ArcSDE ジオデータベースのアップグレードの概要
ArcSDE ジオデータベースのアップグレードの対象は、新しいバージョンの ArcSDE のインストール、ArcSDE とジオデータベース システム テーブルのアップグレード、および更新されたストアド プロシージャ、タイプ、および機能のインストールです。
新しいバージョンの ArcSDE をインストールするか、または既存のインストールにサービス パック、パッチ、ホット フィックスを適用した後でジオデータベースをアップグレードすることで、新機能やバグの修正を利用できます。
ArcGIS 10 リリース以降、ジオデータベースのアップグレードには [ジオデータベースのアップグレード（Upgrade Geodatabase）] ツールまたは Python スクリプトを使用する必要があり、Windows 上の ArcSDE ポスト インストール ウィザードや sdesetup コマンドを使用してジオデータベースをアップグレードすることはできません。ArcSDE ポスト インストール ウィザードや sdesetup コマンドを使用してアップグレードを行った場合は、ジオデータベースがすでに存在することを通知するメッセージが表示され、アップグレードは実行されません。
ジオデータベースのアップグレードまたは DBMS（データベース管理システム）のアップグレード、あるいはその両方を、まず開発用サーバまたはテスト サーバでテストすることをお勧めします。開発用サーバまたはテスト サーバでジオデータベースのアップグレードをテストしてすべてが適切に動作したら、公開用ジオデータベースをアップグレードできます。また、アップグレードを計画してスケジュールを作成し、アップグレードにかかわるスタッフまたは影響を受けるユーザのすべてに、アップグレードのスケジュールを通知することをお勧めします。
ArcSDE 10 にアップグレードできるのは、ArcSDE 9.2、9.3、または 9.3.1 のジオデータベースです。これより古いジオデータベースでは、まずサポートされるリリースにアップグレード後に 10 にアップグレードする必要があります。
アップグレードを実行する前に、次のトピックを確認してください。
DB2 の ArcSDE ジオデータベースのアップグレード、または z/OS での DB2 の ArcSDE ジオデータベースのアップグレード
注意:ベータ版からファイナル リリース版へのアップグレードはサポートされません。
ArcSDE ジオデータベースのアップグレード準備が完了している場合、一般的な手順は次のようになります。
- データベースのバックアップを作成します。
- ArcGIS の外部で ArcSDE ジオデータベース システム テーブルに追加しているカスタム機能（トリガ、SQL Server レプリケーションへの参加、追加インデックスなど）をすべて削除します。アップグレード手順では、システム テーブルに対して行ったカスタマイズは認識されません。このようなカスタマイズによってシステム テーブルのスキーマ変更が妨げられた場合、アップグレードが失敗します。
- ArcSDE サービスを使用している場合は、サービスを停止（一時停止ではない）してから削除します。
- 新しいバージョンの ArcSDE をインストールする場合は、古いバージョンをアンインストールします。サービス パック、パッチ、またはホット フィックスを適用するときは、ArcSDE をアンインストールしてはなりません。
- ArcSDE の新しいリリース、サービス パック、パッチ、またはホット フィックスをインストールします。
- 新しいリリースの ArcGIS Desktop（ArcEditor または ArcInfo）、ArcGIS Engine Runtime と Geodatabase Update エクステンション、または ArcGIS Server（Standard または Advanced）をインストールします。
- データベース管理者は、アップグレードを行う ArcSDE 管理者ユーザの権限を昇格する必要があります。これらの権限については、各データベースの「ジオデータベースをアップグレードする準備」のトピックで説明しています。
- ジオデータベースにダイレクト コネクションを確立します。ほとんどの場合は、ArcSDE 管理者として接続します。
- [ジオデータベース プロパティ] ダイアログ ボックスを開き、[一般] タブをクリックして、[ジオデータベースのアップグレード] をクリックします。[ジオデータベースのアップグレード（Upgrade Geodatabase）] ジオプロセシング ツールのダイアログ ボックスが開きます。
- Windows で、ポスト インストール ウィザードの ArcSDE サービス作成部分を使用して、ArcSDE サービスを再作成します（ArcSDE サービスを使用していた場合）。UNIX または Linux では、sdemon コマンドを使用して ArcSDE サービスを起動します（ArcSDE サービスを使用していた場合）。
- ジオデータベースにネットワーク データセット、Cadastral Fabric またはパーセル ファブリック、またはメタデータが含まれている場合、これらは個別にアップグレードされます。これらのアップグレードは必須ではありません。ただし、これらのデータをアップグレードしない場合、最新の機能は利用できません。