ラスタ サーフェスの解像度
調査エリアで選択すべきラスタのセル サイズは、最も詳細な解析に必要なセル サイズで決まります。セルは、必要な細部を得られる程度小さく、しかし、コンピュータでの保存や解析処理を効率よく行える程度大きくなければなりません。地勢図や土地利用形態といった重要な変数のエリアの均質度が高いほど、精度に影響を与えずに、セル サイズを大きくすることができます。
セル サイズを指定する際は、次のファクタを検討してください。
- 入力データの解像度
- ディスク容量と比較した最終的なデータベースのサイズ
- 視覚化するときのデータまでの距離
- 望ましい応答時間
- アプリケーションと実行される解析
セル サイズが入力の解像度より細かくても、入力データより正確なデータは得られません。得られるラスタ データセットは一般に、入力データと同等かそれより粗くなります。
ArcGlobe または ArcScene でラスタの近くにナビゲートする場合は、ブロック化を防ぐためにラスタ解像度を増加する必要があることがあります。これは特に、ベクタ フィーチャをラスタ データに変換するときに当てはまります。
異なる解像度
ArcGIS 3D Analyst では、さまざまな解像度のラスタ データセットを格納したり、同一のデータベース内で一緒に解析したりできます。そのため、ArcGIS 3D Analyst では、前述の検討項目を、データベース内の全ラスタで同時に決定するよりはむしろ、データセットごとに別々に決定できます。
さまざまなタイプの情報が格納されたラスタ データセットをさまざまな解像度で格納することで、データに対するニーズや、ラスタを使って実行する解析のニーズを満たすことができます。州の分水界を表すラスタ データセットは、絶滅寸前種の分布を表すラスタ データセットより粗いセル解像度で格納できます。
セル サイズが異なるラスタ間で解析を実行する場合、関数を実行する前に、ラスタは共通の解像度にリサンプリングされます。
解像度の低下
地図データをセル表現で表す場合の最大の欠点は、セルの固定境界に合わせてデータが再構築されることで解像度が低下するという点です。セル サイズが小さくなると、解像度は上がります。ただし、その場合は、ディスク スペースと処理速度の両面で、コストも上がるのが普通です。
あるエリアでセルを現行の半分のサイズにすると、データのタイプおよび使用する保存手法によっては、必要な記憶領域が 4 倍になります。ただし、ほとんどのユーザにとっては、解像度の低下よりも、セルベース解析の効率性の方が優先するようです。
解像度が細かいデータを粗いデータにリサンプリングする場合、セルの大きさによっては、1 つのセル内に元データのデータ値を複数含むことがあります。この場合、入力データを集めて優先順位を付けなければなりません。そして、各セルに値を 1 つ割り当てるため、データの解像度を低下させることになります。適切な詳細度を得るのに最適なセル サイズは、調査環境によって異なります。セルが小さいほど、解像度と精度は向上します。その場合は、コーディング、データベース容量、および解析の処理速度の方に、よりコストがかかります。