住所のジオコーディング

多くの場合、SharePoint リストには住所データが含まれています。住所を基に場所を検索することは一般的な作業であるため、住所が地球の表面の特定の場所に対応していることは明らかでしょう。しかし、マップで地理空間(地球の表面上の位置)を表すには座標系を使用します。つまり、住所をマップ上にプロットする場合は、まずその住所を、座標系の位置に対応する座標に変換しなければなりません。住所の座標位置を見つけるプロセスはジオコーディングと呼ばれます。住所のリストをマップに描画するには、まずこれらの住所をジオコーディングする必要があります。

ArcGIS for SharePoint では、SharePoint リストに格納されている住所の地理座標を見つけるために、ArcGIS ジオコーディング ワークフローが提供されています。この機能を SharePoint ワークフローとして公開すると、多くの SharePoint ユーザにとって使い慣れた、使いやすい機能になります。

住所データを含むリストでこのワークフローを実行すると、新しく 3 つの列(ArcGIS ロケーション、Shape X、Shape Y)がリストに追加されます。

[ArcGIS ロケーション]、[Shape X]、[Shape Y] 列がリストに追加されました。

注意注意:

既存のフィールドを使用している場合、これらの選択したフィールドの値が X および Y 座標によって上書きされ、[Shape X] と [Shape Y] は作成されません。

[Shape X] および [Shape Y] フィールドには、リスト アイテムの地理座標が格納されます。[ArcGIS ロケーション] フィールドは各アイテムのフォームに対話型マップを埋め込むので、アイテムの位置を簡単に表示して操作することができます。

ArcGIS ジオコーディング ワークフローのリストへの追加

ArcGIS ジオコーディング ワークフローをリストに追加するには、次の手順を実行します。

  1. 住所データを含むリストに移動します。
  2. [リスト] タブで、[ワークフロー設定] ドロップダウン メニューの[ワークフローの追加] をクリックします。
    [ワークフロー設定] メニュー
  3. [住所フィールド] ページで、ワークフロー テンプレートとして [ArcGIS ジオコーディング] を選択し、ワークフローの名前を入力します。必要に応じて、タスク リスト、履歴リスト、および開始オプションを構成することができます。[次へ] をクリックします。
    ジオコーディング ワークフローのオプション
    注意注意:

    ページの最後にある [新しいアイテムの作成時にこのワークフローを開始] および [アイテムの変更時にこのワークフローを開始] という 2 つのチェックボックスによって、既存のアイテムを変更したとき、または新しいアイテムをリストに追加したときに、アイテムの位置を自動的に更新することができます。

  4. [次へ] をクリックしたら、ウィザードによって読み込まれ、ジオコーディング操作を構成できるようになります。最初に [ロケータ] ページが表示されます。
  5. [ロケータ] ページで、ジオコーディング操作の実行に使用するサービスを選択し、[次へ] をクリックします。
    ジオコーディングの [ロケータ] ページ
    注意注意:

    使用可能なロケータ サービスは、[ArcGIS Mapping ロケータ] リストを編集することで構成できます。詳細については、「ロケータの構成」をご参照ください。

  6. [住所フィールド] ページで、選択したロケータ サービスの入力パラメータに対応する SharePoint リスト内の列を選択して、[次へ] をクリックします。
    ジオコーディングの [住所フィールド]
  7. 前述したように、ArcGIS ジオコーディング ワークフローでは、SharePoint リスト内の各アイテムの地理座標を決定します。[座標フィールド] ページでは、座標を格納する列を指定できます。ワークフローがフィールドを自動的に作成するように設定した場合は、[Shape X] という名前のフィールドには経度が、[Shape Y] という名前のフィールドには緯度がそれぞれ格納されます。既存の列を出力するように指定する場合、ワークフローによってこれらの列の値が緯度および経度の座標によって上書きされることに注意してください。
    ジオコーディングの [座標フィールド]
  8. [ArcGIS ロケーション] フィールドの値によって、対話型マップ上のアイテムの表示および編集フォーム内のリスト アイテムの位置が表示されます。[マップ オプション] ページでは、ロケーション フィールドのズーム幅と検索許容値を指定できます。[ズーム幅] では、ロケーション フィールドに表示される幅の範囲を決定します。[検索許容値] では、ロケーション フィールドで [修正] ボタンを使用したときに、住所検索に使用される半径を指定します。[マップ幅][マップ高さ] では、表示および編集フォームに表示されるマップの幅と高さを決定します。
    ジオコーディングのマップ オプション
  9. ウィザードの最後のページでは、ワークフローの開始と管理に関するオプションを指定できます。[すべてのリスト アイテムの場所をすぐに検索します] チェックボックスをオンにすると、リスト全体がすぐにジオコーディングされます。このチェックボックスをオフにすると、各アイテムを個別にジオコーディングできます。この方法については、「リスト アイテムのジオコーディング」をご参照ください。

    [住所候補をレビューするタスクを作成します] チェックボックスをオンにすると、リスト内のアイテムごとにタスクが作成されます。この場合、複数の住所候補が返されたアイテムに対してタスクが作成されます。このタスクでは、アイテムを編集し、リストから候補を 1 つ選択する必要があります。このプロセスの詳細については、「住所候補の選択」をご参照ください。

    ジオコーディング ワークフローのオプション

  10. [OK] をクリックして、ワークフローを作成します。

照合候補がない場合

ロケータが住所の照合候補を返さないこともあります。この場合は、候補が 1 つしか見つからないときと同じように、アイテムに対してタスクは作成されません。このときには、リスト アイテムを調べて、各アイテムに有効なローケーションがあることを確認してみてください。

住所に候補がない場合は、[編集] ダイアログ ボックスのリボンにある [選択] ボタンが使用できない状態になり、座標フィールドには座標が表示されません。

住所の照合候補が存在しない場合の [編集] ダイアログ ボックス

このロケーションに新しい住所が用意されている場合は、次の手順を実行することで、この問題をすぐに解決できます。

  1. 住所のフィールドに新しい住所を入力します。
  2. [更新] ボタンをクリックし、[保存] をクリックします。
6/8/2012