演習 6:ArcGlobe の基本事項

複雑さ: 初心者 データ要件: ソフトウェアとともにインストール データ パス: See Copying the tutorial data 目的: ArcGlobe のナビゲーション方法と表示機能の基本的プロパティについて詳細を説明します。

ArcGlobe をナビゲートすると、データを確認でき、後で使用する基本的なタスクの実行方法を知ることができます。

この演習では、ArcGlobe のナビゲーション ツールを使用する方法と、表示機能を高めるプロパティの設定方法について説明します。この演習では、グローブ サーフェスについてデフォルトのオンライン レイヤを使用していることを前提としています。このオンライン レイヤでは、インターネット接続が必要です。

ArcGlobe のデフォルト レイヤを確認する

まず、ArcGlobe を起動して、デフォルトでどのようなデータが用意されているかを見てみます。

手順:

1. [スタート] → [すべてのプログラム] → [ArcGIS] → [ArcGlobe 10] の順にクリックして、ArcGlobe を起動します。

2. [ArcGlobe - はじめに] ダイアログ ボックスで、[参照] をクリックして、デフォルトのジオデータベース パスを「D:\3DAnalyst\3D_Default.gdb」に設定します。
[参照] が無効である場合は、[新規グローブ] をクリックして新しいテンプレートを起動し、[参照] をクリックしてください。
この場所は、チュートリアルの演習で作成した出力空間データを格納するのに使用されます。

3. [OK] をクリックして [はじめに] ダイアログ ボックスを閉じます。
ArcGlobe が起動し、デフォルトのオンライン レイヤが読み込まれます。
グローブに読み込まれるレイヤは、コンテンツ ウィンドウで確認できます。

4. [カスタマイズ] → [ArcGlobe オプション] の順にクリックします。

5. [デフォルト レイヤ] タブをクリックし、ArcGlobe の起動時レイヤ オプションをすべて表示します。

このデータは ArcGIS Online から World Imagery（3D）レイヤ ファイルとしてインストールされます。このデータには、境界と場所用のレイヤ、運輸用のレイヤ、米国本土の標高レイヤ（約 30 メートルの解像度）、および世界の標高レイヤ（約 90 メートル、つまりピクセルあたり 1 km の解像度）も含まれます。そのため、ArcGlobe ではデフォルトのオンライン レイヤを使用します。
デフォルトのオンライン レイヤはリアルタイムのインターネット レイヤなので、利用するにはインターネット接続が必要です。
6. [OK] をクリックします。
7. コンテンツ ウィンドウで、[タイプ別にリスト] ボタンをクリックします。

ArcGlobe では、レイヤはタイプ別に分類されます。レイヤは、標高、ドレープ、またはフローティングとして分類されます。標高レイヤは、グローブ サーフェスを起伏させます。ドレープ レイヤは、基準高度のソースとしてグローブ サーフェスを使用します。フローティング レイヤは、グローブ サーフェスとは独立して表示され、不連続サーフェスにドレープすることも、属性または定数値から標高を派生させることもできます。
ここで、デフォルト レイヤがどのように分類されるかを見てみると、いずれもドレープ レイヤおよび標高レイヤとして表示されており、直接グローブ サーフェス上に表示されています。

レイヤを追加する

デフォルト レイヤは、ArcGlobe に追加するデータの背景として機能します。ここで、ラスベガス地域のローカル データを追加してみます。

手順:

1. ArcGlobe ウィンドウの右側にある、[カタログ] タブの上にポインタを移動するか、[カタログ] タブをクリックします。
カタログ ウィンドウがビュー内に表示され、使用可能になります。
[標準] ツールバーのカタログ ウィンドウ ボタンをクリックします。

2. チュートリアル データをローカルに保存した [フォルダ接続] パスにある [Exercise6] フォルダに移動します。
3. [las_vegas_area.img] をクリックしてから、Shift キーを押しながら、下部のコンテンツ ビューの [las_vegas_strip.img] をクリックします。
複数のレイヤが選択されました。
4. 選択したレイヤを両方、ArcGlobe の 3D ビューにドラッグして、マウス ボタンを放します。
画像レイヤが、コンテンツ ウィンドウにドレープ レイヤとして自動的に追加されます。これに関しては、この演習の後で説明します。

レイヤの描画優先度をコンテンツ ウィンドウで変更する

範囲が重なるドレープ レイヤでは、描画優先度を設定して、どのレイヤを上に描画するかを指定する必要があります。ArcGlobe では、ラスタ レイヤのセル サイズの条件を使用して、デフォルトの描画優先度が設定されていますが、これらのデフォルトの設定を変更する必要が生じる場合もあります。これを行う方法の 1 つとして、コンテンツ ウィンドウの [タイプ別にリスト] ビューに表示されるドレープ レイヤの順番を変更する方法があります。

ArcGlobe のコンテンツ ウィンドウ内のドレープ レイヤの描画優先度は、リスト内の最上位のレイヤがグローブ上の最上位のレイヤになるように設定されています。たとえば、レイヤをリストの一番下から一番上へドラッグした場合、そのレイヤは、他のすべてのレイヤの上にレンダリングされるようになります。この手法は、画像の最上部に重要なポイントを表示したい場合など、ビューの改善に役立ちます。

手順:

1. [las_vegas_area.img] を右クリックして、[レイヤの全体表示] をクリックします。
描画優先度の設定のため、この画像は表示されません。デフォルトの [Imagery] レイヤが [las_vegas_area.img] レイヤの上に描画されます。

2. [las_vegas_area.img] をクリックしたままドラッグし、[Imagery] レイヤの上になるようにします。
レイヤ設定位置が黒いラインで示されます。

3. マウス ポインタを放して、レイヤを新しい位置にドロップします。
これで、ビューの中央に [las_vegas_area.img] が表示されます。

グローブ モードでの移動

ArcGlobe には、グローバル モードとサーフェス モードの 2 種類のモードがあります。グローバル モードでは、グローブ全体を表示しながらデータをナビゲートできます。カメラの方向はグローブの中心に設定できます。サーフェス モードでは、標高の低い位置からデータを操作できるため、三次元の表示特性を追加したり、カメラの向きを地表に設定したりできます。ここではまずグローバル モードでのナビゲーションを説明し、次にサーフェス モードでの説明を行います。

ArcGlobe 起動時には、[ナビゲート] ツールが有効になっています。[ツール] ツールバーのその他のツールの名前は、ツールの上にポインタを置くと確認できます。

手順:

1. [全体表示] ボタンをクリックします。

グローブが全体表示されます。
2. グローブをクリックし、右上にゆっくりドラッグして、マウス ポインタを放します。

グローブが回転し、視点が下がり、観察点が変わります。
3. 右クリックして下方向にドラッグします。

ポインタが [拡大/縮小] ポインタに変わり、グローブを拡大表示します。縮小表示にするには、グローブを右クリックして、上にドラッグします。
4. [全体表示] をクリックします。

連続回転ツールバーをオンにする

[連続回転] ツールバーを使用すると、任意の速度でグローブを自動的に回転できます。回転方向は時計回りと反時計回りの両方が可能です。

手順:

1. メニュー部分を右クリックして、[連続回転] をクリックします。

[連続回転] ツールバーが独立したツールバーとして表示されます。

連続回転ツールを使用する

手順:

1. [時計回りに連続回転] ボタンをクリックします。
Z 軸を中心にグローブを時計回りに連続回転させます。回転速度は自由に変更できます。
2. [速度] テキスト ボックスの上矢印をクリックして、グローブの回転速度を上げます。

連続してクリックすると、回転速度が徐々に上がります。任意の値を入力することもできます。速度を下げるには下矢印をクリックします。
3. [停止] ボタンをクリックして、グローブの回転を停止します。
Esc キーを押して、グローブの回転を停止することもできます。

地名を検索する

インターネット環境が整っていれば、[検索] ダイアログ ボックスで [Esri Online Place Finder] を使用して世界中の地名を検索することができます。

手順:

1. [検索] ボタンをクリックします。

2. [ロケーション] タブをクリックします。
3. [ロケータの選択] ドロップダウン リストをクリックして、[9.3.1 World Places (ArcGIS Online)] をクリックします。
4. [PlaceName] のテキスト ボックスに「Las Vegas」と入力します。
5. [検索] をクリックします。
6. [Las Vegas] を右クリックして、[ブックマークの作成] をクリックします。

7. [Las Vegas] を右クリックして、[ズーム] をクリックします。

8. [キャンセル] をクリックして [検索] ダイアログ ボックスを閉じます。

[検索] ツールは、世界中のほとんどどの地名も検索できる便利な方法です。ここでは、[検索] ツールを使用して対象となる場所を検索し、検索した場所の三次元表示を、ブックマークを使用して保存します。

グローブのサーフェス近くまで拡大したところで、サーフェス モードでナビゲートします。

サーフェス モードでのナビゲーション

データを拡大表示する場合は、サーフェス モードに切り替えることにより、新しい環境でもナビゲーション操作を正確に実行できます。サーフェス モードに切り替えると、カメラの向きがグローブ サーフェスに設定されるため、シーンを三次元表示してデータをナビゲートできます。

手順:

1. コンテンツ ウィンドウで [las_vegas_strip.img] を右クリックして、[レイヤの全体表示] をクリックします。
ラスベガスの有名な地区「strip」が拡大表示されます。

2. Ctrl キーを押しながら モンテカルロ ビルの屋上の中心をクリックします。

クリックしたポイントが画面の中央に移動します。

目標点を中央配置すると、目標点がグローブ サーフェスに設定され、サーフェス モードに切り替わります。
3. Ctrl キーを押しながら モンテカルロ ビルの屋上の中心をもう一度右クリックします。

目標点が中央配置され、画面がそれにズームされます。
4. [ナビゲート] ボタンをクリックします。
5. 画面下部をクリックし、ゆっくり上方向にドラッグします。
新しい軸ポイントの特定に役立つように、画面上にアイコンが表示されます。

グローブが回転し、表示角度が下がります。水平線がライト ブルーの背景とともに現れ、新たな三次元表示でグローブが表示されます。
6. [全体表示] ボタンをクリックしてグローブを元の全体表示に戻します。

基本オプションを設定する

ArcGlobe の機能は、アプリケーション レベルとグローブ レベルの両方で変更できます。最初に、アプリケーション レベルのオプションについて確認します。

手順:

1. [カスタマイズ] メニューをクリックし、[ArcGlobe オプション] をクリックします。

[ArcGlobe オプション] ダイアログ ボックスでは、アプリケーション レベルのオプションを設定します。設定内容は、ArcGlobe のすべてのセッションで保持されます。
2. [一般] タブをクリックします。
3. [ツールとコマンドを使用による移動をアニメーション表示] をオンにします。

このオプションを使用すると、三次元表示を変更するツールを使用したときにビューアからビューアへの変化をスムーズにします。この設定は、このオプションを無効にしない限り、ArcGlobe を起動する際の標準の動作になります。
4. [OK] をクリックしてこのダイアログ ボックスを閉じ、変更を適用します。
5. [ブックマーク] をクリックして、[Las Vegas] をクリックします。

画面表示が、アニメーションのようにスムーズに、「Las Vegas」ブックマークに切り替わります。次にドキュメント レベルのオプションを調べます。

ドキュメント レベルのオプションを設定する

手順:

1. コンテンツ ウィンドウの [グローブ レイヤ] をダブルクリックします。

2. [背景] タブをクリックします。
3. [空の色] ドロップダウン矢印をクリックし、朝または夕方の空の色をクリックします。

空の色は、グローブ近くに拡大したときの背景の色で、[トランジション ゾーン] の下限として定義したものです。
4. [OK] をクリックします。

サーフェス モードに切り換えて、表示角度を低くすると、背景色が指定色に変わっていることが分かります。

この演習では、ArcGlobe のレイヤ タイプごとに設定を変え、グローバル モードとサーフェス モードでナビゲートし、場所を検索したり、アプリケーションとグローブのプロパティの設定方法を説明しました。これで基本的な機能は説明したので、ArcGlobe の他の部分を見てみることにしましょう。次の演習では、他のレイヤ カテゴリのデータの使用法を説明します。