2.1.1 の新機能
ArcGIS for SharePoint バージョン 2.1.1 がリリースされました。ここでは、以前の 2.0 から ArcGIS for SharePoint 2.1.1 へバージョンアップするにあたり、新しく追加および強化された機能について説明します。ArcGIS Extensibility アセンブリの更新点と変更点については、ESRI.ArcGIS.Extensibility assembly comparisonをご参照ください。
および強化された機能
ArcGIS for SharePoint 2.1.1 では次の機能が追加および強化されました。
- 新しい製品名 - ArcGIS for SharePoint
- 凡例機能を備えたマップ コンテンツ
- 編集
- クリック時のポップアップ表示
- オンデマンドのフィーチャ取得と自動更新
- レイヤの追加
- ArcGIS for Organizations
- Map Web パーツのレイアウト
- 構成可能な印刷ツール
- Map Web パーツでの無限スクロールのサポート
- ジオプロセシング
- ローカライズ
- 拡張性
凡例機能を備えたマップ コンテンツ
[マップ コンテンツ] パネルにレイヤのシンボルが表示されるようになりました。Map Web パーツで構成する凡例には次の表示モード オプションがあります。
- コンテンツ - レイヤ表示のチェックボックスとレイヤ シンボル(凡例)が両方とも表示されます。
- レイヤ リスト - レイヤ表示のチェックボックスのみが表示されます。レイヤ シンボルは表示されません。
- 凡例 - レイヤ シンボルのみが表示されます。レイヤ表示のチェックボックスは表示されません。
その他、どのレイヤをマップ コンテンツに追加するか、ベースマップ レイヤを表示するかどうか、現在の縮尺でのみレイヤを表示するかどうかを指定できます。
編集
ArcGIS for SharePoint でフィーチャを編集できるようになりました。フィーチャをクリックするとポップアップが表示され、その場でフィーチャの形状や属性を編集したり、フィーチャを削除したり、フィーチャに添付ファイルを追加したりできます。別のダイアログ ボックスを開く必要がありません。[フィーチャの追加] パネルでは、対象サービスで公開されているフィーチャ テンプレートを使用して新しいフィーチャを追加できます。操作方法は ArcGIS Viewer for Flex および ArcGIS Explorer Online と同じです。
![]() |
クリック時のポップアップ表示
クリック時のポップアップ表示機能は、ダイナミック マップ サービス、キャッシュ マップ サービス、マップ サービス内のレイヤ、Spatial Data Server(SDS)レイヤ、SharePoint リスト レイヤ、GeoRSS レイヤ、およびグラフィックス レイヤで使用できます。クリック時のポップアップ表示は [個別属性] ツールと同様の機能を備えており、1 つのポップアップで複数のレイヤの属性を表示できます。クリック時のポップアップ表示では、編集ツール(フィーチャの削除、フィーチャの形状と属性の編集、添付ファイルの追加)も構成できます。
![]() |
オンデマンドのフィーチャ取得と自動更新
オンデマンドのフィーチャ取得 - ダイナミック マップ サービス、キャッシュ マップ サービス、マップ サービス内のレイヤ、SDS レイヤ、SharePoint レイヤ、GeoRSS レイヤ、グラフィックス レイヤを参照または検索して追加する際、オンデマンド フィーチャ取得機能をデフォルトで使用できるようになりました。この機能が有効な場合、現在の範囲内のレイヤ フィーチャが取得されます。その後、範囲を変更するたびに、前に取得したフィーチャはそのままで、新しい範囲のフィーチャが追加で取得されます。
レイヤの自動更新 - ArcGIS マップ サービス内のレイヤ、SDS レイヤ、および GeoRSS レイヤを指定した時間間隔で更新できるようになりました。自動更新機能を使用すれば、レイヤに対する変更を自動的に表示できます。
![]() |
レイヤの追加
サービスまたはレイヤの URL を直接指定 - [参照] ダイアログ ボックスを使用してレイヤを追加する場合、またはジオプロセシング ツールを追加する場合、マップ サービスやフィーチャ レイヤの URL を直接指定できるようになりました。
セキュリティで保護されたサービスのサポート - プロキシ URL を使用し、セキュリティで保護されたマップ サービスを ArcGIS for SharePoint へ追加できるようになりました。
ArcGIS for Organizations
ArcGIS for Organizations では、組織内で共有されている Web マップを参照できます。ArcGIS Viewer for Silverlight では、各ユーザのグループ、および各ユーザが所属している組織内のグループの Web マップにアクセスできます。
![]() |
Map Web パーツのレイアウト
バージョン 2.1.1 では、Map Web パーツ内のエレメントの配置とスタイルをレイアウト ファイルで定義します。レイアウト ファイル(DefaultLayout.xaml)は、ArcGIS Mapping Configuration Files ドキュメント ライブラリに保存されます。このファイルでは、サイト コレクション内のすべての マップ Web パーツのレイアウトを定義します。
既存のエレメントの配置とスタイルに加え、XAML(Extensible Application Markup Language)で宣言可能な要素をレイアウトに追加することもできます。Map Web パーツに必要なアセンブリ参照がないオブジェクト(自分で実装したオブジェクトなど)については、Silverlight アプリケーションでアセンブリをパッケージ化し、その *.xap ファイルを ArcGIS Mapping Extensions ライブラリに読み込みます。
![]() |
構成可能な印刷ツール
印刷ツールが一新され、Map Web パーツのリボンから印刷機能を直接構成できるようになりました。デザイン担当者は印刷ツールを使用して、マップを印刷する際のタイトル、説明、サイズ、レイアウトを指定できます。すべてのレイヤ タイプを印刷できます。
新しい印刷レイアウトを追加するには、そのレイアウトを SharePoint サーバに配置します。レイアウトは XAML ファイルとして指定し、このファイルを使用して印刷レイアウト要素のサイズ、配置、スタイルを設定できます。XAML で宣言可能な要素であれば、レイアウトに追加できます。ただし、必要なサポート アセンブリを Map Web パーツで参照できるようにする必要があります。Map Web パーツによってデフォルトで読み込まれないアセンブリ(ユーザが実装したオブジェクトを含むアセンブリなど)については、それらのアセンブリを Silverlight アプリケーションでパッケージ化します。パッケージ化した *.xap ファイルを ArcGIS Mapping Extensions ライブラリに読み込み、その後で Map パーツへ追加します。
![]() |
Map Web パーツでの無限スクロールのサポート
ベースマップの空間参照が WGS84(WKID 4326)または Web メルカトル(WKID 102100)の場合、日付変更線をまたいで連続的に画面移動できるようになりました。これは、ArcGIS API for Microsoft Silverlight の新しい無限スクロール機能を利用しています。
無限スクロールは Map Web パーツのレイアウトで指定します。この機能を無効にするには、ArcGIS Mapping Configuration Files ドキュメント ライブラリの DefaultLayout.xaml ファイルを開いて Map コントロールを探し、WrapAround プロパティを False に設定します。
<esri:Map WrapAround="False">
タイル マップ サービス、フィーチャ レイヤ、およびグラフィックスレイヤがサポートされています。WKT(well-known text)として定義されている、空間参照対応のダイナミック マップ サービスはサポートされていません。これには ArcGIS Server 10 REST サービスが含まれます。
![]() |
ジオプロセシング
ジオプロセシング サービス入力パラメータ - ジオプロセシング選択リストおよび MultiValue<文字列> 入力パラメータが検出されます。ジオプロセシング サービスでパラメータの入力リスト(印刷用紙のサイズやファイル形式など)が指定されている場合、それらがユーザ インタフェース(UI)に表示され、簡単に選択できます。
入力ジオメトリとしてマップ範囲を指定 - タスクの入力ジオメトリとしてマップ範囲を受け入れるようにジオプロセシング サービスを構成できます。
マップ サービス レイヤの結果 - 一部のジオプロセシング サービスはマップ サービスを使用して結果を描画します。多くの場合、このようなジオプロセシング サービスは、所定の結果数に達するまでフィーチャ データを返します。これまで ArcGIS for SharePoint は、フィーチャ データを取得し、結果をグラフィックスとしてマップ上に表示していました。最新バージョンでは、マップ サービスが結果で使用されているかどうかを確認し、使用されている場合は、そのマップ サービスを使用して結果を表示します。
ローカライズ

現在、ArcGIS for SharePoint の最終的なローカライズが進められており、間もなく各国語版セットアップがリリースされる予定です。
ArcGIS for SharePoint は 9 か国語(アラビア語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、ポルトガル(ブラジル)語、ロシア語、簡体字中国語、スペイン語)にローカライズされています。現在の SharePoint サイトまたはページでこれらの言語が使用されている場合、ArcGIS for SharePoint のコンポーネント(Map Web パーツ、ロケーション フィールド、ジオコーディング ワークフロー)ではその言語が自動的に適用されます。さらに、ArcGIS for SharePoint インストーラのインタフェースでは、インストーラを実行しているオペレーティング システムの言語が自動的に使用されます。
![]() |
拡張性
構成ウィザード - 拡張 API の機能が強化され、ISupportsWizardConfiguration を使用して、[ツールの追加] や [ジオプロセシング ツールの追加] で実行する構成ウィザードを作成できるようになりました。
構成可能なコントロール - 拡張 API を使用し、編集モードで構成できるレイアウト用コントロールを開発できるようになりました。たとえば、マップ コンテンツやエディタは、Map Web パーツの構成可能なコントロールです。
ポップアップの拡張性 - コマンド(ツール)をポップアップに追加したり、フィーチャのポップアップをプログラムから操作したり、レイヤのポップアップの有効/無効をプログラムから切り替えたりできます。さらに、ポップアップ XAML を、レイアウトで使用される Shared_Resources.xaml ファイルに実装するようになりました。
MapApplication.Current.Urls - アプリケーションのベース URL、ジオメトリ サービス URL、プロキシ URL(定義されている場合)などにプログラムからアクセスできます。
MapApplicationBindingSource - MapApplication.Current.Map および MapApplication.Current.SelectedLayer に XAML をバインドできます。
MapApplication.Current.LoadMap - 既存のマップに基づいて、アプリケーションのマップを容易に初期化できます。
MapApplication.Current.LoadWebMap - Web マップに基づいてアプリケーションのマップを初期化します。