ArcGIS Server on Amazon EC2 の起動
Amazon クラウドの操作は、ArcGIS Server のインストールと構成がすでに完了した AMI(Amazon Machine Image)を導入することによって開始できます。この AMI は新しく作成した EC2 インスタンスに導入します。この EC2 インスタンスは、Amazon のクラウド上で実行される仮想コンピュータです。
ArcGIS AMI には次のものが含まれます。
- ArcGIS Desktop
- Microsoft SQL Server Express
- IIS 7
- ArcGIS Server for the Microsoft .NET Framework
- Manager、Services Directory、ヘルプへのリンクを表示する ArcGIS Server ホーム ページ
ArcGIS Server AMI を EC2 インスタンス上に導入するには、次の手順を実行します。
- Web ブラウザで AWS Management Console を開きます。
- [Sign in to the AWS Console] をクリックし、Amazon のユーザ名とパスワードでサイン インします。既存のすべての Amazon アカウントが EC2 インスタンスにアクセスできるわけではありません。この手順で使用するアカウントがわからない場合は、システム管理者または Amazon に問い合わせてください。
- サイン インしたら、[Amazon EC2] タブをクリックし、[Instances] をクリックします。
- [Region] ドロップダウンから、作業に使用する AWS リージョンを選択します。
リージョンは、世界各地に配置されている AWS データ センターを表します。リージョンを使用して、顧客により近い環境を設定したり、法的要件に合わせたりできます。料金設定はリージョンごとに異なります。
- [Launch Instance] をクリックします。
- [Community AMIs] タブをクリックし、[ESRI] を探します。
- [ESRI ArcGIS Server 10.0 AMI] を見つけたら、その [Select] ボタンをクリックします。この AMI は、Esri カスタマ サービスにより、サイン インに使用したアカウントで共有されています。
- [Number of Instances]、[Availability Zone]、[Instance Type] の値を選択します。単純なテスト環境であれば、これらすべての選択をデフォルトのまま使用できます。
- [Launch Instances] または [Request Spot Instances] を選択して、[Continue] をクリックします。
スポット インスタンスを使用すると、インスタンスに「独自の料金を指定」することができます。ただし、選択した料金で常にインスタンスを利用できるとは限りません。スポット インスタンスは、ピーク時以外の時間に実行でき、簡単に停止および再開できる特定のジョブに便利です。ほとんどの環境では、スポット インスタンスは使用しません。
- [Kernel ID] や [RAM Disk ID] の値など、インスタンスの高度なオプションを選択します。インスタンスが誤って終了するのを防ぐために、[Termination Protection] を有効にしたり、[Shutdown Behavior] を [Stop] に変更したりすることもできます。
高度なオプションの選択が終わったら、[Continue] をクリックします。
- 必要に応じて、インスタンスのタグを構成します。インスタンスを迅速に特定して分類できるようになります。各タグは、キーと値のペアで構成されます。Name タグは一部がすでに設定されているため、インスタンスに名前を割り当てるには、[Name] キーの右側にある [Value] ボックスに名前を入力します。
タグの設定が完了したら、[Continue] をクリックします。
- この時点でキー ペアを作成する必要があります。キー ペアは、後で EC2 インスタンスの管理者パスワードを取得するときに使用します。[Create a new Key Pair] をクリックしてから、次の手順を実行します。
- キー ペアの名前を入力します。
- [Create & Download your Key Pair] をクリックします。
- ブラウザでファイルをダウンロードします。ファイルには「.pem」という拡張子が付いています。ファイルを安全な場所に保存します。
- [Continue] をクリックします。
続けてインスタンスを作成するときは、[Choose from your existing Key Pairs] をクリックして、上の手順で作成したキー ペアを選択できます。
- [Create a new security group] を選択し、このグループの名前(「ArcGISServer」など)と説明(「Security group for ArcGIS Server EC2 instances」など)を入力します。
- 次の許可されている接続をセキュリティ グループに対して指定します。[Add Rule] をクリックすると、各ルールが表に追加されます。
ルールのタイプ
ポート
ソース ネットワーク(IPv4 CIDR)
RDP
3389(自動的に適用されます)
<リモート デスクトップによる接続が許可されたコンピュータの IP アドレス範囲>
HTTP
80(自動的に適用されます)
0.0.0.0/0 または IT 管理者が指定する限定された IP 範囲
メモ:
EC2 インスタンス上でポートを開くことについて組織の IT スタッフが異なる要件やルールを設定している場合は、上記の入力が変更される可能性があります。開くことが許可されているポートや、使用する必要がある IP アドレスがわからない場合は、システム管理者に問い合わせてください。
上記の設定は、インスタンスにログインしてサービスが実行されていることをテストできるようにするための基本ルールです。インスタンスを作成した後は、上記のルールを調整できます。ArcGIS Server EC2 インスタンスおよびエンタープライズ ジオデータベース EC2 インスタンスのセキュリティ グループを構成する方法については、「共通セキュリティ グループの構成」をご参照ください。
ルールの追加が完了したら、[Continue] をクリックします。
- [Launch] をクリックします。
インスタンスが起動するまで数分かかります。インスタンスの起動中は、そのステータスが AWS Management Console の [MyInstances] パネルに 「pending」と表示されます。インスタンスの起動が完了すると、そのステータスは「started」と表示されます。EC2 インスタンスが実行され、料金が発生します。インスタンスの起動が完了したことを確認するために、[Refresh] をクリックする必要がある場合があります。
EC2 インスタンスを起動した後の数分間は、AWS Management Console でインスタンスが起動したように見えてもログインできない場合があります。インスタンスと ArcGIS Server が完全に構成されるには数分かかります。
インスタンスに接続を受け入れる準備ができているかどうかを判断するには、AWS Management Console でインスタンスを右クリックして、[Get System Log] をクリックします。インスタンスを初めて起動したときは、この後に空白のログ画面が表示されます。EC2 インスタンスの状態が正常であれば、数分後にログを見ると、「Windows is ready to use」というメッセージが表示されるはずです。ArcGIS Server が自動的に構成される時間を与えるために、「Windows is Ready to use」のメッセージがシステム ログで報告された後に 5 分以上経過するまで、EC2 インスタンスへの接続を試みないでください。ただし、この時間は Amazon EC2 の状態に応じて異なります。
インスタンスへのログインに関するその他の手順については、「Amazon EC2 コンピュータのリモート デスクトップでの管理」をご参照ください。
ヒント:
インスタンスが不要になったときは、[Stop] または [Terminate] をクリックして、不要な料金がかからないようにします。[Terminate] をクリックすると、インスタンス上のすべてのデータとソフトウェアが失われ、回復することはできません。しかし、インスタンスの [Stop] と [Start] は、データを失わずに実行できます。インスタンスのステータスを右クリックすると、インスタンスを [Stop]、[Start]、または [Terminate] できるメニューが表示されます。
これで、この EC2 インスタンスは、Windows リモート デスクトップを使用してログインする準備ができました。