データベース サーバ接続のタイプ
データベース サーバおよびそのサーバに格納されているジオデータベースに接続すると、常にダイレクト コネクションが確立されるため、この接続には常に Windows 認証のログインが使用されます。ユーザが接続できるのは、リモート コンピュータ上にあるか、またはローカルにインストールしてあるデータベース サーバです。
ダイレクト コネクション
ダイレクト コネクションを確立すると、中間サービスを介さずにクライアントからジオデータベースに直接接続できます。結果として、接続元クライアント アプリケーションにインストールされている ArcSDE ライブラリとドライバが使用されるので、ほとんどの処理がクライアント マシン側で行われます。
ジオデータベースへのダイレクト コネクションを確立するには、接続元クライアントに適切なダイレクト コネクション用のドライバをインストールしておく必要があります。クライアント ジオデータベースの互換バージョンおよび必要なドライバの入手先の詳細については、「クライアントと SQL Server Express Edition 用の ArcSDE ジオデータベースのバージョンの互換性」をご参照ください。
Windows 認証の接続
データベース サーバとそのサーバ上に格納されているジオデータベースに接続するときは、Windows 認証ログインを使用する必要があります。Windows 認証は、ユーザのコンピュータの Windows オペレーティング システムによって提供される認証情報に基づいて、個々のユーザを識別する手法です。そのため、クライアント コンピュータへのログインに使用するログインが、データベース サーバに接続する際に使用するログインになります。このログインには、ドメイン アカウントまたはローカル アカウントのどちらかを使用できます。(接続元クライアントとは別のコンピュータ上の)リモート データベース サーバに接続する場合は、ドメイン ログインを使用します。(接続元クライアントと同じコンピュータ上の)ローカル データベース サーバに接続する場合に使用できるログインは、ドメイン ログインまたはローカル ログインのどちらかです。ドメイン ログインを使用した場合、接続先ローカル データベース サーバが置かれているコンピュータがネットワークから切断されると、その接続先データベース サーバにログインできないので注意してください。
ローカル接続とリモート接続
接続元クライアント アプリケーションと同じコンピュータ上のローカル データベース サーバに接続する際は、ローカル アカウントまたはドメイン アカウントを使用してログインできます。
リモート データベース サーバに接続するには、ドメインログインを使用する必要があります。クライアント マシン上のローカル Windows アカウントは、リモート マシン上に作成されたログインとは別のログインです。たとえば、ローカル ログインが mymachine\myuser の場合、リモート マシン yourmachine 上では同じ名前のログインを作成したときに yourmachine\myuser というログインが生成されます。これらは本質的には異なる 2 つのログイン名です。
これを回避するため、ローカル ログインとリモート ログインに同じパスワードを設定すれば、そのログインを使用してもリモート マシンに接続することができます。
リモート コンピュータに接続する際は、データベース サーバでのネットワーク接続の受け入れを有効にしておく必要があります。インストール ウィザードを使用して、SQL Server Express インスタンスでのジオデータベースの格納を有効にしておくと、デフォルトでは Microsoft SQL Server Express インスタンスはネットワーク接続を受け入れるように設定されます。SQL Server Configuration Manager でネットワーク接続の受け入れる機能を無効にした場合は、再度、有効にしておく必要があります。
ArcGIS Desktop からの接続
データベース サーバ上に格納されたジオデータベースへは、カタログ ウィンドウの [Database Server] ノードまたは [Database Connections] ノードを介して、接続できます。
データベース サーバまたはデータベース サーバ上の多数のジオデータベースに影響する管理タスクを実行する必要のある場合は一般に、[Database Servers] ノードを介して接続を確立します。カタログ ツリー内の [Database Server] ノードを介した接続の詳細については、「データベース サーバ上のジオデータベースへの接続」をご参照ください。
アクセスする必要のあるデータがデータベース サーバ上の 1 つのジオデータベース内のものだけであれば、[Database Connections] ノード下に接続を作成することもできます。[Database Connections] ノード下に [Spatial Database Connection] を作成する場合は、SQL Server データベースに対してダイレクト コネクションの構文を使用し、接続に Windows 認証を使用します。また、接続先のバージョンを変更する必要もあります。[Database Connections] ノードに対するデフォルトの接続用バージョンは SDE.DEFAULT です。データベース サーバ上のジオデータベースは常に dbo スキーマを使用します。したがって、ジオデータベース上のジオデータベースには SDE.DEFAULT バージョンが存在しないため、SDE.DEFAULT への接続は失敗します。必ず DBO.DEFAULT バージョンまたは別のジオデータベース バージョンに接続してください。
最初に [Database Servers] ノードを介して接続してから、その接続をジオデータベースに保存することができます。これにより、カタログ ツリーの [Database Connections] ノード下に、接続ファイルが作成されます。この実行手順については、「特定のバージョンへのジオデータベース コネクションの保存」をご参照ください。
次の図は、データベース サーバ上のジオデータベースに接続したときの [空間データベース接続プロパティ] ダイアログ ボックスの例です。