チュートリアル: はじめてのパーセル ファブリックの編集

このトピックは、ArcEditor および ArcInfo にのみ適用されます。

複雑さ: 初心者 データ要件: ArcGIS チュートリアル データのセットアップ データ パス: \ArcGIS\ArcTutor\Parcel Editing 目的: パーセル ファブリックの編集環境について

パーセル ファブリックは、既存のパーセル データセットのデータ移行または空のパーセル ファブリックへのデータ入力から構築します。パーセル ファブリックの構築で最も一般的なのは、既存のパーセル データセットを新しいパーセル ファブリックに移行させる方法です。

パーセル ファブリックへのデータ移行の詳細

自動編集モードでのパーセル ファブリックの編集

パーセル ファブリックを ArcMap に読み込んだら、パーセルをマップで直接（自動編集モード）またはジョブ ワークフロー機能（手動編集モード）で編集できます。

この演習を開始する前に、[パーセル エディタ] ツールバーが ArcMap に追加されていることを確認してください。このツールバーを読み込むには、メイン メニューの [カスタマイズ] をクリックし、[ツールバー] をポイントして [パーセル エディタ] をクリックします。この演習では、自動編集モードでの編集を理解します。

手順:

1. ArcMap を起動して、\ArcGIS\ArcTutor\Parcel Editing\ フォルダの Parcel Editing マップ ドキュメント（ParcelEditing.mxd）を読み込みます。
2. マップが [Parcel Editing Area] ブックマークにズームされていることを確認します。[ブックマーク] → [Parcel Editing Area] の順にクリックします。
ここでパーセル ファブリック編集モードを設定します。
3. [パーセル エディタ] ツールバーの [パーセル エディタ] の矢印をクリックし、[オプション] をクリックします。
4. [パーセル エディタのオプション] ダイアログ ボックスで [自動] オプションを選択します。
このオプションを使用すると、パーセルをマップで直接編集することができ、それぞれの編集内容がジョブ ブックで自動的に追跡されます。
5. [編集時にパーセル範囲に自動的にズームする] チェックボックスをオンにし、[OK] をクリックします。

パーセル ファブリックの編集モードの設定

パーセルを開くと、マップでパーセルの範囲が自動的にズームされます。このオプションをオンにしないと、マップは現在のズーム範囲のままになります。

次にマップ内でパーセルを開きます。

6. [パーセル エディタ] をクリックし、[編集の開始] をクリックします。[フィーチャ作成] ウィンドウを閉じます。
7. [パーセル エディタ] ツールバーの [パーセル フィーチャの選択] ツール をクリックし、パーセル 142 をクリックして選択します。

パーセルを選択します。

8. パーセルを右クリックして、[開く] をクリックします。パーセルをダブルクリックして開くこともできます。
パーセルが地図内に開き、曲線の半径ラインが表示されます。[パーセルの詳細] ダイアログ ボックスも表示されます。

開いたパーセル

9. [パーセルの詳細] ダイアログ ボックスが表示されない場合は、[パーセル エディタ] ツールバーの [パーセルの詳細] ツール をクリックしてダイアログ ボックスを表示します。
[パーセルの詳細] ダイアログ ボックスの [プロパティ] タブに、開いたパーセルの属性情報が表示されます。編集可能な属性値は、[名前]、[タイプ]、[閉じていない]、[記載面積]、[法的な開始日付]、[法的な終了日付]、[精度]、[コンパイル済み]、および [履歴] です。残りの属性はシステム属性なので、内部で維持されます。[プラン] リストには、そのパーセルのもつ関連付けられたプランまたは測量記録が表示されます。[テンプレート] ボタンは使用できません。フィーチャ テンプレートは、既存のパーセル用のものではなく、パーセル ファブリックで新しいパーセルを作成するときに限って設定することができます。

[パーセルの詳細] ウィンドウ

ヒント:

[名前]、[タイプ]、[記載面積]、[法的な開始日付]、[法的な終了日付]、[精度]、および [コンパイル済み] の属性値は、編集セッションでマップ内のパーセルを選択して編集することもできます。これらの属性はパーセルを開かなくても編集できます。

10. [プラン] ボタンをクリックして、[プラン ディレクトリ] ダイアログ ボックスを表示します。プラン ディレクトリに、現在のパーセル ファブリックについて定義されている利用可能なすべてのプランまたは測量記録のリストが表示されます。[プラン ディレクトリ] ダイアログ ボックスでは、そのパーセルについて別のプランを設定することや、新しいプランを作成することができます。この演習では、パーセルのプランは変更しません。[プラン ディレクトリ] ダイアログ ボックスを閉じます。
プラン ディレクトリの詳細

プラン ディレクトリ

ヒント:

プランを操作しないことを選択すると、パーセルについて、プランに関連付けられていないシステム デフォルトの <map> プランが使用されます。

ヒント:
[プラン ディレクトリ] ダイアログ ボックスは [パーセル エディタ] メニューから開くこともできます。その場合は、プランを右クリックし、[作図] をクリックしてプランの作図環境を表示します。作図環境では、作図線に線画やトラバースを貼り付けることができます。作図線のネットワークからパーセルを構築し、新しいパーセルとしてパーセル ファブリックに結合できます。
パーセル作図線の操作の詳細
11. [パーセルの詳細] ダイアログ ボックスの [ライン] タブをクリックします。
パーセル トラバース ラインが閉合差情報とともに表示されます。ラインのディメンションの編集や接続線などのラインの追加が可能です。

パーセル トラバース グリッド

12. そのままパーセルを開いた状態で、[パーセル エディタ] の矢印をクリックし、[パーセルの計測表示] をクリックして COGO ディメンション、縮尺、および回転を使用するパーセルファブリックのパーセルを表示します。

パーセルの計測表示でのパーセルの表示

パーセルに 4°19'48" の回転があることに注目します。パーセルの回転値は [パーセルの詳細] ダイアログ ボックスの [プロパティ] タブにある [回転] 属性の下に表示されます。
パーセル計測表示がオフにされているときは、パーセルがパーセル ファブリック座標で表示されます。パーセル計測表示でパーセルを表示するときは、パーセルが COGO ディメンション、縮尺、および回転から導かれる座標で表示されます。パーセル計測表示でパーセルを表示すると、COGO ディメンション、縮尺、および回転に基づく正確なパーセル形状が表示されます。このコマンドは間違いのあるパーセルを見つけるうえで役立ちます。パーセル計測表示でパーセルを表示するときには、不正確なまたは誤った COGO ディメンションもパーセル形状に反映されます。

パーセル 142 の場合、パーセルを COGO ディメンションを使って表示してもパーセル形状には変化はありませんが、パーセルに回転があります。

パーセル計測表示の詳細
13. [パーセル エディタ] → [パーセル計測表示] の順にクリックして、パーセル計測表示をオフに切り替えます。
14. [パーセルの詳細] ダイアログ ボックスの [保存せずに終了] コマンド をクリックして、パーセルを閉じてパーセル ファブリック レイヤに戻ります。
ここでもう 1 度同じパーセルを開きますが、今回はローカル座標系で開きます。
15. [パーセル エディタのオプション] ダイアログ ボックス（[パーセル エディタ] → [オプション]）を開いて、[ローカル座標系でパーセルを個別に表示および編集する] を選択します。[OK] をクリックします。
16. [パーセル フィーチャの選択] ツールでパーセル 142 をダブルクリックして開きます。
パーセルがマップではなくスタンドアロンのローカル座標データ フレームに表示されます。ローカル座標データ フレームでのパーセルの編集は、各パーセルを編集するときや、背景としてマップの参照が必要ない場合に便利です。

パーセルをローカル座標データ フレームで開きます。

17. [パーセルの詳細] ダイアログ ボックスの [保存せずに終了] コマンドをクリックして、パーセルを閉じてパーセル ファブリック レイヤに戻ります。
18. [パーセル エディタ] ツールバーの [パーセル エクスプローラ ウィンドウ] ツール をクリックして、[パーセル エクスプローラ] ウィンドウを表示します。
[パーセル エクスプローラ] ウィンドウに、プランによって選択されているパーセルが一覧表示されます。このリストには、パーセル ファブリックの一部になっていないパーセルや未結合のパーセルも含まれています。
パーセル エクスプローラ はデフォルトでは最後に開いたパーセルを表示します。
19. [パーセル フィーチャの選択] ツールで、ボックスをドラッグしてマップ内のパーセルのグループを選択します。
[パーセル エクスプローラ] ウィンドウが更新され、選択したパーセルのリストがプランごとにグループ化された状態で表示されます。

Parcel Explorer

ヒント:

マップまたは [パーセル エクスプローラ] ウィンドウでパーセルを右クリックして、[開く] をクリックして編集用に表示することもできます。

20. [パーセル エディタ] → [ジョブ ブック] の順にクリックして、パーセル ファブリック ジョブ ブックを開きます。
ジョブ ブックには、パーセル 142 を開いた 2 つのジョブが両方とも表示されます。

ジョブ ブック

ジョブ ブックはパーセル ファブリックに対する編集を追跡します。パーセルのマージやパーセルの属性の編集など、編集があるつど、編集内容は [ジョブ ブック] ダイアログ ボックス上でミニ ジョブとして追跡されます。ミニ ジョブを選択し、[ジョブ パーセルにズーム] を右クリックすると、編集のあったパーセルをズームすることができます。ファブリック ジョブを使って手動モードで操作しているときには、手動でジョブを作成および編集して、[ジョブ ブック] ダイアログ ボックスでジョブを再度開くことができます。
21. [ジョブ ブック] ダイアログ ボックスを閉じて、パーセル ファブリックの自動編集モードを理解するための演習を終了します。

手動編集モードでのパーセル ファブリックの編集

この演習では、ファブリック ジョブを使った手動編集モードでのパーセル ファブリックの編集を理解します。

手順:

1. ArcMap に ParcelEditing マップ ドキュメント（ParcelEditing.mxd）が表示され、[Parcel Editing Area] ブックマークがズームされた状態になっていることを確認します。
ここで編集モードを手動に設定します。
2. [パーセル エディタのオプション] ダイアログ ボックスを開いて、編集モードとして [手動] を選択します。[ローカル座標系でパーセルを個別に表示および編集する] はオンのままでもオフにしてもかまいません。[OK] をクリックします。
手動編集モードで編集するときは、ファブリック ジョブでパーセルを選択して開きます。編集を完了すると、ジョブがパーセル ファブリック レイヤに再度ポストされます。
3. [パーセル エディタ] ツールバーの [パーセル フィーチャの選択] ツール をクリックし、ボックスをドラッグして、マップにあるパーセルのグループを選択します。

開く対象であるジョブ内のパーセルを選択します

4. [パーセル エディタ] の矢印をクリックし、[変更] をクリックして、選択したパーセルをジョブに抽出します。[変更]、[ジョブの終了]、[ジョブの作成] など、ジョブ ワークフロー コマンドが [パーセル エディタ] メニューで利用可能になっていることに注目します。

ジョブ ワークフロー コマンド

選択したパーセルがジョブ内に表示され、編集できる状態になります。周囲のパーセルはアクティブではありません。

選択したパーセルをファブリック ジョブで開きます。

[パーセル エクスプローラ] ウィンドウがアクティブになり、ファブリック ジョブのすべてのパーセルがプランごとに一覧表示されます。

パーセル エクスプローラ

ヒント:

パーセル エクスプローラのパーセルは、ロック解除アイコン で表示することもできます。このアイコンは、これらのパーセルが過去に編集されたことを示します。バージョン対応の ArcSDE ジオデータベースで、ロック アイコン 付きで表示されているパーセルは、他のバージョンで編集中または同一バージョンについて別のユーザが編集中であることを示します。ロックされているパーセルは編集できません。

パーセル ファブリックのバージョニングと編集ロックの詳細
次に、[パーセル エクスプローラ] ウィンドウまたはマップでパーセルをダブルクリックして、パーセルを開いて編集できるようにします。パーセルを右クリックすると、パーセルの分割、残余パーセルなどのコマンドにアクセスできます。
5. [パーセル エディタ] → [ジョブの終了] の順にクリックします。
ファブリック ジョブが保存され、パーセル ファブリック レイヤに再びポストされます。セッションを保存すると、ジョブで実施した編集がパーセル ファブリックで更新され、ジオデータベースにコミットされます。編集セッションを保存しなかった場合は、ジョブからポストした編集内容が失われます。[標準] ツールバーの [元に戻す] コマンド をクリックすると、ファブリック ジョブの作成を元に戻すことができます。
ヒント:

開いたファブリック ジョブについて、[パーセル エディタ] メニューの [変更の破棄] コマンドをクリックすると、ジョブを削除できます。ジョブ内のすべての編集が破棄されます。

6. [パーセル エディタ] → [ジョブ ブック] の順にクリックして、[ジョブ ブック] ダイアログ ボックスを開きます。先ほど作成したジョブに [選択された変更] という説明が表示されます。

ジョブ ブック

7. ジョブを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
ジョブ作成のプロパティに関するダイアログ ボックスが表示され、ジョブの一部となっているパーセルが青で表示されます。ジョブ内で編集されたパーセルがあれば、赤で表示されています。ジョブ作成のプロパティに関するダイアログ ボックスでは、ジョブのプロパティを編集できます。また、ジョブをもう一度開いて編集を継続することもできます。

ジョブのプロパティ

ヒント:

（手動で作成したジョブを使わずに）自動モードで編集中の場合は、ミニ ジョブのプロパティや追跡された編集内容を表示することもできます。ただし、編集を再度開くこと、ミニ ジョブを開いて編集することはできません。[ジョブ ブック] ダイアログ ボックスからジョブをもう一度開くことができるのは、手動モードで操作しているときだけです。

8. ジョブ作成用ダイアログ ボックスの [キャンセル] をクリックして、パーセル ファブリック手動編集モードを理解するための演習を終了し、チュートリアルを終了します。

ヒント:

[パーセル エディタ] ツールバーの [新規プランでのパーセルの新規作成] ツール をクリックすると、新しいプランに新しいパーセルを作成できます。[プラン ディレクトリ] ダイアログ ボックスを表示して、プランを右クリックし、[新規パーセル] をクリックすると、既存のプランに新しいパーセルを作成できます。

ヒント:

マップまたは [パーセル エクスプローラ] ウィンドウのパーセルを右クリックすると、[パーセルの分割] や [残余パーセル] などのパーセル編集コマンドにアクセスできます。

ヒント:

[プラン ディレクトリ] ダイアログ ボックスのプランを右クリックすると、パーセル作図線としてラインを作成または貼り付けることができます。パーセルは作図線のネットワークから構築することができます。

ヒント:

[パーセル エディタ] ツールバーの [コントロール ポイントのメンテナンス] ツール をクリックすると、パーセル ファブリックにコントロール ポイントを挿入できます。コントロール ポイントはパーセル ファブリックにインポートすることもできます。