Applanix DSS Airborne Sensor データを使用したイメージ サービスの作成

Applanix DSS Airborne Digital Sensor System で収集したデータは、直接 ArcGIS Image Server に取りこむことができます。このセンサは、イメージと同時に収集されるジオリファレンス情報などのメタデータを直接読みだすことができ、また DEM を追加すればオルソ補正されたイメージ サービス定義を作成できるため、ArcGIS Image Server での使用に理想的です。

Konrady 係数の計算

Konrady 係数は、レンズの半径方向の歪みを定義するもので、3 つの値として表現されます。これらの値の計算および使用方法は 1 つではありません。カメラのキャリブレーション レポートにこれらの値が記載されていることがありますが、別の値が必要とされている場合もあります。カメラのキャリブレーション レポートには、必要な Konrady 係数の計算に使用できるレンズの半径方向の歪み値が記載されます。これらの値を計算する際には、Excel スプレッドシートを役立ててください。デフォルトでは、このスプレッドシートは C:\Program Files\ArcGIS\Image Server\XADefs\RPDef Generators にある「Konrady coefficients computation.xls」です。

Konrady 係数の値は、Applanix DSS カメラからのものなど、航空写真画像を追加するときに使用します。

手順:
  1. カメラ キャリブレーション証明レポートを表示します。

    これは通常 [CameraFiles] フォルダに PDF として格納されています。60 mm VIS レンズなど、正しいカメラ レンズのサイズ用のファイルを表示していることを確認します。

  2. Konrady coefficients computation.xls を開きます。

    これは <Install Directory>\ArcGIS\ImageServer10.0\XADefs\RPDef Generators にあります。

  3. [Radial Distance] を(ミリメートルで)入力します。
  4. 対応する [半径方向の歪み(Radial Distortion )] の値を(ミクロンで)入力します。

    これらの値はピクセルとミクロン(µm)で提供されることがあります。必ずミクロンの値を入力してください。

    G 列に Konrady 係数が計算されます。

  5. K0、K1、K2 の各値を記録します。

イメージ サービス定義の作成

手順:
  1. ArcMap を開きます。
  2. [イメージ サービス定義エディタ(Image Service Definition Editor)] ツールバーの [イメージ サービス] ドロップダウン メニューをクリックし、[アドバンスト] をポイントして [新規サービス定義(New Service Definition)] をクリックします。

    [イメージ サービス定義] ダイアログ ボックスが表示されます。

  3. [Service definition] の参照ボタン 参照 をクリックし、イメージ サービス定義を作成する場所に移動して、[ファイル名] テキスト ボックスに名前を入力し、[保存] をクリックします。
  4. [空間参照] の参照ボタン 参照 をクリックし、ArcGIS Coordinate Systems フォルダにある空間参照系を選択します。

    過去にこのダイアログ ボックスを使用したことがある場合は、必要に応じて、ドロップダウン矢印を選択し、過去に選択したことのある空間参照を選択することもできます。

    これは、イメージ サービス定義について使用された空間参照系であり、追加されることになる各ラスタ データセットのものと必ずしも同じではありません。空間参照は、必要なイメージ サービス定義の範囲内に座標系の境界が存在することのないように選択する必要があります。

  5. 必要に応じて、[サービスの種類] ドロップダウン矢印をクリックして、サービス タイプを選択します。

    通常適切なのは Color(RGB)のサービス タイプです。これは、3 バンド イメージに使用されます。場合によって、4-Band(RGBI)の使用が必要なこともあります。[カスタム] を使用する場合は、必ず残りのパラメータも指定してください。

  6. [OK] をクリックします。

    コンテンツ ウィンドウに新しいイメージ サービス定義が追加されます。コンテンツ ウィンドウに格納されるのは空のフットプリント レイヤをもつグループ レイヤです。

イメージの追加

手順:
  1. [イメージ サービス定義エディタ(Image Service Definition Editor)] ツールバーの [イメージ サービス] ドロップダウン メニューをクリックし、[アドバンスト] をポイントして [ラスタ データセットの追加(Add Raster Dataset)] をクリックします。

    [ラスタ タイプの選択] ダイアログ ボックスが表示されます。

  2. [オルソ幾何補正] フォルダをダブルクリックします。
  3. [Applanix-DSS eo_std] ファイルをクリックし、[OK] をクリックします。
  4. [Applanix-DSS eo_std.txt] ファイルの参照ボタン 参照 をクリックします。
  5. [ファイル タイプ] ドロップダウン矢印をクリックして、[すべてのファイル(*.*)] をクリックします。

    すべてのファイル拡張子

  6. [EO] フォルダに移動し、適切なファイルをクリックします。

    このフォルダには外部評定要素(EO)のファイルが 1 つ以上格納されていることがあります。たとえば、[eo_ellipsoid.txt] ファイルと [an eo_orthometric.txt] ファイルが存在するかもしれません。必ず DEM の高さの値を基準とした正しいファイルを選択してください。

    注意注意:

    このファイルのイメージ ファイルの ID 番号が入力イメージ ロケーションの ID 番号に一致することを確認してください。一致しない場合は、このファイルの ID 番号を編集します。

  7. [開く] をクリックします。
  8. [入力イメージ ロケーション(Input image location)] の参照ボタン 参照 をクリックします。
  9. Photocorr といったイメージ ファイルが格納されたフォルダに移動してクリックし、[OK] をクリックします。
  10. 必要に応じて、[概観図の場所(Overviews location)] の参照ボタン 参照 をクリックし、概要の各ファイルが格納されているフォルダに移動してクリックし、[OK] をクリックします。

    [Applanix eo_std prj ファイルのインポート(Import Applanix eo_std prj files)] ダイアログ ボックス

  11. [Applanix eo_std prj ファイルのインポート(Import Applanix eo_std prj files)] ダイアログ ボックスの [OK] をクリックします。

    [Applanix eo_std Project] ダイアログ ボックスが表示されます。

  12. Konrady 係数を計算するために開いたカメラ キャリブレーション証明レポートを開きます。
  13. 焦点距離とイメージ中央から測定した主要ポイントの X、Y 座標(PPA X とPPA Y)を見つけます。

    次のように特定されるかもしれません。

    Focal length = 焦点距離の記号

    PPA X = PPA X

    PPA Y = PPA Y

  14. [Applanix eo_std Project] ダイアログ ボックスにこれらの値を入力します。

    注意注意:

    これらの値は必ずミクロン(µm)で入力してください。

    これらの値がミリメートルになっている場合は、1,000 を乗じてミクロン値に変換(1 mm = 1000 μm)する必要があります。たとえば、焦点距離が 60.184 mm の場合、これは 60,184 μm にあたります。PPA X が -0.225 mm の場合は -225 μm になります。

  15. 先ほど計算した Konrady 係数の各値(K0、K1、および K2)を入力します。

    [Applanix eo_std Project] ダイアログ ボックス

  16. [カメラ ファイルの保存(Save camera file)] の参照ボタンをクリックします。

    情報を再入力せずに再使用できるよう、カメラ ファイルを保存することをお勧めします。保存しておけば、間違った値を入力してしまった場合にも役立ちます。

  17. キャリブレーション ファイルの保存場所に移動し、ファイル名を入力して [保存] をクリックします。

    次にこのダイアログ ボックスを使うときは、[Load camera file] の参照ボタンをクリックして、保存済みのこのファイルを選択します。

  18. [オルソ補正パラメータ(Orthorectification Parameters)] タブをクリックします。
  19. 正しい [空間参照系] を選択します。
  20. DEM を使用している場合は、[Terrain type] ドロップダウン矢印をクリックし、[DEM] をクリックします。
  21. この DEM の [Z 平均値(Average Z value)] を入力します。

    注意注意:

    この値は、DEM を定義している場合にも、入力する必要があります。

    正しい Z 平均値を特定するために、ArcGIS で DEM を開きます。統計情報が計算済みであることを確認します。プロパティを開いて、[統計情報] セクションにスクロールします。平均値を使用します。

  22. 必要に応じて、他のパラメータを編集します。

    DSS オルソ補正パラメータ

  23. 必要に応じて、[拡張パラメータ(Enhancement Parameters)] タブをクリックし、パラメータを編集します。
  24. [OK] をクリックします。

    イメージ サービスにイメージが追加されます。

イメージ サービス定義の構築

ピクセル サイズ範囲や境界といったサービス パラメータを取得してメタデータを抽出するためには、イメージ サービス定義を構築する必要があります。生成後には、イメージをプレビューできます。

手順:
  1. [イメージ サービス定義エディタ(Image Service Definition Editor)] ツールバーの [イメージ サービス] ドロップダウン メニューをクリックし、[アドバンスト] をポイントして [ビルド] をクリックします。

    [ビルド オプション] ダイアログ ボックスが表示されます。

  2. デフォルトでオンになっているオプションはそのままにして、[OK] をクリックします。

    [Service Editor-Reporter] ウィンドウにさまざまなビルド オプションの進行状況が表示されます。完了すると、コンテンツ ウィンドウのグループ レイヤが更新されます。Boundary と Preview のレイヤが追加されます。

フットプリントの再計算

当初のフットプリントは、新規作成時の推定でしかないため、更新する必要があります。ピクセル情報が計算されたこの時点で、フットプリントを更新することができます。

手順:
  1. コンテンツ ウィンドウの Footprint レイヤ を右クリックし、[フットプリントの再計算(Recompute Footprint)] をポイントして [ジオメトリによる(By Geometry)] をクリックします。

    [Recompute Footprint By Geometry] ダイアログ ボックスが、各パラメータについてデフォルト値の入った状態で表示されます。

  2. [イメージ タイプ] ドロップダウン矢印をクリックし、[平らな地形のオルソ補正イメージ(Orthorectified image in flat terrain)] または [丘陵地形のオルソ補正イメージ(Orthorectified image in hilly terrain)] をクリックします。
  3. [OK] をクリックします。

    フットプリント ポリゴンが更新されます。

境界の再計算

フットプリントが変更されたため、境界を更新する必要があります。

手順:
  1. [イメージ サービス定義エディタ(Image Service Definition Editor)] ツールバーの [イメージ サービス] ドロップダウン メニューをクリックし、[アドバンスト] をポイントして [ビルド] をクリックします。

    [ビルド オプション] ダイアログ ボックスが表示されます。

  2. [サービス境界の作成(Create service boundary)] をオンにします。

    このオプションだけをオンにします。

  3. [OK] をクリックします。

サービス概要を使用したサービスの最適化

Service overviews are preprocessed, low-resolution raster dataset tiles covering the entire service. These overviews speed up the display of imagery at lower resolutions, because they are used when clients are viewing large portions of the image service definition at a low resolution. With service overviews, a lower-resolution copy of the data appears quickly while viewing entire datasets. When you zoom in, levels of finer resolutions are drawn and the performance is maintained because the service transmits successively smaller areas. The server chooses the most appropriate service overview based on the display scale. Without service overviews, the entire dataset would have to be processed on the fly. Service overviews enable you to create an overview of the complete image service definition for viewing.

手順:
  1. [イメージ サービス定義エディタ(Image Service Definition Editor)] ツールバーの [イメージ サービス] ドロップダウン メニューをクリックし、[アドバンスト][最適化][サービス概要(Service Overviews)] を順にポイントして [定義] をクリックします。

    [サービス概要パラメータ(Service Overview Parameters)] ダイアログ ボックスが表示されます。パラメータを変更するか、デフォルトを受け入れます。

  2. [OK] をクリックします。

    サービスの外観図を定義すると、[イメージ サービス エディタ(Image Service Editor )] メッセージ ボックスが表示されます。

  3. [OK] をクリックします。
  4. [イメージ サービス定義エディタ(Image Service Definition Editor)] ツールバーの [イメージ サービス] ドロップダウン メニューをクリックし、[アドバンスト] をポイントして [ビルド] をクリックします。
  5. [取得イメージの生成(Generate Derived Images)] をオンにします。
  6. [サービスのコンパイル(Compile service)] をオンにします。
  7. [OK] をクリックします。

    ビルドが完了してサービスの外観図がイメージ サービス定義に追加されると、[サービス エディタ レポート(Service Editor Report)] ウィンドウにメッセージが表示されます。

この時点で、イメージ サービスをパブリッシュできます。

関連項目


7/10/2012