演習 1:地形サーフェス上への画像のドレープ

複雑さ: 初心者 データ要件: ソフトウェアとともにインストール データ パス: See Copying the tutorial data 目的: データをプレビューするためのナビゲーション ツール、および画像をドレープするためのレイヤ プロパティの設定を理解します。

リモート検出された地形サーフェス上のドレープ画像を表示することで、その画像のパターンが把握しやすくなるとともに、それらが地表の形状とどのように関連しているかを理解しやすくなります。

自分がカリフォルニアのデスバレーを研究している地質学者であることを想定してください。テレインを示す TIN と地表の粗さを示す衛星レーダー画像を収集してあります。画像から得られる情報量はかなりのものですが、地形サーフェスへ画像をドレープすることによってさらに広がりを持たせることができます。デスバレーの画像は、NASA/JPL/Caltech のご好意により提供されたものです。

3D Analyst エクステンションを有効にする

最初に、3D Analyst エクステンションを有効にする必要があります。

手順:
  1. [スタート] [すべてのプログラム] [ArcGIS] [ArcCatalog 10] の順にクリックして、ArcCatalog を起動します。
  2. [カスタマイズ][エクステンション] の順にクリックします。
  3. メイン メニューで [カスタマイズ] をクリックしてエクステンションを有効化

  4. [3D Analyst] をオンにします。
  5. [閉じる] をクリックします。
  6. 3D Analyst エクステンションを有効化

ArcCatalog で 3D データをプレビュー表示する

画像をドレープする前にテレイン データを参照し、それを ArcCatalog でプレビュー表示します。

手順:
  1. カタログ ツリー[3DAnalyst] フォルダ接続に移動します。
  2. 3DAnalyst」をダブルクリックします。
  3. [Exercise1] をダブルクリックします。
  4. [Exercise1] をダブルクリック

    「Data」フォルダと「Death Valley Terrain」という TIN レイヤがあります。

    レイヤは、地理データへのショートカットになります。マップ上または 3D ビュー上でどのように地理データを描画すべきかの情報も保存されています。

  5. 「Death Valley Terrain」をクリックします。
  6. カタログ ツリーで「Death Valley Terrain」レイヤをクリックします。[プレビュー] タブを使用してデータのサンプルビューを表示します。

  7. [プレビュー] タブをクリックします。ArcCatalog では、GIS データをプレビュー表示することができます。3D Analyst をインストールすることによって、一部のデータを 3D でプレビュー表示することもできます。
  8. [プレビュー] ドロップダウン矢印をクリックして [3D ビュー] をクリックします。
  9. プレビューを 3D ビューへ変更

  10. 上記のプレビュー ウィンドウの上を右クリックし、[3D ビュー ツール] をクリックします。
  11. [3D ビュー ツール] ツールバーを有効化

    プレビューが 3D プレビュー画面になり、新しいツール セットが [3D ビュー ツール] ツールバーに表示されます。

    [ナビゲート] ツールが選択された [3D ビュー ツール] ツールバー

    3D で最初にデータをプレビューしたときは、[ナビゲート] ナビゲート ツールは有効になっています。ツールの上にポインタを置くと、ツール名が表示されます。

    [ナビゲート] ツールは、3D プレビュー画面で 3D データをクリックし、上下左右にドラッグすることによってデータを回転したり、ビューアの視点の位置を変えたりすることができます。

  12. 3D プレビュー内をクリックし、右にドラッグします。
  13. 3D プレビューのナビゲート

    データは、センターを中心にして回転します。また、[ナビゲート] ツールでは、マウス ホイールを使用して、3D プレビューでデータの拡大や縮小、画面移動を行うことも可能です。
  14. 3D プレビューを右クリックして下にドラッグします。
  15. [ナビゲート] ツールを使用して 3D プレビューを拡大

    ポインタが [拡大/縮小] 拡大/縮小 ポインタに変わり、そのデータを拡大表示します。
  16. マウスの中央ボタン(2 ボタン マウスの場合は、左と右のボタンを両方同時に押す)をクリックして右にドラッグします。
  17. [ナビゲート] ツールを使用して 3D プレビューを画面移動

    ポインタが、[画面移動] 画面移動 ポインタに変わり、ビュー内のデータ全体が移動します。
  18. [個別属性] 個別属性表示 ボタンをクリックし、TIN の上をクリックします。
  19. 個別属性

    [個別属性] ウィンドウに、クリックしたポイントのサーフェスの標高、傾斜角、傾斜方向が表示されます。
  20. 右上の [X] をクリックして [個別属性] ウィンドウを閉じます。
  21. [個別属性] ツールを使用してフィーチャまたはレイヤをクリックすると表示される [個別属性] ウィンドウ

  22. [全体表示] 全体表示 ボタンをクリックします。
  23. 全体表示

    表示がデータの全体表示状態に戻ります。

    3D プレビューでのデータの全体表示

サーフェス データの確認が終わったので、ここで 3D でのナビゲーションを行います。次のステップは、ArcScene を起動して、レーダー画像を新規のシーンに追加します。

ArcScene を起動し、データを追加する

ArcScene は 3D Analyst の 2 つの 3D ビジュアライゼーション環境うちの 1 つです(ArcGlobe は演習 5 と 6 で紹介します)。3D データは ArcCatalog でもプレビューできますが、ArcScene を使用すると、複数のデータ ソースを追加して複雑なシーンを作成できます。

手順:
  1. ArcCatalog で、[3D ビュー ツール] ツールバーの [ArcScene] ArcScene ボタンをクリックして、アプリケーションを起動します。
  2. ArcScene を起動

  3. [ArcScene - はじめに] ダイアログ ボックスで、[新規シーン] をクリックして [参照] 参照 ボタンをクリックし、デフォルトのジオデータベース パスを「D:\3DAnalyst\3D_Default.gdb」に設定します。
  4. この場所は、チュートリアルの演習で作成した出力空間データを格納するのに使用されます。

    新規のシーン ドキュメントを開始して、3D Analyst チュートリアル演習用のデフォルトのジオデータベース パスを設定

  5. [OK] をクリックして [はじめに] ダイアログ ボックスを閉じます。
  6. ArcScene の [標準] ツールバーにあるツールの多くは、ArcCatalog の 3D ナビゲーション ツールと同じです。

    ArcScene の 3D ビジュアライゼーション インタフェース

  7. ArcCatalog を閉じます。
  8. ArcScene ウィンドウの右側にある、[カタログ] タブの上にポインタを移動するか、[カタログ] タブをクリックします。
  9. カタログ ウィンドウがビュー内に表示され、使用可能になります。
  10. チュートリアル データをローカルに保存した [フォルダ接続] パスにある [Exercise1] フォルダに移動します。
  11. 「Death Valley Terrain」レイヤをクリックして ArcScene の 3D ビュー領域にドラッグし、マウス ボタンを放します。
  12. カタログ ウィンドウを使用して、3D ビューにデータをドラッグ&ドロップ

    TIN が新規シーン内に描画され、TIN レイヤが自動的にコンテンツ ウィンドウに追加されます。

    「Death Valley Terrain」レイヤの ArcScene への追加

  13. カタログ ウィンドウから [Exercise1] 内の「Data」フォルダに移動します。
  14. 「dvim3.TIF」レイヤをクリックして ArcScene の 3D ビューにドラッグし、マウス ボタンを放します。
  15. 「dvim3.TIF」画像レイヤを ArcScene に追加

    画像がシーンに追加されます。

    画像レイヤを 3D ビューとコンテンツ ウィンドウに追加

    画像が平面上に描画され、基準高度はゼロになります。地形の高さがゼロメートル(海抜)未満のデスバレー地形サーフェス上にその画像を見ることができます。他の位置では地形サーフェスが上になるために見えなくなります。
  16. 「Death Valley Terrain」レイヤをオフにします。
  17. コンテンツ ウィンドウでレイヤをオフにして表示設定を切り替える

    これで画像の全容が見えるようになりました。黒くなっている部分は、データのない画像で、画像をテレインに合わせるために前処理された結果であることを示します。

画像がシーンに追加されました。次に、画像レイヤのプロパティを変更して、画像を地形サーフェス上にドレープします。

画像をドレープする

画像に表示される地表面情報がテレインに関する有効な情報ソースの場合、画像を地形サーフェスにドレープすると、地表面と地形の形状の関係が明確になります。ArcScene では、レイヤの基準高度をサーフェスから割り当てることにより、グリッド、画像、または 2D フィーチャを含むレイヤをサーフェス(グリッドまたは TIN)にドレープできます。

手順:
  1. ArcScene のコンテンツ ウィンドウで [dvim3.TIF] を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
  2. レイヤを右クリックして、レイヤ プロパティを含むショートカット メニュー オプションを表示

    [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスが表示されます。プロパティを設定することによって、マップ上またはシーン内でのレイヤの描画の仕方が変わります。
  3. [基準高度] タブをクリックします。
  4. ArcScene の [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスの [基準高度] タブ

  5. [指定したサーフェス上に配置する] オプションをクリックします。
  6. TIN がシーンにおける唯一のサーフェス モデルであるため、サーフェスのドロップダウン リストに表示されます。
  7. [OK] をクリックします。
  8. 画像が地形サーフェス上にドレープされます。

    [基準高度] タブで画像を標高ソースとして設定することで地形上にドレープ

    これで、画像内ナビゲートしたり、地表面と地形の形状との関係を画像の各色で確認したりできます。

画像を詳細に確認する

ArcScene の [ツール] ツールバーのナビゲーション ツールを使用して、ドレープした画像を確認します。

手順:
  1. [拡大] 拡大 ボタンをクリックします。
  2. [ツール] ツールバーで [拡大] ボタンを選択

  3. 画像の中央の長方形をクリックし、ドラッグします。
  4. [拡大] ツールを使用して対象エリアを拡大

    シーンで画像の中央部分が拡大されます。

    3D ビュー内で拡大された場所

  5. [ナビゲート] ボタンをクリックします。
  6. [ツール] ツールバーの [ナビゲート] ツールを選択

  7. マウス ポインタでシーンをクリックしたままゆっくり左にドラッグします。
  8. [ナビゲート] ツールを使用して 3D ビューを回転

    シーンが回転し、表示角度が下がるため、谷を見下ろしている感じになるとともに、シーンの左側の高地を通過していきます。

    ドレープされた GIS データの表示角度を変更して、3D ビューの視野を変更

    地形サーフェス上にレーダー画像をドレープすると、地表の一般的な形状とそのサーフェスを構成する岩場と堆積物の地表面との関係が分かります。

地形を強調する

谷は、地形の高さに比べて広いエリアを持っていますが、シーンの縁の山々は、谷底の上に 2,000 メートル以上もそびえています。シーンの奥行きの感覚を高めたり、地形の微妙な特徴を引き出すには、地形の高さを強調します。

手順:
  1. コンテンツ ウィンドウの [シーンレイヤ] を右クリックし、[シーンプロパティ] をクリックします。
  2. [シーン プロパティ] ダイアログ ボックスでは、シーンのすべてのレイヤで共有されるプロパティを設定できます。設定するプロパティは、高さ強調、背景色、座標系、データの範囲、およびシーンのイルミネーション方法(光源がサーフェスを照らす位置)です。
  3. [一般] タブをクリックします。
  4. [高さ強調] コンボ ボックスに「2」と入力します。
  5. [シーン プロパティ] ダイアログ ボックス

  6. [OK] をクリックします。
  7. 地形の見かけ上の高さがこれで 2 倍になりました。
    これで沖積扇状地がシーン中央の大きな岩場からシーン左側手前の小さな岩場の間の谷底に向かって広がっていることが明らかです。

    高さ強調を使用して、3D シーン内のフィーチャの外観を改善

これでレーダー画像に奥行きを加えるとともに画像のデータと地形データ間の関係を調べた上で地形のかすかな差異を知覚するシーンの強調を行いました。

シーンを作成できたので、それを保存し、必要に応じて後でいつでもチェックすることができます。

シーンを保存する

マップと同様に、シーン(シーン ドキュメントともいう)には、シーン内のレイヤの描画方法とデータの場所に関する情報が格納されます。

手順:
  1. [ファイル][名前を付けて保存] の順にクリックします。
  2. シーン ドキュメントを保存します。

  3. 「Exercise1」フォルダに移動します。
  4. ファイル名に「Deathvalley」と入力します。
  5. [名前を付けて保存] ダイアログ ボックスでシーン ドキュメントの新しい名前を入力

  6. [保存] をクリックします。
  7. これでこのシーンはいつでも後で開いて見ることができるようになりました。

7/10/2012