到達圏解析

到達圏とは

ArcGIS Network Analyst では、ネットワーク上の任意の場所の周囲に存在する到達圏を検索できます。ネットワーク到達圏は、アクセス可能なすべての道路(指定のインピーダンス内の道路)にまたがる領域です。たとえば、あるネットワーク上のポイントの 5 分間の到達圏には、そのポイントから 5 分以内に到達できるすべての道路が含まれます。

Network Analyst によって作成される到達圏は、アクセス性の評価にも役立ちます。同心状の到達圏は、インピーダンスによってアクセス性がどのように異なるかを示します。到達圏が作成されると、それを使用して、近隣に存在する人の人数、土地の面積などを特定することができます。

5 都市の周囲にある 2 時間、4 時間、および 6 時間の到達圏

ネットワークベースの到達圏の検索方法は、その他のネットワーク解析のワークフローと同様です。

ネットワーク解析ワークフローの詳細

到達圏解析レイヤ

到達圏解析レイヤには、到達圏解析のすべての入力、パラメータ、結果が格納されます。

到達圏解析レイヤの作成

到達圏解析レイヤを作成するには、[Network Analyst] ツールバーで [Network Analyst] [新規到達圏] の順にクリックします。

[Network Analyst] ツールバー

新しい到達圏解析レイヤを作成すると、それはその 6 つのネットワーク解析クラス(施設、ライン、ポリゴン、ポイント バリア、ライン バリア、およびポリゴン バリア)とともに [Network Analyst] ウィンドウに表示されます。

[Network Analyst] ウィンドウ

到達圏解析レイヤは、コンテンツ ウィンドウにもコンポジット レイヤとして表示されます。これには [到達圏] という名前が付けられますが、マップ ドキュメントに同じ名前のレイヤがすでに存在する場合は [到達圏 1]、それがすでに存在する場合は [到達圏 2] などのように連番で名前が付けられます。フィーチャ レイヤには 6 種類あり、これらにはそれぞれの [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスで変更できるデフォルト シンボルがあります。

コンテンツ ウィンドウの到達圏レイヤ

到達圏解析のクラス

次のセクションでは、各クラスの概要とそのプロパティの説明を示します。

ネットワーク解析クラスの詳細

施設クラス

このネットワーク解析クラスには、到達圏解析で施設として使用されるネットワーク ロケーションが格納されます。施設フィーチャ レイヤには、配置、未配置、およびエラーの 3 つのデフォルト シンボルがあります。施設レイヤのシンボルは、[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスで変更できます。

新しい到達圏解析レイヤが作成されるとき、施設クラスは空です。これは、ネットワーク ロケーションの追加時に挿入されます。到達圏を作成するには、少なくとも 1 つの施設が必要です。

施設のプロパティ

施設の入力フィールド

入力フィールド

説明

ObjectID

システムで管理される ID フィールド。

Shape

ネットワーク解析オブジェクトの地理的な位置を示すジオメトリ フィールド。

Name

ネットワーク解析オブジェクトの名前。

Attr_[Impedance]

(たとえば、Minutes 属性がネットワークのインピーダンスである場合は「Attr_Minutes」となります)

このプロパティは、施設のインピーダンスの値を格納します。このプロパティに値を追加すると、到達圏の範囲が狭まります。

たとえば、DriveTime 属性をインピーダンスとして使用して 3 つの施設の到達圏を検索する場合、施設で消費する時間を Attr_DriveTime プロパティに格納します。

たとえば、消防署の応答時間を表す到達圏を計算するとき、Attr_DriveTime に各消防署の出動時間(消防署の職員が適切な防護装備を身に付けて消防署を出発するまでの時間)を格納できます。消防署 1 の出動時間が 2 分で、消防署 2 の出動時間が 3 分であるとします。両方の消防署の 5 分間の到達圏を計算する場合、消防署 1 の実際の到達圏は 3 分間となります(5 分間のうち 2 分間が出動時間として必要になるため)。同様に、消防署 2 の実際の到達圏は 2 分間となります。

DriveTime 値の異なる到達圏

Breaks_[Impedance]

(たとえば、DriveTime 属性がネットワークのインピーダンスである場合は「Breaks_DriveTime」となります)

このプロパティには、各到達圏施設の異なるポリゴン閾値を格納します。つまり、2 つの施設がある場合、1 つの施設の 5 分間、10 分間、15 分間の到達圏ポリゴンを生成し、もう一方の施設の 3 分間、6 分間、9 分間、12 分間、15 分間の到達圏ポリゴンを生成することができます。

ポリゴン閾値の異なる、異なる施設の到達圏

Breaks_[Impedance] プロパティの値は、[デフォルトの閾値] 解析レイヤ設定を上書きします。Breaks_[Impedance] プロパティで値が指定されていない場合、施設の到達圏ポリゴンは、[デフォルトの閾値] 設定に基づいて生成されます。

ネットワーク ロケーション フィールド

  • SourceID
  • SourceOID
  • PosAlong
  • SideOfEdge

これらの 4 つのプロパティの組み合わせによって、オブジェクトが配置されているネットワーク上のポイントが示されます。

ネットワーク ロケーション フィールドの詳細

CurbApproach

CurbApproach プロパティは、車両が施設に到着する方向および施設から出発する方向を指定します。アプローチが車両の片側のみに制限されると、到達圏の範囲がさらに限定されます。

CurbApproach 値には、4 つのオプションがあります。

  • [Either side of vehicle(車両の両側)](0)- 施設が車両の右側または左側のどちらであっても到達圏は施設で開始または終了できます。

    この図は、車両が出発するときに施設が右側または左側にあることを示しています。

    [Either side of vehicle(車両の両側)] に設定された CurbApproach

  • [Right side of vehicle(車両の右側)](1)- 施設が車両の右側である場合に到達圏は施設で開始または終了できます。

    次の図は、車両が出発するときに施設が右側にあることを示しています。

    [Right side of vehicle(車両の右側)] に設定されている CurbApproach(右側通行の場合)

  • [Left side of vehicle(車両の左側)](2)- 施設が車両の左側である場合に到達圏は施設で開始または終了できます。

    次の図は、車両が出発するときに施設が左側にあることを示しています。

    [Left side of vehicle(車両の左側)] に設定された CurbApproach

  • [No U-Turn(U ターンなし)](3)- 到達圏の場合、このオプションは [Either side of vehicle(車両の両側)] と同じように機能します。

U ターン ポリシーの詳細

施設の入力/出力フィールド

入力/出力フィールド

説明

Status

このフィールドは、以下に示す値のドメインによって制約されます(それぞれのコード値は括弧内に示されています)。

  • [OK](0)– ネットワーク ロケーションは有効です。
  • [未配置](1)- ネットワーク ロケーションを特定できません。
  • [ネットワーク エレメントが配置されていません](2)- ネットワーク ロケーションが存在している必要のあるネットワーク エレメントが見つかりません。これは、ネットワーク エッジが削除されたにもかかわらず、ネットワーク ロケーションが再計算されなかった場合に発生する可能性があります。

解析が終了すると、以下のステータス値のいずれかを使用してステータスを変更できます。

  • [OK](0)- ネットワーク ロケーションは正常に評価されました。
  • [エレメントを通過できません](3)- ネットワーク ロケーションが存在しているネットワーク エレメントは通過できません。これは、ネットワーク エレメントが規制属性によって規制されている場合に発生する可能性があります。
  • [無効なフィールド名](4)- ネットワーク ロケーションのフィールド値が、解析レイヤのコード値ドメインまたは範囲ドメインから外れています。たとえば、正の数値が必要な場合に負の数値が存在しています。
  • [到着しませんでした](5)- 解析機能がネットワーク ロケーションに到達できません。

ポリゴン クラス

ポリゴン ネットワーク解析クラスには、結果として得られた到達圏ポリゴンが格納されます。その他のフィーチャ レイヤと同様に、フィーチャ レイヤの [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスからシンボルにアクセスできます。

新しい到達圏解析レイヤが作成されるとき、ポリゴン クラスは空です。これは、解析レイヤが解析されるときに設定されます。到達圏の計算が完了すると、フィーチャ レイヤにポリゴンが格納され、[Network Analyst] ウィンドウにリスト表示されます。

ポリゴンのプロパティ

ポリゴンの出力フィールド

出力フィールド

説明

ObjectID

システムで管理される ID フィールド。

Shape

内部で格納されるポリゴンのジオメトリ。

Name

到達圏ポリゴンの名前には、関連付けられた施設と閾値範囲を示す名前が使用されます。たとえば、「グラフィックス指定 1: 0.0 - 5.0」の場合は、グラフィックス指定 1 という施設から 5 分以内にトラバース可能なすべてのエッジを網羅したポリゴンを表すことになります。

FacilityID

関連付けられた施設の一意の ID。

FromBreak

ポリゴンの閾値範囲の下限値です。

ToBreak

ポリゴンの閾値範囲の上限値です。

ライン クラス

ライン クラスには、結果として得られた到達圏がライン フィーチャとして格納されます。これは、特定のインピーダンス内で到達できるネットワーク エッジを表します。到達圏はネットワークに沿った測定値に基づいているため、ラインは到達圏をより忠実に表します。

到達圏のラインは到達圏解析においてデフォルトで生成されないため、生成するオプションを選択する必要があります。到達圏解析レイヤの [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスの [ラインの生成] タブで [ラインの生成] をオンにします。

到達圏のライン フィーチャは、その他のライン フィーチャ レイヤと同様にシンボル化できます。

ラインのプロパティ

ラインの出力フィールド

出力フィールド

説明

ObjectID

システムで管理される ID フィールド。

Shape

内部で格納されるラインのジオメトリ。

FacilityID

関連付けられた施設の一意の ID。

FromCumul_[Impedance]

(たとえば、FromCumul_Miles または FromCumul_Minutes)

このフィールドには、施設からこのライン フィーチャの始点までのパスの累積コストが含まれます。この値には、ラインの始点での隣接ジャンクションのインピーダンスが取り込まれます。このフィールドは、インピーダンス属性および累積属性に対して生成されます。

ToCumul_[Impedance]

(たとえば、ToCumul_Miles または ToCumul_Minutes)

このフィールドには、施設からこのライン フィーチャの終点までのパスの累積コストが含まれます。ラインの終点での隣接ジャンクションのインピーダンスは、この値から除外されます。このフィールドは、インピーダンス属性および累積属性に対して生成されます。

SourceID

各到達圏ラインは、ネットワーク ソース フィーチャクラスのフィーチャを通過します。このフィールドでは、通過対象のフィーチャが属する、ソース フィーチャクラスの一意の ID を指定します。SourceID フィールドは、解析の前に [ネットワーク ソースのフィールドを含める] をオンにした場合にのみ表示されます。[ネットワーク ソースのフィールドを含める] チェックボックスは、[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスの [ラインの生成] タブにあります。

SourceOID

到達圏が通過する、基本となるソース フィーチャの ObjectID。SourceOID フィールドは、解析の前に [ネットワーク ソースのフィールドを含める] をオンにした場合にのみ表示されます。[ネットワーク ソースのフィールドを含める] チェックボックスは、[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスの [ラインの生成] タブにあります。

FromPosition

基本となるソース フィーチャに沿って、到達圏ラインが始まる場所を指定します。

  • 値が 0(ゼロ)の場合は、基本となるソース フィーチャの始点で到達圏ラインが始まることを示します。
  • 値が 1 の場合は、ソース フィーチャの終点で到達圏ラインが始まることを示します。
  • 0(ゼロ)と 1 の間の値は、基礎となるソース フィーチャに沿ってあるポイントでラインが開始することを示します。たとえば、値が 0.25 の場合、基礎となるソース フィーチャのデジタイズされた方向に沿って 25 パーセント前進したところでラインが開始することを示しています。

FromPosition フィールドは、解析の前に [ネットワーク ソースのフィールドを含める] をオンにした場合にのみ表示されます。このチェックボックスは、到達圏解析レイヤの [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスの [ラインの生成] タブにあります。

ToPosition

基本となるソース フィーチャに沿って、到達圏ラインが終了する場所を指定します。

  • 値が 0(ゼロ)の場合は、基本となるソース フィーチャの始点で到達圏ラインが終わることを示します。
  • 値が 1 の場合は、ソース フィーチャの終点で到達圏ラインが終わることを示します。
  • 0(ゼロ)と 1 の間の値は、基礎となるソース フィーチャに沿ってあるポイントでラインが終了することを示します。たとえば、値が 0.25 の場合、基礎となるソース フィーチャのデジタイズされた方向に沿って 25 パーセント前進したところでラインが終了することを示しています。

ToPosition フィールドは、解析の前に [ネットワーク ソースのフィールドを含める] をオンにした場合にのみ表示されます。このチェックボックスは、到達圏解析レイヤの [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスの [ラインの生成] タブにあります。

ポイント、ライン、およびポリゴン バリア

バリアは、ネットワークの構成要素を一時的に規制したり、それにインピーダンスを追加したり、そのインピーダンスをスケーリングしたりするのに使用します。新しいネットワーク解析レイヤが作成されるとき、バリア クラスは空です。バリアは、それにオブジェクトを追加するときにのみ設定されます(バリアを追加することは必須ではありません)。

バリアは、すべてのネットワーク解析レイヤで使用可能です。したがって、バリアについては、別のトピックで説明されています。

バリアの詳細

到達圏の解析パラメータ

解析パラメータの設定は、解析レイヤの [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスで行います。このダイアログ ボックスには、いくつかの方法でアクセスできます。

ネットワーク解析レイヤの [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスを開く方法の詳細

[解析の設定] タブ

ここでは、解析レイヤで設定できるパラメータについて説明します。これらのパラメータは、解析レイヤの [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスの [解析の設定] タブで設定できます。

[解析の設定] タブ

インピーダンス

到達圏決定時に累積されるインピーダンスとして、任意のコスト属性を選択できます。たとえば、Minutes 属性を選択すると、時間に基づいて到達圏が出力されます。

コスト属性の詳細

規制

解析の実行中に適用される必要のある規制属性を選択できます。一方通行に従う必要のある車両(たとえば、緊急車両以外の車両)を対象とするソリューションの検索には、一方通行(Oneway)などの規制が使用されます。ネットワーク データセットに重量規制や高さ規制などの追加の規制属性が含まれる場合は、それらの規制も使用できます。

規制の詳細

規制属性は動的属性と共に使用できます。たとえば、車高がトンネルより高い場合は、エッジを規制することが可能です。

パラメータ化された属性を使用したルーティングの詳細

デフォルトの閾値

計算する到達圏の範囲は、[デフォルトの閾値] テキスト ボックスで指定します。たとえば、デフォルトの閾値を 10 に設定すると、施設から 10 単位(分、マイルなど)の到達圏が作成されます。この単位は、Impedance プロパティのコスト属性によって決定されます。

10 分間の到達圏ポリゴン

[デフォルトの閾値] プロパティは、施設の Breaks_[Impedance] 値が null であるときに使用されます。AB という 2 つの施設があり、DriveTime をインピーダンスとして到達圏を検索すると仮定します。施設 A の Breaks_[Impedance] プロパティ(この場合は Breaks_DriveTime)の値は 3 で、施設 B の Breaks_DriveTime には値が設定されていません。デフォルトの閾値が 5 分間の場合、施設 B では 5 分間の到達圏が検索され、施設 A では 3 分間の到達圏が検索されます。

到達圏解析

注意注意:

デフォルトの閾値のパラメータは、閾値が個別に割り当てられていない(Break_[Impedance] プロパティに値が設定されていない)施設に閾値を割り当てます。

複数の閾値を設定することで、同心状の到達圏を生成できます。たとえば、同一施設の 2 分間、3 分間、5 分間の到達圏を検索する場合は、[デフォルトの閾値] テキスト ボックスに「2 3 5」と入力します(2、3、5 の間は空白文字で区切ります)。

2、3、および 5 分間の到達圏ポリゴン

方向

インピーダンスを累積することで施設から出発する方向の到達圏を作成するか、または施設へ向かう方向の到達圏を作成するかを選択できます。一方通行の規制が適用されたネットワークで、進行方向により異なるインピーダンスを設定すると、異なる到達圏が検索されます。方向は、到達圏解析の目的に応じて選択する必要があります。たとえば、宅配ピザの到達圏の場合、ピザは店舗から顧客に配達されるため、施設からの方向で検索を行います。また、病院の到達圏の場合、搬送患者の緊急移動は病院に向かう方向だけであり、その後しばらくは自宅に戻ることはないので、施設に向かう方向で検索を行います。

ジャンクションでの U ターン

ArcGIS Network Analyst では、U ターンをすべての場所で許可、どの場所でも許可しない、袋小路(行き止まり)のみで許可、または交差点と袋小路のみで許可するように設定できます。U-ターンを許可するということは、車両がジャンクションで方向転換し、同じ道路を引き返すことができるということを意味します。

U ターン ポリシーの詳細

無効なロケーションを除外

このプロパティを使用すると、無効なネットワーク ロケーションを除外でき、有効なネットワーク ロケーションのみから解析レイヤを解決できます。このオプションがオフになっており、ネットワーク ロケーションが未配置である場合は、解析が失敗する可能性があります。いずれの場合も、解析では無効なロケーションは無視されます。

[ポリゴンの生成] タブ

ポリゴンの生成

このオプションは、デフォルトで有効になっています。これを無効にすると、ポリゴンを生成することなく到達圏を計算できるようになります([ラインの生成] タブの [ラインの生成] チェックボックスをオンにすることで、ポリゴンの代わりに、またはポリゴンに加えて、到達圏を作成できます)。

ポリゴン タイプ

単純化されたポリゴンを高速に生成するか、詳細なポリゴンを生成するかを選択できます。

  • [単純化ポリゴン] - 単純化されたポリゴンは高速に生成されます。末端部分以外では適度な精度もあります。ポリゴンを単純化すると、島状の未到達のエレメントがカバーされます。
  • [詳細] - 詳細なポリゴンは、到達圏ラインを正確にモデリングします。未到達の領域が島状に残される場合があります。詳細ポリゴンは単純化ポリゴンより生成に時間がかかると考えてください。
  • [ポリゴンの切詰め] - 到達圏ポリゴン内の外側にあるエッジから指定距離以内に収まるように、ポリゴンの外周を切詰めます。デフォルトでは、この値は 100 メートルです。

格子状の道路網を持つ市街地のデータであれば、単純化されたポリゴンと詳細なポリゴンの違いはあまりありません。山間部や地方の道路では、一般的に、単純化されたポリゴンよりも詳細なポリゴンのほうがはるかに高い精度を提供します。

複数の施設

複数の施設のポリゴンの生成に使用できるオプションには 3 つあります。

  • [オーバーラップを許可] - このオプションを選択した場合、施設ごとに異なるポリゴンが生成されます。各ポリゴンは重なり合うことができます。
  • [オーバーラップを許可しない] - このオプションを選択した場合、施設ごとに最寄りの異なるポリゴンが生成されます。各ポリゴンは重なり合うことはありません。
  • [ブレークによりポリゴンをマージ] - このオプションを選択した場合、同じブレーク値を持つ複数の施設のポリゴンが結合されます。

オーバーラップ タイプ

同心状の到達圏ポリゴンのタイプをディスク状、またはリング状から選択できます。

  • [リング] - より小さなブレーク値の領域は含まれません。連続するブレーク値の間のポリゴンが生成されます。
  • [ディスク] - 施設からブレーク値に向かうポリゴン。5 分間と 10 分間の到達圏を生成する場合、5 分間の到達圏ポリゴンと、ブレーク値が 5 分間から 10 分間までの領域は、10 分間の到達圏ポリゴンに含まれます。

除外するソース

マルチモーダル ネットワークでの到達圏解析では、到達圏を生成するときにソース フィーチャクラスを除外するオプションを使用できます。除外するエッジ ネットワークに含まれるフィーチャのジオメトリは、すべての到達圏ポリゴンから削除されます。

たとえば、複合ネットワークでドライブタイムの到達圏を作成する場合、ポリゴン生成から線路を除外するように選択すると、車両が通行できるモデルが正確に生成されます(自動車は線路を通行できないため)。線路のソースを除外しない場合、通行できない線路のラインによって、到達圏ポリゴンに未到達の領域が生じる可能性があります。

到達圏ポリゴンからネットワーク ソースを除外しても、そのソースの通行が防止されるわけではありません。到達圏ポリゴンからソースを除外した場合、到達圏のポリゴンの形状のみに影響が生じます。特定のネットワーク ソースの通行を防止するには、ネットワーク データセットの定義時に適切な規制を設定する必要があります。

[ラインの生成] タブ

ラインの生成

[ラインの生成] チェックボックスをオンにすると、指定したインピーダンス内に到着できるフィーチャに基づいて到達圏ラインを生成できます。デフォルトでは、このチェックボックスはオフになっています。

メジャーの生成

このチェックボックスをオンにすると、到達圏ラインのメジャーが生成されます。これにより、イベントのダイナミック セグメンテーションなど、到達圏ラインの機能で使用できるリニア リファレンス情報が出力ラインに追加されます。

リニア リファレンスの詳細

ブレークでラインをスプリット

このチェックボックスをオンにすると、ブレークと交差するすべてのラインが 2 つのラインにスプリットされます。

ネットワーク ソースのフィールドを含める

到達圏エッジが通過する入力フィーチャの SourceID、SourceOID、FromPosition、および ToPosition の値を追加します。これにより、到達圏ラインの結果を元のソース データに簡単に結合できます。

オーバーラップ オプション

ラインを重ねるかどうかを選択できます。

[オーバーラップを許可] を選択した場合、2 つの施設の到達圏ラインが一致しても、施設の到達圏ラインごとに、合計 2 つのフィーチャが存在します。[オーバーラップを許可しない] を選択した場合、到達圏ラインは 1 つだけとなり、最も近い(インピーダンスが低い)施設に関連付けられます。

[累積] タブ

[累積] タブでは、到達圏のライン オブジェクトに累積されるコスト属性をネットワーク データセットから選択できます。これらの累積属性は、参考情報としてのみ使用されます。解析は、解析レイヤの [インピーダンス] パラメータで指定されているコスト属性のみを使用して到達圏を計算します。

累積されるコスト属性ごとに、FromCumul_[Impedance] および ToCumul_[Impedance] の 2 つのフィールドが出力ラインに追加されます。

[ネットワーク ロケーション] タブ

[ネットワーク ロケーション] タブのパラメータは、ネットワーク ロケーションを検索し、そのプロパティの値を設定するのに使用されます。

ネットワーク ロケーションの詳細

関連項目


7/10/2012