Amazon Elastic IP と ArcGIS Server

Amazon クラウドを使用する利点は、インスタンスをいつでも起動、停止、作成、および終了できる機能であることです。ただし、この柔軟性によって、IP アドレスに潜在的な問題が発生します。停止したインスタンスを再起動(またはインスタンスを終了した後で別のインスタンスを再び作成)することにより、新しい IP アドレスが作成されることです。IP アドレスがたびたび変化する場合に、コンピュータを適切に参照するにはどうすればよいでしょうか。

この問題に対処するために、Amazon には Elastic IP を作成する機能が用意されています。Elastic IP では、長期にわたってさまざまな EC2 インスタンスに関連付けることができる単一の IP アドレスが提供されます。使用する EC2 インスタンスに Elastic IP があり、そのインスタンスが停止または終了した場合は、即座に新しい EC2 インスタンスを同じ Elastic IP に関連付けることができます。既存のアプリケーションが動作しなくなることはありません。背後にある EC2 インスタンスが変更されていても、アプリケーションからは期待したとおりの Elastic IP を確認できるからです。

ArcSDE が含まれる EC2 インスタンスに対して Elastic IP を設定することが重要です。インスタンスを停止する必要が生じた場合に、そのインスタンスを再起動した後で必要となる作業は、インスタンスを Elastic IP に再び関連付けるだけです。さらに、インスタンスが停止している間は、Elastic IP をバックアップ用インスタンスに関連付けることもできます。Elastic IP がない場合、インスタンスを停止する必要が生じると、ジオデータベースに接続しているユーザの接続が永久に切断されます。

メモメモ:

Elastic IP は Elastic Load Balancer と同じではありません。Elastic Load Balancer は、1 つの Web アドレスで複数の EC2 インスタンスを同時に関連付けることによって ArcGIS Server 環境をスケール アウトする機能です。一方の Elastic IP には、一度に 1 つの EC2 インスタンスしか関連付けることができません。

関連項目


2/6/2012