Amazon へのデータの転送方法

Amazon に GIS の配備を作成するには、GIS データの一部またはすべてを、インターネット経由でクラウド上の場所に転送する必要があります。このトピックでは、選択可能なクラウド上でのデータの転送場所とデータの転送方法について説明します。また、データの転送時間に影響する要素についても説明します。

データの格納場所

ArcGIS Server を実行する EC2 インスタンスを作成したら、データをクラウドに転送する準備を行う必要があります。データの格納場所として、いくつかの場所を選択できます。以下のオプションはすべて Amazon に対して料金が発生します。金額は変更される場合がありますので、変更を行う前に確認してください。

クラウドにデータを転送する方法

オンプレミス環境からクラウドへのデータ転送には時間がかかる場合があります。場合によっては、IT セキュリティ スタッフとの調整も必要です。多くの場合、インターネット(つまり、クラウド)上の場所へのデータのエクスポートは、ローカル ネットワーク内での一般的なデータ転送よりも低速で、安全ではありません。

データはさまざまな方法でクラウドに転送できますが、重要なデータを扱う場合は IT スタッフと調整して、使用する方法が安全で、組織で承認されていることを確認してください。データ転送には以下のような方法があります。

Amazon はさまざまなソリューション プロバイダと連携しています。これらのサービス プロバイダの中には、データ転送、格納、およびセキュリティのソリューションを提供している企業もあります。これらの企業がクラウド戦略に役立つかどうかを判断するには、「Find an AWS Solution Provider」をご参照ください。Esri 自身もこれらのプロバイダの 1 つであり、Amazon クラウドに GIS を配備するためのさまざまなプロジェクトおよび実装サービスを提供しています。

データ転送時間に影響する要素

ここまでに説明したデータ転送方法のパフォーマンスは、Amazon クラウドへの物理的な近さ、時間帯、およびインターネットへの接続品質によって変化します。

GIS データセット(特に画像とマップのキャッシュ)は領域を大量に使用する可能性があります。場合によっては、これらを効率的に転送するために、転送前にデータセットを圧縮し、ファイルのサイズを小さくするかファイルの総数を減らす必要があります。S3 クライアント ユーティリティの一部では、転送できる 1 ファイルあたりのサイズ、または格納できるファイルの数が制限されています。また、圧縮プログラムの一部では圧縮可能なデータの量も制限されています。データ転送方法を選択する際は、圧縮にかかる時間と作業量も考慮に入れてください。

最後に、S3 を使用する場合は、作成できるバケットの数に関する制限と、S3 バケットに関するその他の制限に注意してください。これらの制限については、「Bucket Restrictions and Limitations」をご参照ください。

データ パスの整合性の維持

データを新しい場所に移動する際は常に、そのデータを参照するパスの更新が必要かどうかも注意しなければなりません。これは、さまざまなパスで多数のデータ レイヤを参照するマップ ドキュメントに関係があります。

Amazon EC2 のデータの場所を ArcGIS Server に登録すると、公開後にリンク切れのデータ パスを修正する作業を軽減できます。「ArcGIS Desktop を使用した ArcGIS Server へのデータの登録」をご参照ください。

別の方法として、インスタンスにログインし、ArcMap を使用してリンクの切れたパスを修復することもできます。ArcGIS Server AMI には ArcGIS Desktop が含まれているため、修復を簡単に行えます。マップ ドキュメントのデータ パス情報を更新する方法については、「切れたデータ リンクの修復」をご参照ください。

データ接続を修復する必要性を軽減する別の方法として、マップ ドキュメントで相対パスを使用し、マップとデータを共通フォルダに格納することもできます。


2/6/2012