ArcGIS Spatial Analyst チュートリアルについて

Esri ArcGIS に備わっている Spatial Analyst ツールを使用すれば、データに対して空間解析を実行できます。たとえば、「この場所の勾配はどのくらいか?」、「この場所はどの方向を向いているか?」など、単純な空間的質問に答えることができます。また、「新しい施設に最適な場所はどこか?」、「A から B までの移動において、コスト(移動負荷)が最も小さい経路は?」など、より複雑な空間分析も行えます。ArcGIS が提供する Spatial Analyst ツールの総合的なツールのセットにより、空間データを検討、解析して、空間課題に対するソリューションを見つけることができます。ツールは、ArcGIS Desktop アプリケーションの [Spatial Analyst] ツールボックスまたは Python ウィンドウから実行することができます。また、独自のカスタム ツール(モデルまたはスクリプト)を作成して、一連のツールを一度に実行することもできます。

Spatial Analyst の概要

チュートリアルのシナリオ

米国バーモント州のストウという町では、ここ数年人口が急激に増加しています。人口統計データを見ると、レクリエーション施設が充実しているこの地域へ多くのファミリー世帯が移転してきたためと考えられます。この人口増加に伴って既存の学校の生徒数が増えたことから、別の学校を新設することになりました。都市計画者であるあなたは、学校の建設用地として適切な場所を探す役目を負っています。

このチュートリアルでは、利用可能な多くのツールの使用方法を示し、ユーザ独自の空間に関する課題解決方法を考えるときの確かな基礎を提供します。

このチュートリアルを開始する前に、ArcGIS Desktop(ArcView、ArcEditor、または ArcInfo)および ArcGIS Spatial Analyst Extension がインストールされていることを確認してください。エクステンションの詳細は、「ArcGIS のエクステンションの使用」をご参照ください。

必要なデータは ArcGIS Desktop DVD(またはダウントードしたデータ内)に収められています。ArcGIS セットアップを実行した後、[追加のインストール コンポーネント(Additional Installation Components)] ダイアログ ボックスで [ArcGIS チュートリアル データ(ArcGIS Tutorial Data)] をオンにしてインストールします。[ArcGIS チュートリアル データのセットアップ(ArcGIS Tutorial Data Setup)] ウィザードで、Spatial Analyst データをインストールするよう設定します(デフォルトのインストール パスは C:\arcgis\ArcTutor\SpatialAnalyst です)。使用するデータセットは、バーモント州のご好意によりこのチュートリアルのために提供されたものです。チュートリアルのシナリオは架空のものであり、元のデータはチュートリアルに合わせて変更されています。

データセット

説明

Elevation(標高)

対象エリアの標高を表すラスタ データセット

Landuse(土地利用)

対象エリアの土地利用タイプを表すラスタ データセット

Roads(道路)

ストウ町の道路網を表すフィーチャクラス

Rec_sites(レクリエーション施設)

レクリエーション施設の場所を表すポイント フィーチャクラス

Schools(学校)

既存の学校の場所を表すポイント フィーチャクラス

Destination(目的地)

新しい道路としての最適経路を見つける際に使用する目的地を表すフィーチャクラス

このチュートリアルは次の複数の演習で構成されており、ArcGIS の Spatial Analyst 機能を各自のペースで習得できます。

このチュートリアルの所要時間は約 90 分です。これらの演習を 1 つずつ個別に実行することもできます。その場合は、指示に従って実行結果を保存してください。

関連項目


7/10/2012