SSL でセキュリティ保護されたサイトで操作するための SharePoint の構成
ArcGIS for SharePoint に含まれるコンポーネント(ArcGIS Map Web パーツ、ArcGIS ジオコーディング ワークフロー、ArcGIS ロケーション フィールド)は、それぞれ特別な設定をしなくても ArcGIS Online によるサービスを参照します。デフォルトでは、HTTP を介してこれらのサービスにアクセスします。Silverlight ではスキーマ間のアクセスに制限があるので、ArcGIS for SharePoint を Secure Sockets Layer(SSL または HTTPS)保護を採用する SharePoint サイト内で使用する場合、デフォルトの HTTP を使用すると問題が発生します。ArcGIS for SharePoint は高度な構成が可能なので、製品で使用されるすべてのサービス エンドポイントを更新し、HTTP ではなく HTTPS エンドポイントを使用するように設定することができます。このトピックでは、HTTP の代わりに HTTPS を使用する方法について説明します。
SSL を使用するための構成リストの更新
ArcGIS for SharePoint 構成の大部分はリストに保存されており、このリスト アイテムは製品によって使用される Web サービスとそれぞれ対応しています。HTTP の代わりに HTTPS を使用するように構成を更新する操作は、単純に各リスト アイテムを更新し、同等の HTTPS エンドポイントを指定するか、同等の SSL が存在しないアイテムを削除するだけです。各構成リストを更新するための詳細な手順は次のとおりです。
- SSL でセキュリティ保護されたサイト コレクション内で、[サイトの操作] メニューの [サイトの設定] を選択して、設定ページに移動します。
- ベースマップとして使用するマップ サービスが HTTPS エンドポイントをポイントするように更新します。次の図は、Map Web パーツのベースマップ ギャラリーで使用できる一連のベースマップを示しています。
- ArcGIS for SharePoint Administration] の下で、[ベースマップ] リンクを選択します。
- ベースマップ タイプが ArcGIS Server である各リスト アイテムについて、同等の HTTPS をポイントするように [マップ サービス URL] を変更します。同等の HTTPS が存在しない場合はアイテムを削除します。デフォルトでは、最初の 8 つのベースマップを HTTPS に変更する必要があります。
これら 8 つのマップ サービスは ArcGIS Online でホストされており、それぞれ同等の SSL が存在します。各アイテムの編集時には、必ず Web アドレスを更新します。
説明も同時に更新することをお勧めしますが、これはリスト内に表示されるだけです。Web アドレスは、ArcGIS for SharePoint によって使用される URL です。これは、このリスト内のサービス エンドポイントと、更新の必要があるその他のエンドポイント(後述)に適用されます。
- ArcGIS for SharePoint Administration] の下で、[ベースマップ] リンクを選択します。
- ArcGIS Server のデフォルトの接続セットを更新します。これらは、デフォルトで Map Web パーツの [参照] パネルに表示される ArcGIS Server インスタンスです。
- [サイトの設定] ページに戻ります。
- ArcGIS for SharePoint Administration] の下で、[接続] を選択します。
- HTTPS エントリの URL が同等の SSL をポイントするように編集します。デフォルトでは、ArcGIS Online のリスト アイテムを更新する必要があります。ベースマップの URL と同様に、Web アドレスを必ず更新してください。
- 同等の HTTPS が存在しないアイテムは削除します。sampleserver1 および sampleserver3 エンドポイントがリストに含まれている場合は、これらを削除します。
- ジオメトリ サービス エンドポイントを更新します。このエンドポイントは、ジオメトリ操作のために Map Web パーツによって使用されます。たとえば、異なる空間参照を持つベースマップ間を切り替えるときにグラフィックスを再投影する場合などです。
- [サイトの設定] ページに戻ります。
- ArcGIS for SharePoint Administration] の下で、[ジオメトリ サービス] を選択します。
- ジオメトリ サービスのリスト アイテムの URL を編集し、HTTPS エンドポイントを指定します。デフォルトの ArcGIS Online ジオメトリ サービスがここに表示されている場合は、これを単純に HTTPS に変更できます。
- ArcGIS Server のロケータ サービスを更新します。これらは、住所の照合や住所の検索(住所の照合の逆)の操作を実行するために、ArcGIS ジオコーディング ワークフローおよび ArcGIS ロケーション フィールドによって使用されます。
- [サイトの設定] ページに戻ります。
- ArcGIS for SharePoint Administration] の下で、[ロケータ] を選択します。
- リスト内の各アイテムの URL を、指定した HTTP エンドポイントと同等の HTTPS に変更します。同等の HTTPS が存在しない場合は、リスト アイテムを削除します。デフォルトで含まれている ArcGIS Online ロケータ サービスにはすべて同等の HTTPS が存在します。
SSL を使用するための構成ファイルの更新
一部の ArcGIS for SharePoint 構成は構成ファイルに格納されています。一連の同等なアイテムの構成を定義する構成リストと異なり、構成ファイルでは、Map Web パーツのデフォルト マップ定義やデフォルト レイアウトなど、比較的複雑な構成を指定します。これらのうち 3 つのファイルには、HTTP サービス エンドポイントへの参照が含まれています。これらは次の手順で HTTPS に変更できます。
- [サイトの操作] メニューで、[サイト コンテンツをすべて表示] を選択します。
- [ドキュメント ライブラリ] で、[ArcGIS Mapping 構成ファイル] を選択します。
- MapWebPartStartupMapDocument.xaml ドキュメントを開いて編集します。このドキュメントは、新しい Map Web パーツのマップ定義を指定しています。このドキュメントを開いて編集する場合に便利な方法の 1 つは、SharePoint リボンの [リスト] タブにある [エクスプローラで開く] ボタンを選択することです。ここからファイルを開き、メモ帳などのテキスト エディタや、Visual Studio などの統合開発環境(IDE)を使用してこれを編集することができます。または、ファイルをローカルにダウンロードして編集し、編集の完了後、ドキュメント ライブラリにアップロードすることもできます。
- マークアップ内で、HTTP サービス エンドポイントを参照するレイヤをすべて HTTPS に変更します。デフォルトでは、ArcGISTiledMapServiceLayer の URL のみ更新する必要があります。
- LocationOnMapStartupMapDocument.xaml ドキュメントを開いて編集します。このドキュメントは、サイト コレクション内のすべての ArcGIS ロケーション フィールドのマップ定義を指定しています。
- 前述のドキュメントと同様に、HTTP サービス エンドポイントをすべて HTTPS に変更します。デフォルトでは、LocationOnMapStartupMapDocument.xaml ドキュメントは MapWebPartStartupMapDocument.xaml とまったく同じなので、デフォルト インストールでは、手順 4 で指定した変更方法をここでも使用できます。
- ArcGISOnline.xml ドキュメントを開いて編集します。このドキュメントは、マップ センターから提供される Web マップやグループを取得するために、Map Web パーツによって使用されるエンドポイントを指定しています。このファイルを編集することで、ArcGIS Online の代わりに組織の ArcGIS Portal インスタンスを使用するように指定できます。
- ArcGISOnline.xml ファイルで、共有エレメント内の URL を HTTP から HTTPS に変更します。セキュリティ保護されたエレメント内で指定されている URL はすでに HTTPS になっているはずです。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?> <Configuration> <Sharing>http://www.arcgis.com/sharing/</Sharing> <Secure>https://www.arcgis.com/sharing/</Secure> <ProxyServer></ProxyServer> <ProxyServerEncoded></ProxyServerEncoded> </Configuration>
ここまでの手順が完了したら、ArcGIS for SharePoint コンポーネントは、非 SSL サイト内でのデフォルトの動作と同じように、SSL サイト内ですべて動作するようになります。すべての新しい Map Web パーツ、ジオコーディング ワークフロー、ロケーション フィールドが、更新された構成を取得し、HTTPS サービス エンドポイントのみを使用して、Silverlight の URL アクセス制限内で動作するようになります。