ArcGIS 10 の新機能 - ジオプロセシング
バックグラウンド処理
アプリケーション(ArcMap、ArcCatalog、ArcScene、ArcGlobe)での作業を続行しながら、ジオプロセシング ツールをバックグラウンドで実行可能になりました。
検索ウィンドウとカタログ ウィンドウ
ArcToolbox 機能は 検索 ウィンドウ、カタログ ウィンドウ、および 結果 ウィンドウに置き換わりました。ArcGIS 10 でも ArcToolbox ウィンドウを使用できますが、ツールの検索と実行は主に 検索 ウィンドウで行います。検索 ウィンドウから、Esri が開発したジオプロセシング ツールおよびユーザ独自のカスタム ツールにアクセスできます。
ジオプロセシング メニュー
標準ツールバーに [ジオプロセシング] メニューが新たに追加されました。このメニューには、ジオプロセシング システムのすべての設定オプションと、頻繁に使用される 6 つのツールがあります。
ツールをメニューに追加可能
[ジオプロセシング] メニューやその他のメニューまたはツールバーにツールを簡単に追加して、お気に入りのツールに簡単にアクセスできます。この新機能を利用することで、ユーザ独自のモデルやスクリプト ツールをアプリケーションのユーザ インタフェースに追加することもできます。
コマンド ライン ウィンドウから Python ウィンドウに一新
Python ウィンドウでは、コマンド ライン スタイルの環境でツールを実行できます。これまでのリリースの コマンド ライン ウィンドウから Python ウィンドウに一新されました。コマンド ライン ウィンドウでは、ジオプロセシング ツールを実行したり、ジオプロセシング環境を設定したりすることができました。Python ウィンドウでは、コマンド ライン ウィンドウのようにツールの実行や環境設定を行えるだけでなく、arcpy スクリプト機能(関数のリスト、データ プロパティの記述、カーソルなど)や python 言語のその他の便利な機能にアクセスすることもできます。
Python と ArcPy
ArcGIS では Python バージョン 2.6 がインストールされます。
ArcPy サイトパッケージでは、すべてのジオプロセシング ツール、および GIS データの照会に便利な各種機能を使用できます。サイトパッケージとは、Python 言語の機能を拡張するライブラリを指す Python の用語です。ArcPy サイトパッケージによって、ArcGIS から Python に提供される GIS 機能が決まります。ArcPy サイトパッケージは自動的に ArcGIS と共にインストールされます。ArcPy は Python コード内の arcgisscripting から置き換わったものと考えることができます。
ArcPy には 2 つの重要なモジュールがあります。マッピング モジュール(arcpy.mapping)は ArcMap との対話処理およびマップ ブック(データ ドリブン ページ)の作成を行い、Spatial Analyst モジュール(arcpy.sa)はマップ代数演算を行います。3 つ目のモジュール Geostatistical Analyst には、複雑な近傍検索の設定に使用するクラスが含まれています。
モデルとスクリプト ツールのパスワード保護
ArcGIS 10 では、ユーザの知的財産であるモデルとスクリプトをパスワードによって保護できます。これによって、モデルやスクリプト ツールを受け取った人はこれらを実行できますが、編集することはできません。パスワード保護されたモデルやスクリプトを表示することはできません。コピーされたモデルやスクリプトもパスワード保護されます。
さらに、*.py ファイルをツールにインポートできます(実際には、スクリプト ツールをパスワード保護するためにはこの操作を必ず行う必要があります)。つまり、スクリプト ツールを実行するために別々の *.py ファイルを配布する必要はなく、*.py はツールボックス内に保存されます。*.py ファイルをインポートした後で、(パスワードを知っている限り)修正するために再びエクスポートできます。