エラー レポートの有効化
ArcGIS Server は、エラー レポートを収集し、格納します。これらのレポートは、Esri 開発チームに自動 Web レポートまたは電子メール(ArcGISErrorReport@esri.com)で送信でき、エラーを理解し、将来のリリースまたはサービス パックで修正するために分析されます。
サーバ エラーによっては、再現する方法がなく、システムの過負荷やハードウェア障害が原因で発生するものがあります。Esri 開発チームは、エラー レポートの内容に基づいて、今後そうしたエラーが発生しないようにソフトウェアを設計する方法を模索します。
再現可能なエラーに気付いた場合は、Esri までご連絡ください。エラーを再現するための手順はエラー レポートとともに送信してください。ArcGIS Server は、これらのエラーまたはクラッシュ レポートを指定されたディレクトリに格納するように構成できます。
エラー レポートの有効化
ArcGIS Server Object Container プロセス(ArcSOC.exe)自体はほとんどクラッシュしませんが、以下が発生する場合があります。
- プロセスが応答しなくなる。
- 予想外の動作をするようになり、ログ ファイルにエラーを書き込む。
- 使用時のタイムアウトが経過した後、またはワークスペース接続の切断を回復しようとしているときに、終了が求められる。
サイトでこれらのエラーが発生し、ユーザのワークフローの妨げとなる場合は、ArcGIS Server エラー レポートの有効化を検討してください。これらのレポートは、Esri に自動送信したり、必要に応じて Esri に電子メールで送信したりできます。
次の手順に従って、ArcGIS Server エラー レポートを有効にします。
- ArcGIS Server Object Manager サービスを停止します。Windows では、[コントロール パネル] → [管理ツール] → [サービス] を選択することで、このサービスを見つけることができます。
- <ArcGIS のインストール場所>\server\system に移動します。
- Server.dat を探し、このファイルをバックアップします。編集中に誤って Server.dat ファイルを壊してしまった場合は、このバックアップに置き換えることで、破損したファイルを簡単に修復することができます。
- 元の Server.dat ファイルをメモ帳で開きます。
- 次の例をガイドとして使用して、Server.dat ファイル内の ErrorReport タグを編集します。
<Server> . . . <Properties> . . . </Properties> <ErrorReportMode>2</ErrorReportMode> <ErrorReportModeSOM>3</ErrorReportModeSOM> <ErrorReportDir>\\MYSERVER\ErrorReports</ErrorReportDir> <ErrorReportEnableUpload>True</ErrorReportEnableUpload> <ErrorReportEmailAddress>myAdmin@myCompany.com</ErrorReportEmailAddress> <ErrorReportReportInterval>3600</ErrorReportInterval> <ErrorReportCacheSize>10</ErrorReportCacheSize> </Server>
各タグを以下に説明します。
<ErrorReportMode>
ArcSOC.exe プロセスのクラッシュが許可されるかどうか、そしてクラッシュが発生したときにサーバがどのように対処すべきかを指定します。次の値を利用できます。
- 0 - ArcSOC.exe プロセスはクラッシュできません。
- 1 - ArcSOC.exe プロセスのクラッシュを許可し、ログ ファイルにメッセージを書き込みます。
- 2 - ArcSOC.exe プロセスのクラッシュを許可し、ログ ファイルにメッセージを書き込み、<ErrorReportDir> タグで指定された場所にエラー レポートを書き出します。
<ErrorReportModeSOM>
ArcSOM.exe プロセスがエラー レポートを生成するかどうかを指定します。次の値を利用できます。
- 0 - ArcSOM.exe プロセスはエラー レポートを生成しません。
- 3 - ArcSOM.exe プロセスはエラー レポートを生成します。
注意:このプロパティでは、値に 1 と 2 は使用しません。
<ErrorReportDir>
ArcGIS Server のエラー レポートが書き出されるディスク上のパス。このプロパティは、エラー レポートを生成する前に設定する必要があります。
任意のディレクトリを選択できますが、SOM と SOC アカウントが書き込める必要があります。ArcGIS Server コンフィグレーションに複数のコンピュータが含まれている場合は、このパスを共有ディレクトリをポイントする UNC パス、または各 SOC コンピュータ上の同じローカル パスに設定する必要があります。
<ErrorReportEnableUpload>
エラー レポートを Web を介して Esri に自動送信するかどうかを指定します。デフォルトは False です。値を True にすると、エラー レポートが送信されます。自動エラー レポートを有効化する前に、Esri 個人情報保護方針を読んで承諾する必要があります。
<ErrorReportEmailAddress>
Esri がエラー レポートの詳細についてシステム管理者と連絡する際に使用される電子メール アドレスを含むオプションのプロパティ。
<ErrorReportReportInterval>
ArcGIS Server が新しいレポートがないかエラー レポート ディレクトリをチェックする間隔(秒)。デフォルトは 3,600 秒(1 時間)です。チェック中に検出されたレポートは、(<ErrorReportEnableUpload> タグを使用して)自動アップロードを有効にしている場合は、Esri に自動的に送信されます。
<ErrorReportCacheSize>
エラー レポートの出力ディレクトリに保持されるエラー レポートの数。デフォルトは 10 です。ArcSOC.exe のクラッシュが頻発してレポートがすぐにたまってしまう場合は、このプロパティに高い値を設定します。エラー レポートを Esri に自動送信している場合、送信されたレポートはディレクトリから削除されます。ただし、SOM アカウントのユーザ プロファイル ディレクトリには、直近の 10 個のレポートが常に保存されています。
- Server.dat ファイルを保存します。
- ArcGIS Server Object Manager サービスを開始します。
エラー レポートは、サイズが非常に大きくなる(100 MB 以上)場合があります。エラー レポートのディレクトリが過度に大きくならないようにするには、<ErrorReportCacheSize> プロパティを使用します。帯域幅の小さいインターネット接続を使用している場合は、問題への対処中でない限り、エラー レポートの自動アップロードは無効のままにすることを検討してください。
エラー レポートの無効化
ArcGIS Server のエラー レポートを無効にするには、次の手順に従います。
- ArcGIS Server Object Manager サービスを停止します。Windows では、[コントロール パネル] → [管理ツール] → [サービス] を選択することで、このサービスを見つけることができます。
- <ArcGIS インストール ディレクトリ>\server\system へ移動し、テキスト エディタで Server.dat ファイルを開きます。必要に応じて、このファイルを編集する前にバックアップします。
- <ErrorReportMode> と <ErrorReportModeSOM> タグの値を 0 に変更します。
- Server.dat ファイルを保存します。
- 不要なエラー レポートのエラー レポート ディレクトリ(<ErrorReportDir> タグに列挙されています)を削除します。
- ArcGIS Server Object Manager サービスを開始します。
エラー レポートの送信
エラー レポートは Esri に自動送信したり、電子メール(ArcGISErrorReport@esri.com)で送信したりできます。ファイルを電子メールで送信する場合は、オプションで連絡先情報や、操作内容とクラッシュの発生時刻についての詳細情報を含めることができます。連絡先情報を追加することにした場合は、Esri がクラッシュに関する詳細を問い合わせることがあります。この情報の提供は任意です。
Esri の開発スタッフがエラーに関する詳細情報を問い合わせる以外に、レポートの状況について連絡をとることはありません。既存のサポート インシデントとの関連でレポートが送信された場合を除き、Esri Support がレポートの状態に関する詳細を提供することはありません。
よくある質問
次に、エラー レポートに関する一般的な質問をまとめます。
エラーのホット フィックスを入手できますか。
再現方法のないエラーのホット フィックスは提供されません。再現することが可能な致命的なアプリケーション エラーに気付いた場合は、Esri Support までご連絡ください。
Esri は、エラーの発生箇所のサマリを提供しますか。
Esri は、送信されてきたエラー レポートを分析し、エラーの発生原因を特定します。フィックスは、サービス パックまたはリリースに移されます。
Manager または ArcCatalog を使ってエラー レポートを有効にする方法はありますか
エラー レポートを有効または無効にするには、このトピックで説明したように、Server.dat ファイルを手動で編集する必要があります。Server.dat ファイルを編集する前に、バックアップ コピーを保存しておくことをお勧めします。