PostgreSQL を Windows サーバに ArcSDE を Linux サーバにインストール

ArcSDE を Linux オペレーティング システム(OS)のサーバにインストールして PostgreSQL データベース クラスタを Windows OS のサーバにインストールする場合は、インストール プログラムを PostgreSQL サーバで実行して PostgreSQL をインストールできます。ポスト インストール ウィザードの [カスタム] オプションを使用して表領域、データベース、sde ユーザ、および sde スキーマを作成することも、これらの手順を手動で実行することもできます。次に、ArcSDE サーバに ArcSDE をインストールして、ポスト インストールの手順を手動で実行して、ジオデータベースを作成し認証します。

ArcSDE コンポーネントを PostgreSQL データベースとは異なる OS のサーバにインストールする場合は、PostgreSQL のインストール先にコピーまたは FTP 転送するファイルが、PostgreSQL サーバの OS 上で実行できることを確認する必要があります。つまりこのシナリオでは、ArcSDE for PostgreSQL の Windows バージョンを一時的に PostgreSQL サーバにインストールし、st_geometry.dll ファイルを SDEHOME から取得して PostgreSQL のインストール先にコピーした後、ArcSDE をアンインストールする必要があります。

ArcSDE で必要な PostgreSQL ファイルの Linux バージョンも取得する必要があります。PostgreSQL ライブラリを取得するには、ArcSDE サーバに postgresql-libs-8.3.8-1.rhel5.rpm をインストールします。

手順:
  1. ArcSDE サーバが ArcSDE のインストール要件を満たしていること、および PostgreSQL サーバが PostgreSQL のインストール要件を満たしていることを確認します。古いバージョンの PostgreSQL が PostgreSQL サーバ上に存在しないことも確認してください。
  2. PostgreSQL サーバ上のインストール ファイルにアクセスします。
    • DVD を持っている場合は、適切なドライブにセットします。
    • ISO ファイルの場合は、ISO 解凍ツールを使用して、ファイルにアクセスします。
  3. Windows 用の ArcSDE for PostgreSQL インストール プログラムを実行します。
  4. PostgreSQL サーバに ArcSDE を一時的にインストールして、必要な ArcSDE ライブラリ ファイルを入手する必要があります。そのため、インストール ウィザードの [インストール オプション] ダイアログ ボックスが表示されたら、[ArcSDE for PostgreSQL] と [PostgreSQL] の両方をオンのままにして、両方をインストールします。

    ウィザードを使用してこれらをインストールする手順については、「PostgreSQL のインストール(Windows)」および「ArcSDE for PostgreSQL のインストール(Windows)」をご参照ください。

  5. ポスト インストール ウィザードは、ArcSDE のインストール後、起動されます。ポスト インストール ウィザードの [ようこそ] ダイアログ ボックスが表示されたら、[カスタム] を選択して、[次へ] をクリックします。
  6. [ArcSDE セットアップ ウィザード オプションの選択] ダイアログ ボックスで最初のオプション([SDE ユーザ環境の定義])以外はすべてオフにして、[次へ] をクリックします。
  7. PostgreSQL スーパー ユーザの名前とパスワードを指定して [次へ] をクリックします。
  8. sde ユーザのパスワード、データベースを作成する表領域の名前、データベースの名前、および表領域を作成するフォルダのパスと名前を指定して、[次へ] をクリックします。
    注意注意:

    表領域は必ず空のフォルダに作成してください。フォルダが空でない場合、表領域の作成は失敗します。

  9. Windows エクスプローラを開き、SDEHOME の bin フォルダに移動します

    SDEHOME は ArcSDE のインストール先にある pgexe ディレクトリです。

  10. ここから st_geometry.dll ファイルをコピーして、PostgreSQL のインストール先の lib ディレクトリに貼り付けます。

    デフォルトでは、このディレクトリは c:\Program Files\PostgreSQL\8.3\lib になります。

  11. PostgreSQL サーバから ArcSDE をアンインストールします。
    1. Windows の [コントロール パネル] を開きます。
    2. [プログラムの追加と削除](Windows Server 2003)または [プログラムと機能](Windows Server 2008)を開きます。
    3. リストから ArcSDE for PostgreSQL を選択して、[削除](Windows Server 2003)または [アンインストールと変更](Windows Server 2008)をクリックします。
  12. ArcSDE サーバ上の ArcSDE インストール ファイルにアクセスします。
  13. ArcSDE for PostgreSQL のインストール(Linux)」の手順に従って、ArcSDE をインストールします。
  14. ArcSDE がインストールされているサーバの SDEHOME/etc ディレクトリの dbinit.sde ファイルに、PGHOST および PGPORT の各環境変数を設定します。

    PGHOST には、PostgreSQL がインストールされているサーバの名前を指定します。PGPORT には、PostgreSQL ポストマスタ プロセスがリスニングしているポート番号を指定します。このファイルで設定する環境変数については、「dbinit.sde ファイル」をご参照ください。

  15. dbinit.sde ファイルで PGPORT 変数を設定します。

    set PGPORT=9999

  16. PostgreSQL サーバで、PostgreSQL の pg_hba.conf ファイルをテキスト エディタで開き、ArcSDE サーバがデータベースに接続できるよう接続情報を追加します。「クライアント接続を受け入れるための PostgreSQL データベース クラスタの設定(Windows)」をご参照ください。
  17. ArcSDE が接続する必要のある PostgreSQL ライブラリを取得するには、root ユーザとして ArcSDE サーバに postgresql-libs-8.3.8-1.rhel5.rpm をインストールします。詳細については、「PostgreSQL のインストール(Linux)」をご参照ください。
  18. ArcSDE サービスを使用してジオデータベースに接続する場合は、システムの etc ディレクトリにある services ファイルをテキスト エディタで開きます。
    メモメモ:

    services ファイルを変更するには、root 権限によるアクセスが必要です。

  19. ArcSDE サービスで使用するサービス名と TCP/IP ポート番号を定義する行を services ファイルに追加します。

    services ファイルに次のような行を追加します。

    esri_sde    5151/tcp    #ArcSDE on pinetree

    メモメモ:

    サービスに接続するユーザは、ポート番号(この例では 5151)を使用して接続できます。サービス名(この例では esri_sde)を使用して接続する場合は、システムの services ファイルに同様の行を追加する必要があります。

  20. ArcSDE サービスを使用する場合は、$SDEHOME/etc/services.sde ファイルをテキスト エディタで開き、/etc/services ファイルの場合と同様の行を追加します。
  21. sdesetup コマンドを実行してジオデータベースを作成します。-s オプションを使用して PostgreSQL サーバ名を指定してください。
    sdesetup -o install -d POSTGRESQL 
    -u sde -s pgserver -D arcsdegdb
    -l arcsdeserver,93,ecp123456,none,ABCDEF
    

    sdesetup で -l オプションを指定すると、使用するジオデータベースを認証できます。このコマンドの実行時にこのオプションを指定しない場合は、update_key 操作で sdesetup コマンドを実行してジオデータベースを認証する必要があります。

  22. PostgreSQL での ArcSDE ジオデータベースの認証(Linux)」の手順に従ってください。
  23. ArcSDE サービスを使用する場合は、「ローカル ArcSDE サービスの開始(Linux または UNIX)」または「リモート ArcSDE サービスの開始(Linux または UNIX)」の手順に従ってサービスを開始します。
  24. ArcSDE サーバから PostgreSQL をアンインストールして、PostgreSQL ファイルを削除できます。

3/6/2012