ArcGIS Server サーバの追加] の順に移動し、[GIS サービスの使用] をオンにします。[一般] パネルで、[サーバの URL] を入力し、[完了] をクリックします。サーバ接続がホスト名(および、Java サーバの場合はポート番号)とともに、[GIS Servers] の下に表示されます。
- [GIS Servers] の下に表示されているサーバ接続に移動し、Portland マップ サービス を選択して、ArcMap のコンテンツ ウィンドウへドラッグします。
- コンテンツ ウィンドウ内の Portland マップ サービスを展開します。Portland マップ サービスに属するすべてのレイヤが表示されます。
- カタログ ウィンドウで、[GIS サーバ] の下のサーバ接続に移動し、ジオプロセシング サービス ClipAndShip を見つけて展開します。[データの抽出タスク(Extract Data Task)] が表示されます。
- [データの抽出タスク(Extract Data Task)] をダブルクリックして、そのタスクのダイアログ ボックスを開きます。
- タスク パネルの上部に [クリップ対象レイヤ] のリストがあります。このチェックボックスのレイヤ名は、コンテンツ ウィンドウ内の Portland マップ サービスのレイヤと同じ名前であることに注意してください。ダウンロードに含めたい各レイヤの横のチェックボックスをオンにします。
- [データの抽出タスク(Extract Data Task)] の次のパラメータは [対象地域] です。このパラメータは、各 [クリップ対象地域] のクリップに使用される対象地域をデジタイズするためのものです。[フィーチャの追加] をクリックして、ポリゴンを対象地域としてデジタイズします。
- 他の入力パラメータ [フィーチャ フォーマット] と [ラスタ フォーマット] は変更することも、デフォルト値のまま使用することもできます。
- [OK] をクリックしてジオプロセシング タスクを実行します。
サーバから出力が返されて、ジオプロセシング テンポラリ ワークスペース環境で設定された場所に書き出されます。
タスクが完了したら、[結果] ウィンドウを開いて、タスクの結果を表示します。output.zip をダブルクリックして圧縮ファイルを開き、選択した場所へデータを展開します。
GP サービス ソース モデルのカスタマイズ
先の例では、サーバ ツールボックスのモデル ツール [データの抽出タスク(Extract Data Task)] を使用しています。このモデル ツールを新規のカスタム ツールボックスにコピーすると、そのツールを ModelBuilder で開いて編集することが可能になります。[データの抽出タスク(Extract Data Task)] モデルには、モデル パラメータとして表示されない入力変数 Spatial Reference と Customized Spatial Reference Folder が含まれています。Spatial Reference のデフォルト値は [入力データと同様] であり、これは、出力ファイルの空間参照が入力レイヤと同じになることを意味します。出力ファイルの空間参照を入力ファイルとは異なるものにしたい場合は、Spatial Reference を入力パラメータとして設定して、このモデル ツールのダイアログ ボックスを開いたときに異なる空間参照を指定できるようにすることができます。変数 Customized Spatial Reference Folder は、カスタムまたは標準の空間参照を保存するパスの指定を可能にするオプションの変数です。
これらの 2 つの空間参照変数に加えて、[データの抽出タスク(Extract Data Task)] のカスタマイズのために、既存のモデル パラメータ [フィーチャ フォーマット] を変更して、必要とされる追加のフォーマットを含めることもできます。
次の手順では、[データの抽出タスク(Extract Data Task)] をカスタマイズする方法として、変数 Spatial Reference をパラメータとして表示して、カスタム空間参照フォルダへのパスを追加し、[フィーチャ フォーマット] パラメータとして新規出力フォーマットを追加します。
カスタマイズされたモデル ExtractPortlandData が格納された ExtractPortlandTbx というツールボックスが C:\arcgis\ArcTutor\GP Service Examples\ClipAndShip の中に保存されています。このモデルは、次の手順を実行した後の完成品です。
- 最初の手順は、新しいツールボックスとモデルを作成することです。カタログ ウィンドウで、C:\arcgis\ArcTutor\GP Service Examples\ClipAndShip に移動します。
- フォルダを右クリックして、[新規作成] → [ツールボックス] の順に選択します。
- ツールボックスに「ExtractPortland」という名前を付けます。
- カタログ ウィンドウで、次の操作を実行します。
- [Toolboxes] → [System Toolboxes] → [Server Tools] → [データの抽出] → [データの抽出タスク(Extract Data Task)] の順に展開します。
- [データの抽出タスク(Extract Data Task)] を選択し、モデルを右クリックして [コピー] を選択します。
- 手順 1b で作成した ExtractPortland.tbx に移動し、右クリックして [貼り付け] を選択します。
モデル [Extract Data Task] がツールボックスへコピーされます。
- モデルを右クリックして、[名前の変更] を選択し、そのモデルに「ExtractPortlandData」という名前を付けます。
- モデル ExtractPortlandData を右クリックして、[開く] を選択し、ModelBuilder でモデルを開きます。モデル内の Spatial Reference 変数を右クリックし、[モデル パラメータ] を選択します。変数の右上隅に P の文字が表示され、変数がモデル パラメータになったことが示されます。
- 標準またはカスタム座標系のすべての投影ファイルが保存される新規フォルダを作成します。
- Windows エクスプローラで、C:\arcgis\ArcTutor\GP Service Examples\ClipAndShip に移動します。フォルダを右クリックして、[新規作成] → [フォルダ] の順に選択します。
- 新規フォルダに「SpatialReference」という名前を付けます。
- <ArcGIS インストール ディレクトリ>\Desktop10.0\Coordinate Systems\Projected Coordinate Systems に移動し、State Plane フォルダをコピーします。
- このフォルダを新規の SpatialReference フォルダに貼り付けます。
- モデル ExtractPortlandData を右クリックして、[開く] を選択します。Custom Spatial Reference Folder 変数をダブルクリックして、新規の SpatialReference フォルダへのパス(C:\arcgis\ArcTutor\GP Service Examples\ClipAndShip\SpatialReference)を入力して、[OK] をクリックします。
- ModelBuilder で ExtractPortlandData モデルを開いた状態のままで、次の操作を実行します。
- [モデル] メニュー → [モデル プロパティ] → [パラメータ] タブの順に選択します。
パラメータ リストの最後にパラメータ [Spatial Reference] が表示されます。
- 出力パラメータが最後のパラメータになるようにパラメータを並べ替えます。パラメータ [Output Zip File] を選択し、 ボタンをクリックしてこのパラメータをリストの最後に移動します。
- [モデル] メニュー → [モデル プロパティ] → [パラメータ] タブの順に選択します。
- [パラメータ] タブで次の操作を実行します。
- 変数 [Spatial Reference] を選択して、[フィルタ] 値を [値のリスト] に変更します。
- 値のリストに値として [入力データと同様]、「NAD 1983 StatePlane Oregon South FIPS 3602 (US Feet)」、および「WGS1984」を入力します。
- [OK] をクリックして、[値のリスト] ダイアログ ボックスを閉じます。
- [OK] をクリックしてモデルの [プロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。
- モデルを保存して、ModelBuilder を終了します。
- カスタマイズしたモデルを保存し、Portland.mxd のすべてのレイヤを含む新規の ArcMap ドキュメントにそのモデルをツール レイヤとして追加します。
- カスタマイズしたモデルをジオプロセシング サービスとして公開および使用する場合は、上記の「公開」と「使用」セクションの手順をご参照ください。