FGDC メタデータの作成と管理

複雑さ: 初心者 データ要件: 独自のデータの使用

FGDC(Federal Geographic Data Committee)の CSDGMContent Standard for Digital Spatial Metadata)はよく知られたメタデータ規格であり、北米のみならず世界中で長年にわたって使用されています。このタイプのメタデータは、ArcGIS Desktop 9.3.1 ではデフォルトで作成されていました。

ArcGIS Desktop 10.0 では、メタデータ エディタの再設計により、複数のメタデータ規格に対応したコンテンツを作成できるようになりました。メタデータの編集方法は ArcGIS Desktop 9.3.1 と異なりますが、FGDC メタデータの作成、表示、編集、インポート、エクスポート、および公開は引き続き可能です。このガイドでは、これらのワークフローを説明し、現行バージョンの ArcGIS Desktop で FGDC メタデータの作成と管理を行えるように支援します。

FGDC CSDGM メタデータを作成するための ArcGIS Desktop の設定

最初のステップでは、FGDC メタデータを作成できるように ArcGIS Desktop を設定します。そのために、任意の ArcGIS Desktop アプリケーションの [オプション] ダイアログ ボックスで適切なメタデータ スタイルを選択します。

手順:
  1. ArcGIS Desktop アプリケーションの [オプション] ダイアログ ボックスを開きます。
    • ArcMap で [カスタマイズ] [ArcMap オプション] の順にクリックします。
    • ArcCatalog で [カスタマイズ] [ArcCatalog オプション] の順にクリックします。
    • ArcGlobe で [カスタマイズ] [ArcGlobe オプション] の順にクリックします。
    • ArcScene で [カスタマイズ] [ArcScene オプション] の順にクリックします。

    [オプション] ダイアログ ボックスが表示されます。

  2. [メタデータ] タブをクリックします。
  3. [メタデータ スタイル] リストの [FGDC CSDGM メタデータ] をクリックします。

    FGDC メタデータ スタイルを選択します

  4. [OK] をクリックします。
    注意注意:

    新しいメタデータ スタイルを選択する際に [説明] タブを使用すると、この変更の結果はすぐに表示されません。ArcCatalog または [アイテム説明] ウィンドウの別のタブをクリックし、新しいメタデータ スタイルの [説明] タブを再度クリックして有効にします。

アイテムの完全なメタデータの表示

ArcGIS が FGDC CSDGM メタデータ スタイルを使用できるように設定されていれば、アイテムの簡単な説明の下に [ArcGIS メタデータ] という見出しが表示されます。

簡単な説明の下にアイテムの完全なメタデータが表示されます

ArcGIS 10.0 以降では、ArcGIS メタデータという新しい内部形式でメタデータ コンテンツを保存します。[説明] タブを使用して作成および管理されているメタデータ コンテンツが、[ArcGIS メタデータ] の見出しの下に表示されます。最初は [ArcGIS メタデータ] の見出しの下に多くの情報が表示されるわけではありません。表示されるのは次の情報です。

ArcGIS 9.3.1 FGDC メタデータ エディタを使用して入力されたコンテンツは、[FGDC メタデータ(読み取り専用)] の見出しの下に表示されます。これには、FGDC メタデータ エディタ アドインを使用して入力されたすべてのコンテンツが含まれます。

既存のメタデータのアップグレード

ArcGIS 9.3.1 FGDC メタデータ エディタを使用して作成されたメタデータのコンテンツを現行バージョンの ArcGIS Desktop で管理するには、まず [メタデータのアップグレード(Upgrade Metadata)] ツールを使用してアイテムのメタデータをアップグレードする必要があります。このプロセスでは、既存の FGDC コンテンツがすべて適切な ArcGIS メタデータのエレメントにコピーされます。

既存の FGDC 形式のメタデータがあるアイテムを表示するとすぐに、このアイテムを [説明] タブで使用するには ArcGIS メタデータ形式にアップグレードする必要があることが通知されます。

9.3.1 FGDC メタデータがある場合、アップグレードしなければ [説明] タブで編集できません

[はい] をクリックして、既存の FGDC メタデータ コンテンツを直ちにアップグレードします。[メタデータのアップグレード(Upgrade Metadata)] ツールが開き、[アップグレード タイプ] は自動的に FGDC_TO_ARCGIS に設定されます。

後でアップグレードしたい場合は [いいえ] をクリックします。[説明] タブ[アップグレード] ボタン メタデータのアップグレード が利用可能になります。このボタンを後で使用し、アイテムのメタデータをアップグレードすることができます。アイテムのメタデータがアップグレードされるまで、[説明] タブの FGDC メタデータ コンテンツの作成および管理はできません。

この通知と [アップグレード] ボタン メタデータのアップグレード は、次のすべてが該当する場合に表示されます。

この通知または [更新] ボタン メタデータのアップグレード[説明] タブに表示されず、アイテムの FGDC 形式のメタデータがまだアップグレードされていない場合は、[メタデータのアップグレード(Upgrade Metadata)] ツールを検索し、以下の手順に従ってツールを実行してください。この状態は、ArcGIS Desktop 10.0 の既知の問題(Service Pack 3 で修正済み)によって発生する可能性があります。アイテムの FGDC 形式のメタデータが以前のリリースの ArcGIS Desktop 10.0 でアップグレードされている場合は、以下の手順に従ってアイテムのメタデータを再度アップグレードすることができます。2 回めのアップグレードは、アップグレード済みのメタデータをまだ [説明] タブで編集していない場合のみ実行するようにしてください。編集内容はアップグレード処理で破棄されます。

手順:
  1. [ジオプロセシング] [ツールの検索] の順に選択します。

    検索ウィンドウが開きます。

  2. [検索] テキスト ボックスに「アップグレード」と入力します。「アップグレード」という用語を含むツールがリストに表示されます。リストにある [メタデータのアップグレード(変換)] をクリックします。

    [メタデータのアップグレード] ツールが検索結果に表示されます。

    検索結果にあるツール名をクリックして、ツールを開きます。

  3. 検索結果にある [メタデータのアップグレード(変換)] をクリックして、このツールを開きます。
  4. メタデータをアップグレードする必要のあるアイテムを、ツールのダイアログ ボックスの [ソース メタデータ] パラメータにドラッグ&ドロップします。
  5. [アップグレード タイプ] リストで [FGDC_TO_ARCGIS] をクリックします。

    アップグレード タイプが FGDC_TO_ARCGIS の既存の 9.3.1 FGDC メタデータをアップグレードし、ArcGIS 10 で編集します

  6. [OK] をクリックします。

メタデータをアップグレードする必要のあるアイテムが多数ある場合は、このツールバッチ モードで実行するか、適切な Python スクリプトを作成することによって、すべてのメタデータを一度にアップグレードすることができます。[メタデータのアップグレード] ツールは、[メタデータ] ツールセットの [変換] ツールボックスにあります。

アップグレード後も、前の 9.3.1 FGDC メタデータのコンテンツは削除されないため、[説明] タブでアイテムのメタデータを参照すると、[ArcGIS メタデータ] の見出しと [FGDC メタデータ(読み取り専用)] の見出しの下に同じ情報が表示されます。ただし、[説明] タブでメタデータを編集すると、変更内容は [ArcGIS メタデータ] の見出しの下だけに反映されます。[FGDC メタデータ(読み取り専用)] の見出しの下のコンテンツは、属性の説明を除いて実質的に読み取り専用です。

説明タブでの FGDC メタデータのコンテンツの編集

現行バージョンの ArcGIS Desktop でアイテムの基本的な FGDC メタデータを作成するには、以下の手順に従います。この情報は、FGDC メタデータのコンテンツの最小必須セットを対象にしています。

メタデータ エレメントにどのような情報が提供されているか不明な場合は、その入力コントロールの上にポインタを合わせます。エディタの下部に、どのような情報を入力すべきかを説明したヘルプ文字列が表示されます。

コントールの上にポインタを合わせると、そのメタデータ エレメントのヘルプが表示されます。

手順:
  1. [説明] タブ[編集] ボタンメタデータの編集 をクリックします。

    [編集] ボタンが表示されない場合は、このアイテムのメタデータを編集する権限がないため、このタスクを完了できません。共有ネットワーク ロケーションまたはアイテムのファイルが読み取り専用か、ジオデータベース内でこのアイテムのデータを編集する権限がない可能性があります。

    メタデータ エディタのコンテンツ ウィンドウに、メタデータのコンテンツの編集に使用できるページのリストが示されます。

  2. [アイテムの説明] ページで、そのアイテムのタイトル、要約、目的を入力し、アイテムの使用に関する制約を明記します。[タイトル] テキスト ボックスにタイトルを、[説明(概要)] テキスト ボックスに概要を、[サマリ(目的)] テキスト ボックスに目的を入力します。

    [アイテムの説明] ページにメタデータの要約と説明を入力します

    使用制限を [使用制限] テキスト ボックスに入力することもできます。このアイテムに関連付けられた使用制限がない場合は、[使用制限] テキスト ボックスを空白のままにしておきます。使用制限が指定されていない場合は、メタデータを FGDC 形式の XML ファイルにエクスポートしたときに、「なし」というテキストが自動的に FGDC Use Constraints エレメントに追加されます。

    [アイテムの説明] ページで使用制限を入力します

  3. [トピックとキーワード] ページで、[主題キーワード] の見出しがない場合は [新規主題キーワード] をクリックします。[新規主題キーワード] テキスト ボックスで、キーワードのリストを各行に 1 キーワードずつ入力します。シソーラスからのキーワードは、その名前を [シソーラス引用] の下にある [タイトル] テキスト ボックスに入力します。シソーラスからのキーワードでない場合は、[シソーラス引用] のセクションは空白のままにします。シソーラス引用が指定されていない場合は、メタデータを FGDC 形式の XML ファイルにエクスポートしたときに、「なし」というテキストが自動的に FGDC Theme Keyword Thesaurus エレメントに追加されます。

    各行にキーワードを 1 つずつ入力します

  4. [引用] ページで、入力済みのタイトルがページ上部に表示されます。[日付] をクリックします。[公開] の横にあるカレンダー アイコンをクリックし、適切な公開日を選択します。

    日付を選択して、重要なイベントがいつ発生したかを示します

    カレンダーで、矢印を使用して月をスクロールするか、最上部で月と年をクリックし、リストから選択します。カレンダーの最上部でもう一度年をクリックし、年のリストから選択します。

    カレンダーの見出しをクリックして月のリストを表示します月のリストの上の年をクリックして年のリストを表示します

    選択した日付がページ上に表示されます。情報が重要であれば、アイテムが公開された時刻を特定することもできます。上向き矢印と下向き矢印をクリックして時間を設定するか、時間をクリックして適切な数字を入力します。分と秒を設定するには、時刻の該当する部分をクリックして、適切な数字を入力します。

    必要に応じて、日付に伴う時刻を入力します

  5. [引用の問い合わせ先] ページで、[新規問い合わせ先] をクリックし、[役割] リストの [創作者] をクリックします。[名前] または [組織] テキスト ボックスに適切な値を入力して、アイテムの創作者となる個人または組織を指定します。メタデータをアップグレードしたときに、オリジナルの作成者の問い合わせ先が作成された場合は、個人名が [組織] テキスト ボックスに設定されている可能性がありますが、ここで修正できます。

    引用の問い合わせ先の役割は、問い合わせ先と引用されるアイテムの関係を示します

  6. 問い合わせ先が存在しない場合は、[メタデータ] の見出しの下の [問い合わせ先] ページで、[新規問い合わせ先] をクリックします。すべての問い合わせ先関連情報も含めて、アイテムのメタデータの接点を明確にします。組織が指定された場合、これは情報が FGDC 形式の XML ファイルにエクスポートされるときに主な問い合わせ先と見なされます。

    [メタデータ] の見出しの下の [問い合わせ先] ページで、メタデータの問い合わせ先を指定します

  7. ステータスが存在しない場合は、[リソース] の見出しの下の [詳細] ページで、[新規ステータス] をクリックします。[ステータス] リストでアイテムの状況を示す適切な値を選択します。

    [リソース] の見出しの下の [詳細] ページでアイテムのステータスを指定します

  8. [範囲] ページでは、アイテムが空間データを含む場合、その範囲を示した境界ボックスが自動的にメタデータに追加されています。ArcGIS Desktop 9.3.1 で手動で指定された境界ボックスもアップグレードされている可能性があります。アイテムのメタデータに空間範囲がまだ含まれていない場合は、[新規範囲] をクリックし、[範囲] の見出しの下で [新規バウンディング ボックス] をクリックします。アイテムの境界ボックスの適切な座標を指定します。

    アイテムの最小境界範囲を指定してアイテムのおおまかな位置を示します

    FGDC 形式のメタデータをアップグレードすると、[コンテンツの有効期間] の情報は、時間範囲情報のみが含まれる別の範囲セクションに保存されます。現行バージョンの ArcGIS Desktop でアイテムのメタデータを新しく作成するときには、時間範囲と空間範囲を 1 つのセクションにまとめることができます。[説明] テキスト ボックスにアイテムの空間データがどのくらい最近のものであるかを入力し、[範囲] の見出しの下にある [新規時間範囲] または [新規即時範囲] のどちらかをクリックして、リソースに適切な日付または日付範囲を指定します。必要に応じて、個別の日付を多数指定することができますが、日付ごとに発生した事項を説明する必要があります。

    アイテムの空間データがどのくらい最近のものであるかを入力します

    各日付について、カレンダー コントロールをクリックして適切な日付を選択し、必要に応じて時刻を指定します。年、月、および日を指定する必要があります。FGDC 形式のメタデータに年しか含まれていない場合、ArcGIS メタデータに保存される値はその年の 1 月 1 日になります。既存のメタデータに年と月しか含まれていない場合、ArcGIS メタデータに保存される値はその月の 1 日になります。アイテムのデータが 6 月に収集されている場合、説明には開始日と終了日をその月の開始日と終了日にした時間範囲を指定します。アイテムが 1998 年に公開されたことしかわからない場合は、開始日と終了日をその年の開始日と終了日にした時間範囲を指定します。データの時間範囲について不明な点は、範囲の [説明] または適切なデータ品質 レポート[品質] ページで説明することができます。

  9. [リソース] の見出しの下の [管理] ページで、[更新頻度] リストの適切な値をクリックし、アイテムが更新される頻度を示します。

    [リソース] の見出しの下の [管理] ページでアイテムのデータ更新頻度を入力します

  10. [アイテム説明] ページで指定したものと同じ使用制限を、[使用制限] テキスト ボックスの [一般制限] セクションの [制限] ページでも利用できます。この情報を [アイテム説明] ページで指定していない場合は、ここで [新規一般制限] をクリックしてから [新規使用制限] をクリックして指定することができます。このアイテムに関連付けられた使用制限がない場合は、[使用制限] テキスト ボックスを空白のままにしておきます。使用制限が指定されていない場合は、メタデータを FGDC 形式の XML ファイルにエクスポートしたときに、「なし」というテキストが自動的に FGDC Use Constraints エレメントに追加されます。

    [リソース] の見出しの下の [制限] ページで、アイテムの使用に関する制限を指定します

    アイテムに関連付けるアクセス制限は、このページの [その他の制限] テキスト ボックスで指定することもできます。[法的制限] セクションがこのページにまだ表示されていない場合は、[新規法的制限] をクリックしてから、[新規その他の制限] をクリックします。このアイテムに関連付けられたアクセス制限がない場合は、[その他の制限] テキスト ボックスを空白のままにしておきます。アクセス制限が指定されていない場合は、メタデータを FGDC 形式の XML ファイルにエクスポートしたときに、「なし」というテキストが自動的に FGDC Access Constraints エレメントに追加されます。

    [リソース] の見出しの下の [制限] ページでアイテムへのアクセスに関する制限を指定します

    注意注意:

    アイテムの既存の 9.3.1 メタデータを ArcGIS Desktop 10.0 Service Pack 2 またはそれ以前でアップグレードしている場合は、使用制限とアクセス制限が異なってアップグレードされている可能性があります。アップグレードされたコンテンツはそのままでも構いません。ただし、使用制限の内容が上記のようになっていない場合は、現行バージョンの ArcGIS Desktop で使用制限の公開と検索ができません。「アクセス制限」や「使用制限」などの値に追加された語句は削除してもかまいません。

  11. インターネット上でアイテムにアクセスできる場合は、[配布] ページで、このオンライン ロケーションへのリンクを指定します。たとえば、レイヤまたはマップのパッケージを作成し、それを ArcGIS の Web サイトで共有することができます。その後、パッケージを取得できる URL を参照するように、アイテムのローカル コピーのメタデータを更新します。[配布] ページの最上位レベルで、[デジタル交換オプション] の見出しがない場合は [新規デジタル交換オプション] をクリックします。[デジタル交換オプション] の見出しの下で、[新規オンライン リソース] をクリックします。[リンケージ] テキスト ボックスに適切な URL を入力します。

    [配布] ページで、アイテムにアクセスするためのインターネット アドレスを指定します。

  12. [保存] をクリックして変更内容を保存します。

    このときに、メタデータの日付は自動的に更新されます。[説明] タブ[ArcGIS メタデータ] の見出しの下で、すべての変更内容を確認できます。

[メタデータの標準名] のような一部の必須 FGDC メタデータ エレメントは [説明] タブでは編集できません。これは、この情報が ArcGIS メタデータ スタイルに従って自動的に処理されるからです。

上記の情報は、FGDC メタデータの最小限の必須コンテンツのみを対象にしています。FGDC メタデータの完全なコンテンツは、現行バージョンの ArcGIS を使用して、「完全な FGDC メタデータの図説ガイド」の手順に従って作成することができます。

ArcGIS メタデータの FGDC 形式の XML ファイルへのエクスポート

メタデータ コンテンツを作成した後に、アイテムに関する情報を geodata.gov などのサイトを通じて他のユーザと共有したい場合は、サイトに公開できる FGDC に準拠した XML ファイルにそれをエクスポートする必要があります。

手順:
  1. [説明] タブの [エクスポート] ボタンメタデータのエクスポート をクリックします。
    [メタデータのエクスポート] ツールのダイアログ ボックスが開きます。[ソース メタデータ] パラメータは自動的にアイテムのロケーションに設定されます。[トランスレータ] パラメータは自動的に ARCGIS2FGDC.xml トランスレータに設定されます。このトランスレータは、適切な ArcGIS メタデータ エレメントから情報を取得し、それを FGDC XML ファイルに編成する方法を認識しています。
  2. [出力ファイル] パラメータに、エクスポートされる FGDC 形式の XML ファイルの適切な名前を入力します。

    [説明] タブのメタデータ コンテンツを [エクスポート] ボタンでエクスポートします

  3. [OK] をクリックします。

エクスポートされた FGDC XML ファイルの Geodata.gov への公開

エクスポートされた XML ファイルは、サイトに登録し、ログインした後 geodata.gov にアップロードできます。[メタデータのアップロード] オプションを選択します。

共有するアイテムおよびそのメタデータを継続的に更新していて、メタデータの更新を定期的に公開したい場合は、適切なアイテムから FGDC メタデータを Web アクセス可能なフォルダにエクスポートする Python スクリプトを作成し、自動化することができます。Geodata.gov はこのロケーションから定期的にそのメタデータを取得します。

その他の FGDC メタデータ ファイルの作成

場合によっては、FGDC 形式のテキストおよび HTML ファイルを使用してメタデータを他のユーザに提供することが必要になります。それらのファイル形式や、従来から FGDC メタデータで使用されてきたファイル形式を、[USGS MP メタデータ トランスレータ(USGS MP Metadata Translator)] ツールを使用して、上記のようなエクスポートされた FGDC 形式の XML ファイルから生成することができます。このツールは、[メタデータ] ツールセットの [変換] ツールボックスにあります。FGDC 形式の HTML ファイルの作成手順を以下に示します。

このツールは、mp と呼ばれる USGS メタデータ構文解析プログラム ユーティリティを使用します。mp のコピーは ArcGIS Desktop で提供され、このツールによって使用されます。

手順:
  1. [ジオプロセシング] [ツールの検索] の順に選択します。

    検索ウィンドウが開きます。

  2. [検索] テキスト ボックスに「usgs mp」と入力します。表示されるツールのリストから [USGS MP メタデータ トランスレータ(変換)(USGS MP Metadata Translator(Conversion))] をクリックします。

    [USGS MP メタデータ トランスレータ(USGS MP Metadata Translator)] ツールは検索結果にリストされます。

  3. 検索結果のリストにある [USGS MP メタデータ トランスレータ(変換)(USGS MP Metadata Translator(Conversion))] をクリックして、このツールを開きます。
  4. エクスポートされた FGDC 形式の XML ファイルを、ツールのダイアログ ボックスの [ソース メタデータ] パラメータにドラッグ&ドロップします。
  5. FGDC 形式の HTML ファイルを作成するには、[変換タイプ] リストの HTML をクリックします。
  6. [出力ファイル] パラメータに適切なファイル名を入力します。必ず *.html のような正しいファイル拡張子を指定してください。

    [USGS MP メタデータ トランスレータ(USGS MP Metadata Translator)] ツールを使用して他の形式の FGDC メタデータ ファイルを作成します

  7. [OK] をクリックします。

FGDC 形式の構造化テキスト ファイルを作成するには、[TEXT 変換タイプ] を選択するか、*.txt などの適切なファイル拡張子を [出力ファイル] パラメータに指定します。SGML、DIF、および FAQ 形式の HTML ファイルもこのツールで作成できます。mp から出される整合チェックに関する警告とエラーは、ツールからメッセージとして返す代わりに、テキスト ファイルに保存できます。[ログ ファイル] パラメータに適切なファイル名とロケーションを入力してください。

このように HTML およびテキスト ファイルを定期的に作成する必要がある場合は、以下に説明するように、モデルまたは Python スクリプトを使用して必要なすべての FGDC メタデータ ファイルを 1 つのステップでエクスポートできます。

モデルまたは Python スクリプトを使用してすべての FGDC メタデータを一度にエクスポートします

FGDC メタデータのインポート

FGDC 形式の XML ファイルのメタデータを使用している場合は、この情報をアイテムにインポートすることができます。

手順:
  1. [説明] タブの [インポート] ボタン メタデータのインポート をクリックします。

    [メタデータのインポート] ツールのダイアログ ボックスが開きます。[ターゲット メタデータ] パラメータは自動的にアイテムのロケーションに設定されます。

  2. インポートされる FGDC 形式の XML ファイルへの適切なパスを [ソース メタデータ] パラメータに入力します。
  3. [インポート タイプ] リストで [FROM_FGDC] をクリックします。

    FROM_FGDC インポート タイプで FGDC 形式の XML ファイルをインポートします

  4. [OK] をクリックします。
  5. 注意注意:

    [メタデータのインポート(Import Metadata)] ツールから出される警告メッセージはすべて無視します。

インポートしたメタデータ コンテンツは、ArcGIS メタデータ形式に変換されてからアイテムのメタデータに追加されます。既存の ArcGIS メタデータ コンテンツがある場合は、インポートしたメタデータ コンテンツに置き換えられます。ただし、アイテムの元のジオプロセシング履歴とサムネイルは失われません。

別の ArcGIS アイテムから FGDC 形式のメタデータをインポートした場合、ArcGIS によって自動的に元のアイテムのメタデータに追加されていたプロパティはインポートされません。対象アイテムに適切なプロパティは、インポート処理の最後で自動的に追加されます。[自動更新の有効化] がオンになっている場合は、対象アイテムとの同期が可能なすべてのコンテンツがアイテムのメタデータ内で更新されます。つまり、フィーチャクラス内のフィーチャの数など、元のアイテムのメタデータに手動で指定されたプロパティは、対象アイテムの実際のプロパティまたはアイテムに適切なデフォルト値で上書きされます。この中にはアイテムのタイトルも含まれます(タイトルはアイテムの名前で置き換えられます)が、アイテムの FGDC 形式のメタデータが含まれる XML ファイルを ArcGIS にインポートする場合には、望ましい結果が得られない場合があります。ラスタからフィーチャクラスにメタデータをインポートする場合は、両方のアイテムに使われる説明的なタイトルが同じになることはほとんどないため、望ましい結果になります。

FGDC 形式の構造化テキスト ファイルのインポート

現行バージョンの ArcGIS Desktop では、メタデータが XML ファイル内にある場合のみアイテムにインポートできます。しかし、テキスト ファイルなど他の FGDC 形式のファイルでアイテムのメタデータを受け取る場合があります。このテキストファイルをインポートするには、mp というメタデータ構文解析プログラム ユーティリティを使用して FGDC 形式の XML ファイルに変換しなければなりません。

[USGS MP メタデータ トランスレータ(USGS MP Metadata Translator)] ツールは [ソース メタデータ] パラメータで FGDC 形式の XML ファイルしか受け付けないため、変換には使用できません。mp のコピーは ArcGIS Desktop で提供されるため、Python スクリプトを使用して ArcGIS で変換を実行できます。下のサンプル スクリプトは、変換を実行し、変換後の FGDC 形式の XML ファイルを上述した [メタデータのインポート (Metadata Importer)] ツールでインポートしています。

FGDC 形式の構造化テキスト ファイルを FGDC 形式の XML ファイルに変換した後、その XML ファイルをメタデータとしてアイテムにインポートする Python スクリプト。

import os
import arcpy

#set local variables
dir = arcpy.GetInstallInfo("desktop")["InstallDir"] + "bin" 
fgdcTXT = "c:/data/fgdcInText.txt"
fgdcXML = "c:/data/fgdcOutXML.xml"

#convert the text file to an XML file
runCmd = "mp.exe " + fgdcTXT + " -x " + fgdcXML
os.chdir(dir)
os.system(runCmd)

#import the XML file
from arcpy import env
env.workspace = "c:/data/data.gdb"
arcpy.ImportMetadata_conversion (fgdcXML,"FROM_FGDC","streams")

関連項目


7/10/2012