ST_Raster 値のプロパティを変更する関数
プロパティを変更する ST_Raster タイプの関数は SQL の UPDATE ステートメントの一部として使用する必要があります。これらの関数はすべて、テーブルに ST_Raster 値がすでに存在している必要があります。
ピラミッドの構築
ピラミッドは、パフォーマンスを向上させるために使用されます。ピラミッドは、元のラスタ データセットのダウンサンプル バージョンであり、多くのダウンサンプル レイヤを含むことができます。ピラミッドの一連のレイヤは 2:1 の縮尺でダウンサンプリングされます。次に、1 つのラスタ データ セットに対して作成された 2 つのレベルのピラミッドの例を示します。
ST_Raster の buildPyramid 関数を使用して ST_Raster 値にピラミッドを作成します。buildPyramid 関数は低解像度ピラミッドを構築します。
カラーマップの作成
カラーマップとは、色に関連付けられた一連の値のことです。カラーマップは、シングルバンド ラスタを常に同じ色で表示するために使用されます。各ピクセル値には、赤、緑、青(RGB)の値として定義された色が関連付けられます。各値には明確な色が関連付けられるため、カラーマップ付きのラスタを読み取ることができるプログラムで開くたびに、常に値が同じ方法で表示されます。カラーマップは 16 ビット データまで対処することができます。
ST_Raster の setColormap 関数を使用して、シングルバンドの 8 ビットまたは 16 ビット ST_Raster 値にカラーマップを適用します。setColormap 関数は TIFF 画像ファイルを入力としてカラーマップを作成します。
ラスタ統計情報の計算
ラスタ統計情報は、ArcGIS Desktop やジオプロセシング処理でデータを分類するために使用されます。また、ArcGIS のレンダラでもデータをストレッチするときに使用されます。一部のデータは、ストレッチしないとはっきり見分けることができません。
統計情報が存在している場合、ArcGIS では 2 つの標準偏差のストレッチが自動的に適用されます。統計情報が存在しない場合、ArcGIS Desktop のレンダラはデータをストレッチしません。
SQL を使用して ST_Raster 値のラスタ統計情報を計算する場合は、buildStats 関数を使用します。
ST_Raster 値のモザイク
モザイク操作は複数の画像をマージします(モザイクの詳細については、「モザイクとは」をご参照ください)。
モザイク操作を使用して、ジオリファレンスされた TIFF ファイルを 1 つの ST_Raster 値にモザイクしたり、既存の ST_Raster 値からピクセル データ値を取得して別の ST_Raster 値にモザイクしたりできます。
カラーマップが存在する場合は、ラスタ データを既存の値でモザイクする前に、カラーマップを削除しておく必要があります。カラーマップは、モザイク操作が完了したら再び適用することができます。
ST_Raster 値のカラーマップの削除
先のセクションで触れたように、モザイクする前には ST_Raster 値からカラーマップを削除しておく必要があります。
ST_Raster の deleteColormap 関数を使用して ST_Raster 値からカラーマップを削除します。
ST_Raster 値の統計情報の削除
統計情報があると、ArcGIS Desktop のレンダラはラスタ データをストレッチすることができます。しかし色補正されたラスタのような一部のデータの場合は、ストレッチすると画像がゆがみます。ST_Raster 値のラスタ統計情報を計算して、ArcGIS Desktop でレンダリングしたときに画像がゆがんだ場合は、ラスタ値から統計情報を削除できます。
ST_Raster の deleteStats 関数を使用して ST_Raster 値から統計情報を削除します。
ST_Raster 値のトリミング
ラスタをトリミングすると、指定した範囲を超えるラスタ データがすべて削除されます。ラスタ値の一部だけが必要な場合は、ST_Raster の crop 関数を使用して必要な範囲だけにラスタ値を縮小できます。