演習 8:バージョン対応の編集を「読み取り/書き込み」ユーザとして実行

このトピックは、ArcEditor および ArcInfo にのみ適用されます。

難易度: 初級 データ要件 ArcGIS チュートリアル データ セットアップ 目的: 読み取り/書き込みユーザとしてログインし、デフォルト バージョン以外のバージョンに接続し、バージョン対応データを編集します。

非管理者権限を持ったユーザがデータを編集するもう 1 つの方法を確認するために、editor1 としてログインし、ArcMap 内のフィーチャクラスを編集し、編集内容を編集バージョンにリコンサイルしてポストします。

editor1 としてのログイン

コンピュータからいったんログアウトした後、editor1 としてログインし直します。

手順:
  1. Windows タスク バーの [スタート] ボタンをクリックし、[ログオフ] をクリックします。
  2. [Windows のログオフ] ダイアログ ボックスが開いた場合、[ログオフ] をクリックします。
  3. ログイン ダイアログ ボックスで、ユーザ名を editor1 に変更します。
  4. [ログオン先] ドロップダウン リストからコンピュータ名を選択して [OK] をクリックします。

    editor1 としてコンピュータにログインしました。

  5. ArcMap を起動し、カタログ ウィンドウを開いて、カタログ ツリー内の [Database Servers] ノードを展開します。

別のバージョンへの接続、および接続の保存

デフォルトでは、データベース サーバへの接続は通常 DEFAULT バージョンに接続します。接続先ジオデータベースのバージョンを変更するには、[バージョンの変更] ダイアログ ボックスを使用します。ArcMap を閉じると、次回 ArcMap を起動してデータベース サーバ ノードからジオデータベースに接続したときに、再度 DEFAULT バージョンに接続します。

特定のバージョンへの接続を保存するには、このバージョンへの空間データベース接続を保存してください。保存すると、カタログ ツリーの [Database Connections] ノード下に、接続ファイルが作成されます。

割り当てておいた接続プロパティを変更しない限り、接続情報はデータベース コネクションによって保存されています。つまり、次回 editor1 として ArcMap を起動したときも、設定値をいっさい変更することなく、必要なジオデータベースのバージョンに接続できます。

メモメモ:

[Database Connections] ノード経由でジオデータベースに対して確立された接続は、データ アクセスにのみ使用され、管理には使用されません。

手順:
  1. カタログ ウィンドウで、データベース サーバをダブルクリックして接続します。
  2. Osokopf ジオデータベースを右クリックし、[バージョンの変更] をクリックします。
  3. [バージョンの種類][トランザクション] に設定されていることを確認します。
  4. railroadv1 バージョンを選択し、[OK] をクリックします。

    これで、Osokopf ジオデータベースへの接続に、railroadv1 に接続した状態であることが表示されるようになりました。

  5. このバージョンのジオデータベースへの接続を保存するには、Osokopf ジオデータベースを右クリックし、[接続の保存] をクリックします。

    [Database Connections] ノード下に、このバージョンのジオデータベース用の接続ファイルが作成されます。

  6. カタログ ウィンドウで [Database Connections] ノードを展開します。

    ジオデータベースに対して新しい接続が確立されたことを確認できます。デフォルトの接続名は、「<コンピュータ名>_<SQL Server Express インスタンス> への接続」です。

    ヒントヒント:

    接続の名前を変更する場合は、対象の接続を右クリックし、[名前の変更] をクリックして、新しい名前を入力します。

  7. この接続を右クリックし、[接続プロパティ] をクリックします。

    すべての接続情報が自動的に入力されていることを確認します。[サーバ名] が入力され、[サービス] テキスト ボックスにダイレクト コネクション情報が表示されます(データベース サーバ上のジオデータベースへの接続に使用できるのはダイレクト コネクションだけです。 ArcSDE サービスは使用されません)。[データベース] テキスト ボックスには、データベース名が表示されます。オペレーティング システム認証が認証モードで選択され、railroadv1 トランザクション バージョンのジオデータベースに対して接続が確立されています。

  8. [空間データベース接続プロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。

バージョン対応のデータセットの編集

演習 7:ジオデータベース管理者として接続し、データをロードしバージョン対応のデータとして登録し、バージョンを作成」で、manager1 は railroads フィーチャクラスをインポートし、バージョン対応登録しました。これから、railroadv1 バージョンのフィーチャクラスを編集しましょう。

編集の準備

バージョン対応のデータセットおよび参照データを ArcMap に追加します。

手順:
  1. Osokopf ジオデータベースを展開します。
  2. railroad フィーチャクラスをクリックして、ArcMap にドラッグします。
  3. 参照用に、streets フィーチャクラス、villages フィーチャクラスおよび park_areas フィーチャ データセットをマップに追加します。
  4. データベース サーバ上の buildings ジオデータベースを展開し、gov_bldgs、schools、および utilities フィーチャクラスも参照用にマップにドラッグします。

マップ上で位置を確認しやすいように、streets フィーチャクラスにラベルを設定します。

手順:
  1. ArcMap のコンテンツ ウィンドウで Streets レイヤを右クリックし、[ラベリング] をクリックします。

    name 列の属性として格納されているストリートの名前が、マップ上に描画されます。

編集対象データはバージョン対応登録されているので、ArcMap がバージョン対応の編集を実行するように設定されていることを確認します。

手順:
  1. [エディタ] ツールバーの [エディタ] をクリックし、ドロップダウン リストの [オプション] をクリックします。

    [編集オプション] ダイアログ ボックスが開きます。

  2. [バージョニング] タブをクリックします。
  3. [データベースのバージョンを編集(元に戻す、やり直し操作を許可)] チェックボックスがオンになっていることを確認します。オフになっている場合は、オンにします。
  4. このダイアログ ボックスにはほかにもオプションが用意されていて、バージョン対応の編集セッションの動作を制御する目的に設定できます。たとえば、競合として認識できる編集の種類、自動リコンサイル中に使用する編集、自動リコンサイル後に編集を自動保存するかどうかなどを制御する設定値があります。これらのオプションの詳細については、「バージョンのリコンサイルの概要」をご参照ください。

    バージョン対応の編集用に設定されたエディタの [オプション] ダイアログ ボックス

  5. ここではデフォルトの設定値を使用するので、[OK] をクリックし、[編集オプション] ダイアログ ボックスを閉じます。

ここで、編集セッションを開始します。

手順:
  1. [エディタ] ツールバーの [エディタ] をクリックし、[編集の開始] をクリックします。
  2. 編集するレイヤのリストから [Railroads] を選択し、[OK] をクリックします。

編集の実行

ここでは、railroads フィーチャクラスに、新しい線路 1 つとサイド レール 1 つを追加します。また、既存のサイド レールを拡張します。

線路の追加

手順:
  1. [ArcMap ツール] ツールバーの [拡大] ボタンをクリックします。
  2. マウス ボタンを押しながら、島の北東部を囲むボックス形状を描画します。

    マップの右上領域にズームイン

  3. ここで、Pilot ストリート東部の Serpent ストリートと Sandpiper ストリートの間の既存の Cross Island ラインから開始し、既存の Centremont East ラインの先端部で終わる線路のセクションを追加しましょう。
    ヒントヒント:

    マップ上のフィーチャを識別するには、ArcMap の [ツール] ツールバーの [個別属性] ボタンをクリックし、フィーチャをクリックします。[個別属性] ウィドウが開き、フィーチャの属性が表示されます。

    新しい線路の始点と終点

  4. [フィーチャ作成] ウィンドウで、[Railroads] をクリックします。
  5. [作図ツール] ウィンドウで、[ライン] をクリックします。
  6. ポインタを Serpent と Sandpiper 間の Cross Island ライン上に合わせて、鉄道のエッジ上の目的に位置に表示されるようにします。

    ポインタを線路の上に置いて、エッジ上の目的に位置に表示されるようにします。

  7. 右クリックし、[フィーチャにスナップ][エッジ] をクリックします。

    新しいラインの最初の頂点が、Cross Island ラインのエッジにスナップします。

  8. Dock および Sandpiper 間のラインを Centremont East ラインの終端部に到達するまで引き伸ばします。

    ポインタを Centremont East ラインの終端の上に置いて、終点上の目的に位置に表示されるようにします。

  9. [フィーチャにスナップ] を右クリックし、[端点] をクリックして、新しいフィーチャの終了頂点を配置します。
  10. 右クリックして [スケッチ終了] をクリックし、新しいフィーチャを railroads フィーチャクラスに追加します。

    新しい線路

  11. [エディタ] ツールバーの [エディタ] をクリックし、[編集の保存] をクリックして、これまでに行った変更を保存します。
  12. [エディタ] ツールバーの [属性] ボタン [属性] ボタンをクリックします。

    [属性] ダイアログ ボックスが開きます。

  13. [Owner] の横にあるフィールドをクリックし、「Oso Rail」と入力します。
  14. 属性ウィンドウを閉じます。

サイド レールの追加

次のフィーチャの追加先となる領域に画面移動して、範囲を変更します。

手順:
  1. ArcMap の [ツール] ツールバーの [画面移動] ボタン [画面移動] ボタンをクリックします。

    カーソルが画面移動シンボルに変化します。

  2. マップの中心をクリックし、マウス ボタンを押しながら、College Sports Park および汚水処理場の両方が見えるまで、マップを引き下ろします。

    新しい範囲

  3. Serpent 東部の Cross Island ライン上に新しいサイド レールを追加します。

    新しいサイド レールのための場所

  4. [フィーチャ作成] ウィンドウで、[railroad] をクリックし、[line] をクリックします。
  5. 上の図に示す場所で、ポインタを Cross Island 線路上に合わせて、鉄道のエッジ上の目的に位置に表示されるようにします。
  6. 右クリックし、[フィーチャにスナップ][エッジ] をクリックします。
  7. 北東方向へ傾いた曲線を引きます。頂点をクリックして追加し、曲線を作成します。

    新しいサイド レールを描画します。

  8. 終了頂点をダブルクリックして、スケッチを終了します。
  9. メモメモ:

    このチュートリアルの目的からいうと、編集は正確でなくてもかまいません。自分自身のデータを編集するときは、フィーチャを追加する際に正確に行ってください。

  10. [エディタ] ツールバーの [属性] ボタンをクリックします。
  11. [Owner] の横にあるフィールドに、「Oso Rail」と入力します。
  12. [エディタ] ツールバーの [エディタ] をクリックし、[編集の保存] をクリックして、これまでに行った変更を保存します。

Cross Island college side rail の拡張

現在の範囲内に Cross Island college side rail が表示されている必要があります。表示されていない場合は、Cross Island college side rail が表示されるまで画面移動します。

カレッジ サイド レール

これから、このラインを引き伸ばします。

手順:
  1. [エディタ] ツールバーで [編集ツール] ボタン [編集ツール] ボタンをクリックします。
  2. Cross Island college side rail をクリックして選択します。
  3. [エディタ] ツールバーの [頂点の編集] ボタン [頂点の編集] ボタンをクリックします。

    college side rail の終了頂点が、マップ上に表示されます。

  4. 終了頂点のすぐ前にあるカレッジ サイド レール ラインを右クリックし、[頂点挿入] をクリックします。
  5. 終了頂点の上にポインタを合わせて、頂点の周囲にハンドルが表示されるようにします。

    終了頂点の選択

  6. 頂点をクリックし、Morris Street 付近へドラッグします。

    レールをストリート付近まで延長

  7. 右クリックして、[スケッチ終了] をクリックします。
  8. [エディタ] ツールバーの [エディタ] をクリックし、[編集の保存] をクリックして、これまでに行った変更を保存します。

編集のリコンサイルと変更のポスト

railroads フィーチャクラスに対する編集が終わりました。今度は、編集内容をリコンサイルして DEFAULT バージョンにポストしましょう。

手順:
  1. [バージョニング] ツールバーがまだ展開されていない場合は、[カスタマイズ] をクリックし、[ツールバー] をポイントして、[バージョニング] をクリックしてツールバーを表示します(必要に応じて、メニューをスクロールダウンして[バージョニング] が表示されるようにしてください)。
  2. [バージョニング] ツールバーの [リコンサイル] ボタン [リコンサイル] ボタンをクリックします。

    [リコンサイル] ダイアログ ボックスが開きます。

  3. dbo.DEFAULT バージョンがターゲット バージョンとしてすでに選択されているので、ターゲット バージョンを選択する必要はありません。また、ここでは競合の定義にデフォルトの設定値を使用するので、[オブジェクト(行)により定義] は選択された状態のままにしておきます。しかし、競合の解決方法はこのあとの手順で変更します。
  4. [リコンサイル] ダイアログ ボックスで [編集バージョン優先] をクリックします。
  5. [OK] をクリックします。
  6. DEFAULT バージョンでは、このデータが他のユーザに編集されなかったので、競合は検出されませんでした。データベース サーバ上でジオデータベースを使用しているときは特にこの結果が一般的です。自分と同じフィーチャクラスの同じフィーチャ(行)を他のユーザが編集することは通常ありません。競合を属性(列)に基づいて定義しておくとより多くの競合が検出される可能性がありますが、競合が属性変更に基づいている場合でも、自分と同じフィーチャクラスを編集しているユーザがいるときしか競合が発生しません。

    競合は一切発生しなかったので、ここでは変更内容を DEFAULT バージョンにポストできます。

  7. [バージョニング] ツールバーの [ポスト] ボタン [ポスト] ボタンをクリックします。

    編集した内容が DEFAULT バージョンに反映され、変更内容が、DEFAULT バージョンに接続したどのユーザからも参照できるようになりました。

  8. [エディタ] ツールバーの [エディタ] をクリックし、[編集の終了] をクリックします。

この演習では、ジオデータベースに対する読み取り/書き込みアクセス権限を持つログインでログインし、フィーチャクラスに対して一連のバージョン対応の編集を行いました。さらに、編集した内容をリコンサイルして DEFAULT バージョンのジオデータベースにポストしました。


3/6/2012