演習 8: テレイン データセットの作成と使用

複雑さ: 中級者 データ要件: ソフトウェアとともにインストール データ パス: See Copying the tutorial data 目的: LIDAR データを使用してテレイン データセットを作成する

テレイン データセットとは、ジオデータベース内の 1 つまたは複数のフィーチャクラスに格納された計測値から生成される複数解像度の TIN ベースのサーフェスです。

この演習では、ジオプロセシング ツールを使用してサーフェス データをジオデータベースに読み込み、それらのデータからテレイン データセットを作成して ArcMap と ArcGlobe で使用します。

サーフェス フィーチャ データをジオデータベースに読み込む

このシナリオでは、LIDAR ポイントと写真測量ブレークラインが 2 つの別々の ASCII テキスト ファイルに保存されています。このデータを使用してテレイン データセットが構築されます。そのためには、フィーチャ データセットにあるフィーチャクラスにデータをインポートします。テレインは、ソース データと同じ場所に生成されます。

ファイル ジオデータベースには、フィーチャ データセットがすでに用意されています。このデータセットには 2 つのポリゴン フィーチャクラスが含まれています。1 つは湖を表すもので、もう 1 つは調査区域の範囲を示すものです。最初のステップで 2 つの ASCII ファイルをフィーチャクラスとしてフィーチャ データセットにインポートします。フィーチャクラスの 1 つは写真測量ブレークラインを区別するもので、もう 1 つには LIDAR ポイントが収められています。

手順:
  1. [スタート] [すべてのプログラム] [ArcGIS] [ArcCatalog 10] の順にクリックして、ArcCatalog を起動します。
  2. ArcCatalogを起動します。
  3. [カスタマイズ] [エクステンション] の順にクリックします。

    [エクステンション] ダイアログ ボックスが開きます。

  4. 3D Analyst が有効になっていることを確認します。有効になっていない場合は、チェックボックスをオンにして、ダイアログ ボックスを閉じます。
    チェックボックスをオンにしてエクステンションを有効にします。
  5. カタログ ツリーで、Exercise8 フォルダに移動し、terrain.gdb をダブルクリックして、ジオデータベースを開きます。
  6. topography フィーチャ データセットをダブルクリックします。
  7. Exercise8 ジオデータベースとフィーチャ データセットの内容を展開します。
  8. カタログ ツリーで、[Toolboxes] [System Toolboxes] [3D Analyst ツール] の順に展開して、3D Analyst ツールボックスに移動します。
  9. ツールボックスを展開するというのは、名前の横にあるプラス記号をクリックすることです。展開すると、ツールボックスの内容が表示されます。
  10. [変換] ツールセットを展開し、[ファイルから変換] ツールを展開して、[ASCII 3D → フィーチャクラス(ASCII 3D to Feature Class)] ツールをダブルクリックします。
  11. [ASCII 3D → フィーチャクラス (ASCII 3D to Feature Class)] ジオプロセシング ツールのダイアログ ボックスが開きます。
    ジオプロセシング ツールをダブルクリックして開きます。

    次に、ASCII ポイントを XYZ 形式のシンプル テキスト ファイルからマルチポイント フィーチャクラスに変換します。これらのポイントはサーフェス ジオメトリを定義するだけであり、属性には X、Y、Z 値だけを含みます。マルチポイント フィーチャクラスは、1 本のラインにつきポイントが 1 つあり、座標値はスペースで区切られます。これらのポイントに関連付けられている属性はないため、各ポイントにデータベース行を割り当てることは非効率です。ここでは、ポイントを結合してマルチポイントにします。マルチポイントには、1 つのシェープまたは行別に複数のポイントを格納できるため、格納用スペースが節約され、読み取り/書き込みのパフォーマンスが向上します。

  12. [ASCII 3D → フィーチャクラス (ASCII 3D to Feature Class)] ツールで、[参照] ドロップダウン リストが [ファイル] に設定されていることを確認します。
  13. [入力] フィールドの横にある [参照] 参照 ボタンをクリックして、Exercise 8 フォルダに移動し、入力ファイルとして masspoints.xyz を選択します。
  14. [ASCII 3D → フィーチャクラス(ASCII 3D to Feature Class)] ジオプロセシング ツールのパラメータを定義します。
  15. [入力ファイル フォーマット] が [XYZ] であることを確認します。
  16. [出力フィーチャクラス][参照]参照 ボタンをクリックして、topography フィーチャ データセットを参照します。
  17. [出力フィーチャクラス] に「topo_mass_points」と入力して、これを topography フィーチャ データセット内に保存します。
  18. [出力フィーチャクラス タイプ] が設定されていない場合は、[MULTIPOINT] に設定します。
  19. [平均ポイント間隔] の値として「10」を入力します。
  20. ポイント間隔とは、測定ポイント間の平均距離で、名目ポイント間隔とも呼ばれます。これは、データの X、Y 単位で指定されます。
    平均ポイント間隔のオプションは、[出力フィーチャクラス タイプ] のパラメータを [MULTIPOINT] に設定した場合にのみ使用できます。この設定では、ポイントをクラスタ化することにより、出力マルチポイントを構成するポイント間の距離を比較的短くできます。
  21. すべてのデフォルト値を確定し、[OK] をクリックして、ジオプロセシング ツールを実行します。
  22. 次のステップでは、同じ [ASCII 3D → フィーチャクラス (ASCII 3D to Feature Class)] ツールを使用して、ASCII ブレークライン データをインポートします。
    ブレークラインとは、道路や水域の海(湖)岸線など、サーフェスを表現するのに必要なライン フィーチャです。ブレークラインは、3D GENERATE フォーマットとなっています。GENERATE フォーマットは、XYZ フォーマットと似ていますが、XYZ フォーマットよりもラインやポリゴンのデータに適した ASCII フォーマットです。
    GENERATE フォーマットについての詳細な説明は、ヘルプに記載されています。ヘルプを参照するには、[ASCII 3D → フィーチャクラス(ASCII 3D to Feature Class)] ツールのヘルプ ページの上部にある詳細ページへのリンクをクリックします。
  23. [ASCII 3D → フィーチャクラス (ASCII 3D to Feature Class)] をダブルクリックして、ジオプロセシング ツールを開きます。
  24. [参照] ドロップダウン リストが [ファイル] に設定されていることを確認します。
  25. [参照] 参照 ボタンをクリックし、入力ファイルとして breaklines.lin を選択します。
  26. [入力ファイル フォーマット] を [GENERATE] に設定します。
  27. [ASCII 3D → フィーチャクラス(ASCII 3D to Feature Class)] ツールのブレークライン用のパラメータを設定します。
  28. [出力フィーチャクラス][参照] 参照 ボタンをクリックして、topography フィーチャ データセットを参照します。出力フィーチャクラスとして、「topo_break_lines」と入力します。
  29. [出力フィーチャクラス タイプ][POLYLINE] に設定します。
  30. [OK] をクリックして、ジオプロセシング ツールを実行します。
  31. この後、プレビューを表示して、ブレークラインが正常に作成されたことを確認します。
  32. カタログ ツリーで、[topo_break_lines] フィーチャクラスをクリックして選択します。
  33. [プレビュー] タブをクリックして、ブレークライン データを表示します。
  34. ArcCatalog でのプレビュー
  35. [プレビュー] が [ジオグラフィ] に設定されていることを確認します。プレビュー画面は、上記の画像に表示されたブレークライン データに似たものになっているはずです。

これまでの手順で、テレイン データセットを作成するための標高点とブレークラインの読み込みが完了しました。LIDAR 標高点は XYZ フォーマット、写真測量ラインは 3D GENERATE フォーマットとなっています。いずれも単純な 3D データのための ASCII フォーマットで、同じ [ASCII 3D → フィーチャクラス(ASCII 3D to Feature Class)] ツールを使用して読み込むことができます。

注意注意:
  • 大容量の LIDAR ポイントを処理する必要がある場合は、XYZ 形式の代わりに LAS 形式を使用することを検討してください。LAS は、LIDAR データ対応の業界標準の形式で、バイナリ形式であるため効率的です。さらに、データに関する詳細情報もファイルに保存されます。
  • LAS 形式のファイルをインポートする別のツール([LAS → マルチポイント(LAS to Multipoint)])も用意されています。このツールは、[ASCII 3D → フィーチャクラス(ASCII 3D to Feature Class)] ツールと同じツールセットにあります。

フィーチャからテレインを作成する

次に ArcCatalog の [新規テレイン] ウィザードを使用してテレイン データセットを定義および作成します。

手順:
  1. ArcCatalog で、[topography] フィーチャ データセットを右クリックしてショートカット メニューから [新規作成][テレイン] の順に選択します。
  2. [新規テレイン] ウィザードを使用して新しいテレイン データセットを構築します。
    テレインは、フィーチャ データセットにあります。テレインとテレインの構築に使用するフィーチャクラスは同じ場所にある必要があります。フィーチャ データセットをコンテナとして使用する利点の 1 つは、テレインの構築に使用するすべてのデータで同じ空間参照を持てることです。SDE データベースでは、データセットは編集可能なバージョン対応として登録される構造レベルにもなります。
  3. [新規テレイン] ダイアログ ボックスで、デフォルトのテレイン データセット名をそのまま使用します。
  4. [すべて選択] をクリックして、フィーチャ データセットにあるフィーチャクラスをすべてオンにします。
  5. 新しいテレイン データセットの特性を設定します。
  6. [ポイント間隔] を「10」に設定します。
  7. [次へ] をクリックします。
  8. 次は、各フィーチャクラスからテレインが取得する情報を設定します。
  9. [高度な設定] ボタンをクリックして、列のリストを展開します。
  10. [新規テレイン] ウィザードを使用して、特性を設定します。
  11. [topo_water_poly] フィーチャクラスの [SF タイプ][ブレークライン(ハード)] に設定します。
  12. topo_water_poly フィーチャクラスのフィーチャは、ブレークライン(ハード)としてサーフェスに組み込む必要があります。
    [新規テレイン] ウィザード内部でセルを展開して設定できます。

    標高点とブレークラインは、テレイン サーフェスの定義に使用される Z 値を持つため、これらの [標高値のソース] は [Shape] に設定され、Z 値はシェープ ジオメトリから取得されます。

    topo_clip_poly フィーチャクラスには 2D ポリゴンが格納されています。このフィーチャクラスでは、サーフェスの水平範囲が定義されており、サーフェスの周長付近の不適切な内挿が最小限に抑えられています。

    Z 値に使用されているデータの範囲より小さい場合は、クリップ ポリゴンが適しています。水域ポリゴンは 2D ジオメトリで表されますが、標高属性の SPOT を持ちます。各ポリゴンには固有の標高値を設定できますが、この標高値は一定です。湖は平地のため、水域ポリゴンが適しています。このデータでは、湖の境界内に湖の SPOT 値と矛盾する測定値がないため、境界線をブレークラインとして追加できます。ブレークラインとして追加しない場合は、その領域が平らになるように、置換ポリゴンとして追加することになります。

    ブレークライン以外はすべて、テレインの概観図の表示に使用されます。概観図とは、データを間引いてテレインを表示したもので、ベクタベースのサムネイルに似ています。ブレークラインは概観図に使用するには精密すぎますが、その他のすべての情報は適切な表現の概観図を作成するために必要です。

  13. [次へ] をクリックして、テレイン ピラミッド タイプを確定します。

テレイン データセットとしてピラミッドを定義する

テレイン ピラミッドは、複数解像度のサーフェスを作成するために使用されます。テレイン ピラミッドの概念はラスタ ピラミッドに似ていますが(縮尺が小さい場合は、表示パフォーマンスを上げるために粗いピラミッドを使用)、いくつか異なる点があります。最も重要なのは、これらがベクタをベースにした測定値で構成されており、表示だけでなく解析にも使用できる、という点です。

テレイン データセットの構築には、Z 許容値およびウィンドウ サイズという 2 つのタイプのピラミッドを使用することができます。

個々のピラミッド レベルの Z 許容値は、最高解像度データを基準とした、高さ方向の精度の近似値を表します。

ウィンドウ サイズ ピラミッド タイプは、データを等面積(ウィンドウ)に分割し、各エリアから 1 つか 2 つのポイントのみを見本として選択することにより、各ピラミッド レベルのポイントを間引きします。選択は、最小、最大、平均、または最小と最大両方の Z 値を基準として行います。

手順:
  1. ピラミッド タイプとして [Z 許容値] をクリックします。
  2. ピラミッド タイプを設定します。
    Z 許容値ピラミッド タイプは、Z 許容値と基準縮尺という 2 つの要素を使用して定義されます。
    各ピラミッド レベルの Z 許容値は、最大解像度のデータに対する高さ方向の精度の許容値です。ピラミッド レベルの基準縮尺では、ピラミッド レベルが表示されるときの表示縮尺を定義します。
  3. [次へ] をクリックして、テレイン ピラミッド レベルを定義します。
  4. [追加] を 4 回クリックします。これによってテーブルにデータが入力され、プロパティをカスタマイズできるようになります。
  5. 各列の値をクリックして、手動で [Z 許容値][最大縮尺] の値を設定し直します。次の画像に表示されているものと同じ値を使用します。
  6. テレイン ピラミッド レベルを設定します。

    これらの設定では、最大解像度のデータは最大縮尺 1:2,500 のマップ表示で使用されます。1:2,500 と 1:10,000 の間の表示縮尺では、最大解像度のデータに対して高さ方向の許容値の近似値が 1.0 になるデータのみが使用されます。1:10,000 から 1:25,000 までの表示縮尺では、許容値 2.5 が使用されます。1:25,000 から 1:50,000 までの表示縮尺では、許容値 5 が使用されます。これより縮尺が小さい場合は、許容値 10 が使用されます。

    テレイン ピラミッドの定義に使用する許容値と縮尺は、各用途の要件に基づいて指定する必要があります。1 つの方法は、等高線マップの要件に正確に合わせることです。一般に、等高線の誤差は等高線間隔の 2 分の 1 以内とすることとされています。たとえば、調査区域内の縮尺 1:24,000 のマップで等高線間隔が 5 フィートである場合には、高さ方向の精度の RMSE 誤差は 2.5 単位となります。ピラミッドの基準をテレインのマップに適した縮尺と等高線に合わせます。

    ブレークラインの頂点をすべてのピラミッド レベルで使用する場合は、これらのレベルのサブセットのみ実際のラインが適用されるように制限することができます。たとえば、1:24,000 より小さい縮尺のテレインで道路の縁石を三角形のエッジとして描画する必要がない場合は、[ピラミッド範囲] ダイアログ ボックスで制限できます。

  7. [解像度範囲の設定] ボタンをクリックすると、[ピラミッド解像度範囲] ダイアログ ボックスが表示されます。
  8. [topo_break_lines] フィーチャクラスの [最大 Z 許容値] を「1」に設定します。
  9. [ピラミッド解像度範囲] ダイアログ ボックス
    [ピラミッド解像度範囲] ダイアログ ボックスに表示される Z 許容値は、どのピラミッド レベルで強制適用が行われるかを示します。指定した値を使用すると、Z 許容値が 0 ~ 1.0 のピラミッド レベルでブレークラインが適用され、縮尺が 1:10,000 より大きい場合にのみブレークラインが適用されます。水域ポリゴンとクリップ ポリゴンはすべての縮尺で適用されます。これにより、データの境界線は常に正確になり、水域が平坦になります。
  10. [OK] をクリックして [ピラミッド解像度範囲] ダイアログ ボックスを閉じます。
  11. [次へ] をクリックしてサマリ パネルに進みます。
  12. 設定内容を確認します。
  13. [完了] をクリックします。
  14. テレイン作成前の設定のサマリ
  15. テレインを構築するか確認するメッセージが表示されます。[はい] をクリックして、テレイン構築プロセスを開始します。
  16. テレインを作成します。
    テレイン構築プロセスが完了すると、新しいテレインがフィーチャ データセットのカタログ ツリーに追加されます。新しいテレイン データセットを右クリックすると、プロパティが表示されます。また、ArcCatalog でテレイン データセットをプレビューすることもできます。
    新しいテレインはジオデータベース内部のフィーチャ データセットに追加されます。

ArcMap でテレインを表示する

これでテレイン データセットが作成されたので、ArcMap にレイヤとして追加することでさらに詳細なビジュアライゼーションと解析を行うことができます。テレインは、コンテンツ ウィンドウで表示と非表示を切り替えることができます。また、[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスで表示パラメータを制御することもできます。レイヤ プロパティの [シンボル] タブは、TIN レイヤと同じです。

手順:
  1. ArcCatalog で、[標準] ツールバーの [ArcMap の起動] ArcMap を起動 ボタンをクリックして、ArcMap を起動します。
  2. [ArcMap - はじめに] ダイアログ ボックスで、[参照] 参照 をクリックして、デフォルトのジオデータベース パスを「D:\3DAnalyst\3D_Default.gdb」に設定します。
  3. この場所は、チュートリアルの演習で作成した出力空間データを格納するのに使用されます。
  4. [OK] をクリックして [はじめに] ダイアログ ボックスを閉じます。
  5. ArcMap が開いたら、ArcCatalog は閉じてもかまいません。
  6. [カタログ] タブをクリックして、[カタログ] ウィンドウを開き、[Exercise8] フォルダにある [topography_Terrain] フォルダを見つけ、マップ ビューにドラッグして、マウス ボタンを放します。
  7. カタログ ウィンドウを使用して、マップ ビューにデータをドラッグ&ドロップできます。
    マップ ビューにテレインが描画され、コンテンツ ウィンドウにトポグラフィ レイヤが自動的に追加されます。
    テレイン レイヤが ArcMap に表示されます。
    テレインには、現在の縮尺表示に関連付けられているピラミッド レベルの測定値がデータベースから取得されます。この測定値はリアルタイムで三角測量され、画面に描画されます。粗いピラミッド レベルから細かいピラミッド レベルに移行する際には、より詳細なピラミッド レベルに到達するために必要な追加の計測値のみが取得され、三角測量に追加されます。
  8. [拡大] 拡大 をクリックします。
  9. ハイライトされた領域を拡大します。
    現在の表示に関連付けられた高さ方向の許容値が、どのようにマップのコンテンツ ウィンドウに一覧表示されているかを確認します。
    垂直方向の許容値。この値は、この表示レベルの場合にだけ必要です。
  10. [ツール] ツールバーの [全体表示] 全体表示 ボタンをクリックして、レイヤを全体表示します。
  11. テレインの概観図がコンテンツ ウィンドウに一覧表示されていることを確認します。
    テレインの概観図は、最も粗いテレイン表示です。これは、テレインを定義したときに指定した最も低い詳細レベル(LOD)のピラミッドより粗くなります。
    概観図は、レイヤを全体表示より縮小した場合にデフォルトで使用されます。これは、レンダリング処理を高速化するためです。概観図は、テレインの [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスの [表示] タブで表示と非表示を切り替えることができます。このタブでは、ポイント数を制限することもできます。
    ポイント数を制限すると、現在の環境(表示範囲、縮尺、およびピラミッド定義)で測定ポイント数が多すぎる場合に、テレイン レイヤの表示解像度を下げることができます。これにより、テレインの元のピラミッド表示設定に関係なく、表示パフォーマンスを上げることができます。解像度を下げると、テレイン レイヤの名前の横にアスタリスクが表示されます。
  12. レイヤをダブルクリックして [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスを開き、[表示] タブをクリックします。
  13. ポイント数制限を「800000」から「125000」に変更し、[OK] をクリックして [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。
  14. [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスの [表示] タブで、概観図テレインのポイント数の制限を変更します。
  15. マップ表示で、拡大と縮小を行って、次に画面移動を行います。
  16. このような操作を行っても、常に高速表示されるのは、レイヤがポイント数の制限値である「125000」に達しないように、使用するピラミッド レベルを調整しているからです。

ArcMap で対話型サーフェス解析ツールを使用する

ここでは 3D 対話型ツールを使用してサーフェス解析を行います。

手順:
  1. [カスタマイズ][エクステンション] の順にクリックして、ArcMap で 3D Analyst エクステンションが有効になっているか確認します。
  2. [3D Analyst] ツールバーが表示されていない場合は、[カスタマイズ][ツールバー] の順にクリックして、ツールバーを追加します。テレインがツールバーの [レイヤ] ボックスに表示されます。
  3. ArcMap の [3D Analyst] ツールバー

    一定の解像度以上に拡大するまでは、ツールバーのツールは無効になっています。デフォルトでは、テレインが最大解像度で表示されている場合にのみ有効になります。これらのツールは、テレインのピラミッドに設定した定義に基づいて、1:2,500 以上の縮尺で表示されます。

    テレインの [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスの [解析] タブで、より低い解像度でツールが有効になるように設定することができます。最大解像度より低い詳細レベルでツールが有効になるように設定すると、精度が低下しますが、これにより、対話型ツールは現在の表示解像度で常に動作します。これは、特定の解析要件で最大解像度のテレインをオーバーサンプリングする場合に便利です。

  4. テレイン レイヤをダブルクリックして [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスを開き、[解析] タブをクリックします。
  5. ドロップダウン メニューから 3D Analyst ツールの解像度閾値を「1.000000」に設定します。
  6. [3D Analyst] ツールバーのツールを表示する解像度閾値を設定します。
  7. [OK] をクリックします。
  8. [拡大] 拡大 をクリックして、表示縮尺が 1:10,000 を超えるまでテレインを拡大します。
  9. 拡大します。
    [3D Analyst] ツールバーの 3D Analyst 対話型ツールが有効になります。
    これで、サーフェスの見通し線解析を行うことができます。
  10. [見通し線作成] 見通し線の作成 ボタンをクリックします。
  11. [観測点オフセット] を「5」に、[目標点オフセット] を「2」に設定します。
  12. [見通し] ツールの観測点オフセットと目標点オフセットです。.
    高さ 5 メートルの観測点から高さ 2 メートルの目標点までがどのように見えるかを示す見通し線が計算されます。
  13. テレインの左上にある山地の南側傾斜部分(観測点)をクリックし、右下にラインをドラッグして、目標点でマウス ボタンを放します。
  14. 観測点から始まり目標点で終わる見通し線の経路をデジタイズします。
    見通し線が計算されます。緑色の部分は、観測点から見えている部分、赤い部分は、観測点から隠れている部分であることを示します。
  15. 右上隅の X 印をクリックして [見通し] ダイアログ ボックスを閉じ、DEL キーを押して、ビューからグラフィックスを削除します。
  16. [見通し] ダイアログ ボックスを閉じます。
    サーフェス上で 3D ラインの内挿を行います。
  17. [ラインの内挿] ラインの内挿 ボタンをクリックします。
  18. ビューの左中央にある最初のポイントをデジタイズし、ラインを右上隅にドラッグして、2 つめのポイントを作成し、さらに右下隅にドラッグします。ダブルクリックして、最後のポイントを作成し、デジタイズを停止します。
  19. 作成されるグラフィック ラインが自動的に選択されます。
    選択された 3D ポリラインによって、[断面図グラフ作成] ツールが有効になります。
    3 つのポイントをデジタイズして、[断片図グラフ作成] ツールを有効にします。
    2 つの線分を持つラインに沿って断面が作成されます。
  20. [断面図グラフ] 断面図グラフ作成 ボタンをクリックして、3D ラインをグラフ化します。
  21. 断面図グラフが作成されます。
    [ラインの内挿] ツールと [断面図グラフ] ツールを使用して、テレイン上の線分の断面図を作成します。
  22. 右上隅の X 印をクリックして [断面図グラフ タイトル] ダイアログ ボックスを閉じ、DEL キーを押して、ビューからグラフィックスを削除します。

ジオプロセシング ツールを使用してテレインをラスタ化する

テレイン データセットは、範囲、セル サイズ、および高さ精度許容値に基づいてラスタ化することができます。Linear 内挿法と Natural Neighbor 内挿法から選択できます。Natural Neighbor 内挿法は一般に高品質の結果が得られますが、処理時間が長くなります。ラスタ化処理は、[テレイン → ラスタ(Terrain to Raster)] ジオプロセシング ツールを使用して実行します。

手順:
  1. [カタログ] ウィンドウで、[Toolboxes] を展開し、[System Toolboxes] をクリックして、[3D Analyst ツール] ツールボックスをクリックします。
  2. [変換] ツールセットに移動し、[テレインから変換] ツールを展開して、[テレイン → ラスタ (Terrain to Raster)] ジオプロセシング ツールをダブルクリックします。
  3. テレイン → ラスタ(Terrain to Raster)
  4. [入力テレイン] ドロップダウン リストで [topography_Terrain] を選択します。
  5. 他の箇所は、下記の画像に表示されている値を設定します。
  6. [サンプリング距離] ドロップダウン リストに「CELLSIZE 10」と入力します。
    [テレイン → ラスタ(Terrain to Raster)] ジオプロセシング ツールのパラメータ
  7. [OK] をクリックして、ジオプロセシング ツールを実行します。
  8. [出力データ タイプ] を [FLOAT] に設定すると、高さ方向の精度が保たれます。
    [メソッド] を [NATURAL_NEIGHBORS] に変更すると、[LINEAR] にした場合よりも若干長く時間がかかりますが、急激な起状の変化が起こる可能性が高いハード ブレークラインを除いたすべての箇所でのなめらかさが向上します。
    [サンプリング距離] を明示的に設定することにより、出力セル サイズを正確に知ることができます。
    このテレイン データセットは、Z 許容値ピラミッド タイプで作成されたため、ピラミッド解像度は、目的のピラミッド レベルの Z許容値を示しています。このテレインでは、解像度が 1.0 のピラミッド レベルで、ブレークラインが有効になっています。
    このサーフェスは最大解像度データと比較してデータがいくらか間引き処理されたものになりますが、間引き量はそれほど多くはありません。この処理では、間引かれたデータを使用しているため、実行時間が短くなります。
  9. ジオプロセシング ツールの処理が完了したら、[全体表示] 全体表示 をクリックして結果を表示します。topography_Terrain レイヤを非表示にします。
  10. ラスタ化されたテレイン データセットの結果

ジオプロセシング ツールを使用して陰影起伏を作成する

作成されたラスタ サーフェスの形態を見るには、次の手順に従って陰影起伏画像を作成します。サーフェスの陰影起伏表現は、解析またはグラフィック表示、特に透過表示を行う上でビジュアライゼーションのレベルを非常に向上させることができます。

手順:
  1. [カタログ] ウィンドウで、[Toolboxes] を展開し、[System Toolboxes] をクリックして、[3D Analyst ツール] ツールボックスをクリックします。
  2. [ラスタ サーフェス] ツールセットに移動して、[陰影起伏 (Hillshade)] ツールをダブルクリックします。
  3. [陰影起伏 (Hillshade)] ジオプロセシング ツール
  4. [入力ラスタ] ドロップダウン リストで [terrain_grd] を選択します。
  5. 他の箇所の値がすべて下記の画像と一致しているかどうかを確認します。
  6. [陰影起伏 (Hillshade)] ジオプロセシング ツールのパラメータ
  7. [OK] をクリックしてツールを実行し、作成された陰影起伏レイヤを確認します。
  8. 陰影起伏処理の結果がマップ ビューに追加されます。

テレインを ArcGlobe の標高レイヤとして使用する

テレイン データセットは ArcGlobe で、グローブ サーフェスの定義に情報を提供する標高またはドレープ レイヤとして使用することができます。

手順:
  1. ArcMap で、[3D Analyst] ツールバーの [ArcGlobe の起動] ArcGlobe ボタンをクリックして、ArcGlobe を起動します。
  2. [ArcGlobe - はじめに] ダイアログ ボックスで、デフォルトのジオデータベース パスが「D:\3DAnalyst\3D_Default.gdb」に設定されていることを確認します。
  3. この場所は、チュートリアルの演習で作成した出力空間データを格納するのに使用されます。
  4. [OK] をクリックして [はじめに] ダイアログ ボックスを閉じます。
  5. ArcGlobe が起動します。
  6. ArcMap を閉じます。演習の残りではもう不要です。
  7. [カタログ] ウィンドウで、[Exercise8] フォルダにある [topography_Terrain] フォルダに移動し、ArcGlobe の 3D ビューにドラッグして、マウス ボタンを放します。
  8. カタログ ウィンドウを使用して ArcGlobe にデータを追加します。
  9. [地理座標系に関する警告] メッセージ ボックスが表示されたら、[閉じる] をクリックします。
  10. データは、ArcGlobe の現在設定されている地理座標系システムに投影されます。
    [地理座標系に関する警告] ボックスが表示されることがあります。
    テレイン データセットは、標高ソースとして ArcGlobe のコンテンツ ウィンドウに自動的に追加されます。追加サーフェスをドレープするのに標高サーフェスとして使用すると、表示されなくなります。
  11. [カタログ] ウィンドウで、[3D_Default.gdb] ジオデータベースをクリックします。
  12. カタログのツリー ビューの下に表示されるパネルで、Shift キーを押しながらジオデータベースの内容を選択します。HillSha_terr1 と terrain_grd が選択されます。
  13. 選択したレイヤを両方、ArcGlobe の 3D ビューにドラッグして、マウス ボタンを放します。
  14. 3D デフォルト ジオデータベースからグローブのビューにレイヤをドラッグします。
  15. terrain_grd の [データの追加ウィザード] ダイアログ ボックスが表示されます。[完了] をクリックして、ラスタ化されたテレインを画像ソースとして使用します。
  16. ArcGlobe の [データの追加ウィザード]
  17. ダイアログ ボックスが表示され、ラスタ ピラミッドの作成を行うかどうかを聞いてきます。[はい] をクリックします。
  18. ピラミッドを構築して表示品質を向上させます。
  19. HillSha_terr1 の [データの追加ウィザード] ダイアログ ボックスが表示されます。[完了] をクリックして、陰影起伏ラスタを画像ソースとして使用します。
  20. ArcGlobe の [データの追加ウィザード] です。画像レイヤは、グローブ サーフェス上にドレープされます。標高レイヤは、ビューには表示されません。
    [地理座標系に関する警告] メッセージ ボックスが表示されたら、[閉じる] をクリックします。
    [地理座標系に関する警告] メッセージ ボックスを閉じます。
    陰影起伏ラスタとラスタ化されたテレイン レイヤは、コンテンツ ウィンドウにドレープ レイヤとして自動的に追加されます。
  21. [イメージ] レイヤをクリックして、新しいロケーションであることを示す黒いラインが陰影起伏の下に表示されるまで、ドラッグします。このラインが表示されたら、マウス ボタンを放します。
  22. [イメージ] レイヤをラスタ画像の下に移動して、ラスタ画像が表示されるようにします。
  23. ラスタ化されたテレインを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
  24. [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスを開きます。
  25. [シンボル] タブをクリックします。
  26. 適当な標高カラー ランプを使用して、ラスタ化されたテレインをシンボル表示します。
    テレインをシンボル表示します。
  27. [表示] タブをクリックします。
  28. 透過表示の設定を 50% にします。
  29. レイヤの透過表示を設定します。
  30. [OK] をクリックして [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。
  31. ラスタ化されたテレインを拡大して、ビュー内を移動します。
  32. ArcGlobe で拡大してラスタ化されたテレインを確認します。
    この透過表示設定によって、ラスタ化されたテレインを通して陰影起伏ラスタを見ることができます。テレイン データセットの 3D モーフォロジー サーフェスが表示されます。

ArcGlobe の表示設定を最適化する

表示を高品質にする方法がいくつかあります。テレインの [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスの [キャッシュ] タブに移動して、16 ビット圧縮のオプションをオフにします。これにより、拡大率を上げた場合にサーフェス ジオメトリが階段状に表示されます。

レイヤをダブルクリックして、[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスを開きます。[キャッシュ] タブを使用して、ラスタ データの設定を調整します。

また、両方のドレープ レイヤで共一次内挿法のレンダリングを使用するように設定することもできます。この設定では、ピクチャが滑らかに描画されます。陰影起伏ラスタでは、ストレッチを使用しないようにしてください。このデータには、標準偏差を使用するデフォルト設定は適していません。

ラスタの表示設定です。共一次内挿法レンダリングを使用してリサンプリングします。

テレイン データセットから作成されたドレープ ラスタを表示するもう 1 つの方法として、テレインを直接ドレープ レイヤとして追加することもできます。

これを行うには、コンテンツ ウィンドウで [グローブ レイヤ] を右クリックし、[データの追加][ドレープ データを追加] の順にクリックして、テレインを選択します。

ArcGlobe でドレープ レイヤとしてラスタを追加します。

この演習では、テレイン データセットの概念について学習しました。ジオプロセシング ツールを使用して、LIDAR ポイントと写真測量ブレークラインを、フィーチャ データセット内のフィーチャクラスに読み込みました。フィーチャ データセット内のサーフェス データを利用して、ArcCatalog のテレイン ウィザードでテレイン データセットを作成しました。そして、ArcMap と ArcGlobe でテレイン サーフェスを解析しました。


7/10/2012