演習 2:帯水層の汚染のビジュアライゼーション
水道局で仕事をしていることを想定します。揮発性有機化合物(VOC)が何年にもわたって漏れ出している地域があることを水道局は認識しています。担当部署の技師が帯水層における VOC の一部の汚染をマッピングし、それをベースにして 3D シーンを作成して関係者や一般の人々の間にその問題の広がりを視覚的に訴えることにしました。
一部のデータは、地下水解析(Groundwater)ArcScene ドキュメントにすでに格納されています。ここでは、汚染の問題が明確に伝わるようにシーンを修正します。
VOC のデータは、San Gabriel 盆地水質管理当局のご好意により提供されたものです。
「Groundwater」シーン ドキュメントを開く
このシーン ドキュメントには、汚染流域のシェープを示す TIN、汚染濃度を示すラスタ、土地区画と井戸の位置を示す 2 つのシェープファイルが格納されています。汚染 TIN に対して濃度ラスタをドレープし、建物フィーチャの立ち上げとその色の変更を行って、さらに井戸フィーチャを立ち上げることで汚染による危険度の高い井戸を識別しやすくします。
- [スタート] → [すべてのプログラム] → [ArcGIS] → [ArcScene 10] の順にクリックして、ArcScene を起動します。
- ArcScene の [はじめに] ダイアログ ボックスで、[既存のシーン] → [詳細検索] の順にクリックします。
- [Exercise2] フォルダに移動します。
- [Groundwater] ArcScene ドキュメントをクリックし、[開く] をクリックします。
汚染の量と濃度の表示
汚染領域表面の TIN の上に VOC 濃度のラスタをドレープし、帯水層の汚染の量と濃度を示します。
- コンテンツ ウィンドウで [congrd] を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
- [ベース(標高)] タブをクリックします。
- [指定したサーフェス上に配置する] をクリックし、その汚染 TIN が、高さの値を提供する標高サーフェスとして選択されていることを確認します。
- [シンボル] タブをクリックします。
- [カラー ランプ] ドロップダウン リストの矢印をクリックして、ラスタ用に赤いカラー ランプをクリックします。
- [OK] をクリックします。
- コンテンツ ウィンドウで [plume] をオフにします。
汚染範囲と井戸との関係を示す
いくつかの井戸が汚染範囲内にあることが分かります。しかし、どの井戸の被害が最も深刻なのかを判断するのは困難です。汚染は広範囲にわたっていますが、深いところでの汚染が軽度であるためです。
汚染流域と交わる井戸を確認できるように、深さ属性に基づいて井戸フィーチャを立ち上げます。
- [wells] を右クリックして [プロパティ] をクリックします。
- [立ち上げ] タブをクリックします。
- [レイヤのフィーチャを立ち上げます] をオンにし、[計算] ボタンをクリックします。
- [WELL_DPTH] をクリックします。
- [OK] をクリックします。
- ドロップダウン リストの矢印をクリックし、「各フィーチャのベース標高値を基準」を選択し、立ち上げ式に適用します。井戸の深さは負の値で表現され、下方向に立ち上げられます。
- [OK] をクリックします。
井戸が汚染地域と交わるか、あるいはそれに近接する地域が分かります。ここでシーンを変更して、清浄化対象とされている各施設の優先順位を示します。
浄化の優先度の高い施設を表示する
担当部署のアナリストがそれぞれの場所の修正の緊急度に応じて施設をランク付けします。施設を 3D の円柱状に立ち上げ、色コードを指定して汚染除去の優先度が高い施設を強調します。
- [facility] を右クリックして [プロパティ] をクリックします。
- [立ち上げ] タブをクリックします。
- [レイヤのフィーチャを立ち上げます] をオンにし、[計算] ボタンをクリックします。
- [PRIORITY1] をクリックします。
- 「*100」と入力します。
- [OK] をクリックします。
- [シンボル] タブをクリックします。
- [数値分類] をクリックします。
- [値] ドロップダウン リストをクリックして、[PRIORITY1] をクリックします。
- [OK] をクリックして、[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスを閉じ、立ち上げおよびシンボル設定を適用します。
- [保存] ボタンをクリックします。