格子線と経緯線レイヤの作成(Make Grids and Graticules Layer) (カートグラフィ)
サマリ
事前定義済みのカートグラフィック仕様に基づいて格子線フィーチャ、経緯線フィーチャ、および境界線フィーチャを描写し、フィーチャクラスのグループ レイヤを作成できます。グリッド レイヤは、縮尺/範囲固有の高度なグリッド定義に適しています。
各グリッド レイヤを構成する要素としては、マスク ポリゴン、クリップ ポリゴン、セグメント(ライン)、グリッドライン(1 つまたは複数)、目盛(ライン)、端点(1 つまたは複数)、ポイント(1 つまたは複数)、アノテーション フィーチャクラスなどがあります。これらのコンポーネントは、対応するフィーチャクラスにフィーチャとして保存されます。これらのフィーチャクラスは、ジオデータベース内の指定されたフィーチャ データセット内に保存されます。グリッドの基本コンポーネントを格納するフィーチャクラスには、7 種類があります。各フィーチャクラスは、それぞれが保持する格子線コンポーネントを識別するのに便利な、3 文字の接頭辞で名前が付けられています。フィーチャクラス/コンポーネントには、次の種類があります。
- ANO_ はアノテーション フィーチャクラスです。
- EPT_ は端点フィーチャクラスです。
- GLN_ はグリッドライン フィーチャクラスです。
- MSK_ はマスク フィーチャクラスです。
- PNT_ はポイント フィーチャクラスです。
- SEG_ はセグメント フィーチャクラスです。
- TKS_ はセグメント フィーチャクラスです。
これらのフィーチャクラスは、複数の格子線の情報を保持できます。8 番めのフィーチャクラス(GRD_)には、マップ名やグリッド タイプなどの体系的情報が格納されています。この情報は、グリッドを体系的に編成するために使用されます。
グリッド定義テンプレートは、事前定義済み XML ファイルに格納されます。このファイルには、各グリッドの仕様プロパティ(たとえば、グリッドラインの数、色、ライン ウェイト)が格納されています。定義テンプレートを適用した場合、現在の範囲または選択されたフィーチャの範囲(対象エリア)、縮尺および座標系に基づく仕様に従ってフィーチャが作成されます。
使用法
[格子線と経緯線レイヤの作成(Make Grids and Graticules Layer)] ツールは、投影マップを印刷またはエクスポートできるように設計されています。ユーザがマップをナビゲートしたときに動的に更新される、グリッドまたは経緯線の作成には適していません。
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作成するグリッド レイヤの範囲を指定するには、対象エリアを入力する必要があります。フィーチャ レイヤを使用して対象エリアを定義している場合は、ポリゴン フィーチャクラスまたはポリゴン レイヤである必要があります。
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[格子線と経緯線レイヤの作成(Make Grids and Graticules Layer)] ダイアログ ボックスで、[グリッド テンプレート(XML ファイル)] パラメータを定義した後、パラメータ名のすぐ左側のエリアにカーソルを合わせるかクリックして、定義済み XML グリッド定義テンプレートのグリッド タイプ、説明、回転タイプ、および縮尺タイプ情報を表示します。
グリッド テンプレート XML ファイルには、プライマリの座標系および補助座標系の計測値や位置が記述されたグリッド コンポーネントが指定されます。指定されたすべての座標系の間で、共通の地理座標系を共有している必要があります。プライマリの座標系を、デフォルト以外の測地基準系を用いた座標系に変更したい場合(たとえば、WGS 1984 を用いた座標系を、NAD 1983 を用いた座標系に変更する場合)、デフォルトの補助座標系をそれぞれ NAD 1983 に変更することも必要です。
グリッド テンプレート、対象エリア、入力フィーチャ データセット、およびプライマリの座標系や補助座標系のパラメータには、WGS 1984 や NAD 1983 など、同じデータを使用する必要があります。
グリッド テンプレート XML ファイルでは、最大 4 つの補助座標系に対するグリッド コンポーネントが作成されます。補助グリッドの数は XML ファイルで指定します。補助座標系の追加または削除はできませんが、デフォルト値を無効にすることはできます。
[プライマリの座標系] は投影座標系でなければなりません。
補助座標系は、投影座標系または地理座標系のどちらかです。
[入力フィーチャ データセット] の空間参照の地理座標系は、グリッド テンプレート XML ファイルで指定された空間参照と同じ地理座標系でなければなりません。
[任意のエリアを入力[フィーチャまたは範囲を指定]] の空間参照の地理座標系は、グリッド テンプレート XML ファイルで指定された空間参照と同じ地理座標系でなければなりません。
[グリッド設定を使用してデータ フレームとレイアウトを構成] チェックボックスをオンにした状態で ArcMap から [格子線と経緯線レイヤの作成(Make Grids and Graticules Layer)] ツールにアクセスすると、作成されたグリッドに最も適合するようにレイアウト上のデータ フレームが調整されます。データ フレームの座標系、縮尺、回転角度、サイズ、範囲およびクリッピングは、XML グリッド仕様と一致するように変更できます。[グリッド設定を使用してデータ フレームとレイアウトを構成します] チェックボックスのオン/オフが可能になるのは、[格子線と経緯線レイヤの作成(Make Grids and Graticules Layer)] ツールが ArcMap のレイアウト ビューから実行された場合でバックグラウンド実行されていない状態のときだけです。デフォルトでは、このチェックボックスがオフになります。オフの場合、データ フレーム プロパティが変更されません。
出力場所にある既存のグリッド名を指定すると、そのグリッドは上書きされます。
以下のパラメータ値は、グリッド テンプレート XML から自動的に取得されます。
- 出力レイヤ
- 文字列値のついた名前
- 基準縮尺
- 回転
- マスク サイズ
- XY 許容値
- プライマリ座標系
- 補助座標系
ただし、このデフォルト値はどれも、新しい値が指定されると無効になります。
構文
パラメータ | 説明 | データ タイプ |
in_template |
XML グリッド定義テンプレートには、各グリッド レイヤのグラフィックス プロパティの仕様が格納されています。この定義には、実行前は変更できないグラフィックス プロパティが設定されているだけでなく、パラメータとして公開されていて実行前に変更できる特定のデフォルト値も設定されています。 テンプレート ファイルは \ArcGIS\Desktop10.0\GridTemplates ディレクトリにあります。その他のグリッド テンプレートは、ArcGIS Resource Center から別途に入手、共有することが可能です。 ArcGIS Production Mapping エクステンションには、新しいテンプレートの作成や既存のテンプレートの変更ができる、グリッド デザイナが用意されています。 | File |
in_aoi |
作成されたグリッド レイヤの範囲を特定するために使用される、フィーチャ レイヤまたは x、y 範囲。
注意: このツールで有効な範囲オプションは、[デフォルト]、[以下の指定に一致]、または [表示領域に一致] だけです。それ以外のオプションを選択すると、エラーが発生します。 | Feature Layer; Extent |
input_feature_dataset |
フィーチャの格納先となるフィーチャ データセット。グリッド固有のフィーチャクラスがまだ存在しなければ、自動的に作成されます。そのようなフィーチャクラスがすでに存在している場合は、作成対象のグリッドと同じ名前およびタイプのグリッドも存在していて、上書きされます。 注意: 作成対象のグリッドと同じ名前およびタイプのグリッドは、GP 環境に関係なく常に上書きされます。 | Feature Dataset |
output_layer |
グリッド フィーチャ、経緯線フィーチャ、および境界線フィーチャを描写する、フィーチャクラスのグループ レイヤ。各グリッド レイヤを構成する要素としては、マスク ポリゴン、クリップ ポリゴン、セグメント(ライン)、グリッドライン(1 つまたは複数)、目盛(ライン)、端点(1 つまたは複数)、ポイント(1 つまたは複数)、アノテーション フィーチャクラスなどがあります。
注意: これはメモリ内のレイヤであり、ArcMap ドキュメント内に保存するか、またはレイヤ ファイルとして保存する必要があります。 | Group Layer |
name (オプション) |
作成されたカートグラフィック グリッドの名前。このグリッド名から、同じフィーチャ データセットおよびフィーチャクラス セットに格納されているグリッド同士を区別できます。カートグラフィック グリッド名の表記形式は、次のいずれかです。
| String; Field |
refscale (オプション) |
グリッドを作成、表示するための基準として用いる縮尺。XML グリッド定義ファイルから参照される基準縮尺が、[環境の使用] と定義されている場合、次の順に基準縮尺が導き出されます。
| Double |
rotation (オプション) |
グリッド コンポーネントの回転角度。回転によって、アノテーションをページと等しい高さに配置できます。指定しない場合、回転角度の計算に対象エリアのフィーチャが使用されます。XML グリッド定義ファイルから参照される回転タイプが [環境の使用] と定義されている場合、回転角度は次の順に導き出されます。
| Double |
mask_size (オプション) |
マスクは、図郭線の範囲の周囲に外部リングを形成するポリゴン フィーチャであり、座標ラベル用に確保された領域に収まるデータをマスクする際に用いられます。マスク サイズは、ポリゴン マスク フィーチャの幅をマップ単位またはページ単位で定義します。必要に応じて、座標ラベルを含めたサイズがマスク エッジの周囲に収まりきるように、データ フレームを変更してください。 | Linear unit |
xy_tolerance (オプション) |
距離単位で表される、ジオデータベース フィーチャ間の最小許容距離。この値は、XML 内に設定されている値からデフォルト設定されます。 座標の精度が低いデータには高い値を設定し、きわめて精度の高いデータには低い値を設定できます。設定済みの XY 許容値内にあるフィーチャは、一致すると見なされます。 | Linear unit |
primary_coordinate_system (オプション) |
グリッド テンプレート XML ファイルによって、プライマリの座標系および最大 4 つのまでの補助座標系の座標や位置が記述された、グリッド コンポーネントが作成されます。補助グリッドの数はファイルで指定します。補助座標系の追加または削除はできません。指定されたすべての座標系の間で、共通の地理座標系を共有している必要があります。プライマリの座標系を、デフォルト以外の測地基準系を用いた座標系に変更したい場合(たとえば、WGS 1984 を用いた座標系を、NAD 1983 を用いた座標系に変更する場合)、デフォルトの補助座標系をそれぞれ NAD 1983 に変更することも必要です。 これは、作成対象のグリッド レイヤのプライマリの座標系です。通常、最終製品またはデータ フレームの座標系になります。この座標系は投影座標系である必要があります。 | Spatial Reference |
configure_layout (オプション) |
データ フレーム設定値をグリッド レイヤと一致するように調整します。データ フレームの座標系、縮尺、回転角度、サイズ、範囲およびクリッピングは、整合性が確保されるように変更できます。[グリッド設定を使用してデータ フレームとレイアウトを構成します] チェックボックスのオン/オフが可能になるのは、[格子線と経緯線レイヤの作成(Make Grids and Graticules Layer)] ツールが ArcMap のレイアウト ビューから実行された場合でバックグラウンド実行されていない状態のときだけです。デフォルトでは、このチェックボックスがオフになります。
| Boolean |
ancillary_coordinate_system_1 (オプション) |
グリッド テンプレート XML ファイルによって、プライマリの座標系および最大 4 つのまでの補助座標系の座標や位置が記述された、グリッド コンポーネントが作成されます。補助グリッドの数はファイルで指定します。補助座標系の追加または削除はできません。指定されたすべての座標系の間で、共通の地理座標系を共有している必要があります。プライマリの座標系を、デフォルト以外の測地基準系を用いた座標系に変更したい場合(たとえば、WGS 1984 を用いた座標系を、NAD 1983 を用いた座標系に変更する場合)、デフォルトの補助座標系をそれぞれ NAD 1983 に変更することも必要です。 これは最初の補助座標系です。 | Spatial Reference |
ancillary_coordinate_system_2 (オプション) |
グリッド テンプレート XML ファイルによって、プライマリの座標系および最大 4 つのまでの補助座標系の座標や位置が記述された、グリッド コンポーネントが作成されます。補助グリッドの数はファイルで指定します。補助座標系の追加または削除はできません。指定されたすべての座標系の間で、共通の地理座標系を共有している必要があります。プライマリの座標系を、デフォルト以外の測地基準系を用いた座標系に変更したい場合(たとえば、WGS 1984 を用いた座標系を、NAD 1983 を用いた座標系に変更する場合)、デフォルトの補助座標系をそれぞれ NAD 1983 に変更することも必要です。 これは 2 番めの補助座標系です。 | Spatial Reference |
ancillary_coordinate_system_3 (オプション) |
グリッド テンプレート XML ファイルによって、プライマリの座標系および最大 4 つのまでの補助座標系の座標や位置が記述された、グリッド コンポーネントが作成されます。補助グリッドの数はファイルで指定します。補助座標系の追加または削除はできません。指定されたすべての座標系の間で、共通の地理座標系を共有している必要があります。プライマリの座標系を、デフォルト以外の測地基準系を用いた座標系に変更したい場合(たとえば、WGS 1984 を用いた座標系を、NAD 1983 を用いた座標系に変更する場合)、デフォルトの補助座標系をそれぞれ NAD 1983 に変更することも必要です。 これは 3 番めの補助座標系です。 | Spatial Reference |
ancillary_coordinate_system_4 (オプション) |
グリッド テンプレート XML ファイルによって、プライマリの座標系および最大 4 つのまでの補助座標系の座標や位置が記述された、グリッド コンポーネントが作成されます。補助グリッドの数はファイルで指定します。補助座標系の追加または削除はできません。指定されたすべての座標系の間で、共通の地理座標系を共有している必要があります。プライマリの座標系を、デフォルト以外の測地基準系を用いた座標系に変更したい場合(たとえば、WGS 1984 を用いた座標系を、NAD 1983 を用いた座標系に変更する場合)、デフォルトの補助座標系をそれぞれ NAD 1983 に変更することも必要です。 これは 4 番めの補助座標系です。 | Spatial Reference |
コードのサンプル
このスタンドアロン スクリプトは、カートグラフィック グリッドの作成に MakeGridsAndGraticulesLayer(格子線と経緯線レイヤの作成)ツールを使用する例を示しています。
# Name: MakeGridsAndGraticulesLayer.py # Description: Create grid for a selected area of interest in a file # geodatabase # Import system module import arcpy # Enabling logging of the results arcpy.logHistory = True # Enable background geoprocessing # arcpy.Command("force_run_in_background yes") #uncomment this to run the # GP tool in the background # Set overwrite outputs of geoprocessing operations to true arcpy.gp.overwriteOutput = 1 # Create a feature layer from the input area of interest feature class # to pass to the Selection geoprocess below arcpy.MakeFeatureLayer_management("C:/Base_Data/AOIs.gdb/QUAD_24K", "QUAD_24K") # Select a feature from the area of interest feature layer based on a # definiton query (this query, formatted for a file geodatabase, has # been adjusted for use in python, in particular the use of \ in # conjunction with the double quotes surrounding the field name in the # definition query) arcpy.SelectLayerByAttribute_management("QUAD_24K", "NEW_SELECTION", "\"MSNAME\" = 'Swift Minnesota'") # Set the values of the tool's parameters using one of the grid # defintion XML files located under the GridTemplates directory t = "C:/Program Files/ArcGIS/Desktop10.0/GridTemplates/Quad_24K_NAD83.xml" in_aoi = "QUAD_24K" input_feature_dataset = "C:/Python_Output/grid_layers.gdb/QUAD_24K" output_layer = "QUAD_24K_NAD83_Grid" name = "MSNAME" # Process: Make Grids and Graticules Layer (the '#' indicates use # default values) arcpy.MakeGridsAndGraticulesLayer_cartography(t, in_aoi, input_feature_dataset, output_layer, name, "#", "#", "#", "#", "#")
環境
- カートグラフィの座標系
XML グリッド定義ファイルが [環境の使用] と定義されている場合、[プライマリの座標系] パラメータと [補助座標系] パラメータにはこの設定値が使用されます。
- 基準縮尺
XML グリッド定義ファイルが [環境の使用] と定義されている場合、[基準縮尺] パラメータにはこの設定値が使用されます。
- XY 許容値
XML グリッド定義ファイルが [環境の使用] と定義されている場合、[XY 許容値] パラメータにはこの設定値が使用されます。