ジオデータベース設計の文書化

ジオデータベース設計の文書化は重要です。ArcGIS データ モデルの Web サイト(http://support.esri.com/datamodels)では、一連の図を使用して、各データ モデル テンプレートの主要な設計概念を表すと同時に、ジオデータベースのエレメント、メタデータ、マップ レイヤの仕様を文書化しています。このセクションでは、設計の文書化に役立つよう、Web サイトで公開されているさまざまなジオデータベース エレメントについて簡単に説明します。

ジオデータベース設計の内容を表す重要な要素として、次のものがあります。

  1. データセット ─ フィーチャクラス、ラスタ、属性テーブルのプロパティと、各テーブルの一連の列の定義を指定します。空間的なデータの場合は、何らかのジオメトリック プロパティ(ポイント、ライン、ポリゴン、座標の種類)も示されます。多くの場合は、サブタイプの仕様も含まれています。スキーマ ダイアグラムでは、この部分は常に青で示されます。
    データセット
  2. リレーションシップ クラス ─ 属性リレーションシップは、すべての DBMS アプリケーションと同様に、GIS でも広く使用されています。これらは、あるテーブルの行が別のテーブルの行にどのように関連付けられるかを定義します。リレーションシップは基数の方向などのプロパティ(1 対 1、1 対多、多対多のリレーションシップかどうか)を持ちます。リレーションシップとそれらのプロパティは緑で示されます。
    リレーションシップ
  3. ドメイン ─ 属性列の有効な値のリストまたは範囲を表します。これらのルールは、ソフトウェアが特定の属性列でデータの整合性を維持する方法を制御します。ドメインは赤で示されます。
    フィールドの有効な値とそれらの意味を列挙する、または有効な値の範囲を示すことにより、ドメインを文書化する
  4. 空間的な関連性と空間ルール ─ ジオデータベースでは多くの高度なデータ モデリング機能を利用することができます。たとえば、フィーチャ間でのジオメトリの整合性をモデリングする場合は、トポロジやそのプロパティなどのデータ エレメントが使用されます。トポロジに加えて、ネットワーク データセット、住所ロケータ、テレイン、カートグラフィック リプレゼンテーション、ジオメトリック ネットワーク、その他多くの高度なジオデータベース タイプは、空間的な振舞いを有効にし、GIS データベースでの整合性を維持するための GIS メカニズムとして、広く使用されています。ネットワークなどのこれらジオデータベース タイプのルールは、オレンジで示されます。

    ジオデータベースの拡張データ タイプを文書化および説明するには、空間的な関連性のルールと振舞いを説明ことが最も効果的です。次に、トポロジを文書化する方法の例を示します。

    トポロジ、住所ロケータ、ネットワーク データセットなどのデータ エレメントごとにルールを説明することができる

  5. マップ レイヤ ─ GIS には、対話型のマップとその他のビューが含まれています。各データセットで重要となるのは、マップ上にシンボル表示およびレンダリングされる方法に関する仕様です。ArcMap では、これらは一般に、フィーチャがマップ シンボル(色、塗りつぶしパターン、ライン シンボル、ポイント シンボル)とテキスト ラベルに割り当てられる方法を指定するレイヤ プロパティとして定義されます。レイヤはジオデータベースで管理されませんが、ジオデータベース スキーマの主要なデータセット プロパティを定義するのに役立つ重要な要素です。レイヤの仕様は黄色で示されます。レイヤ定義は、.lyr ファイルとして、または ArcMap ドキュメント(.mxd)のエレメントとして格納することができます。
    マップ レイヤはジオデータベース設計の一部ではないが、ジオデータベースに格納されたデータセットを使用するための重要な表示プロパティを定義する
  6. 2D あるいは 3D のベースマップ ─ ベースマップの基本的な表示を定義し、データ主題を使用するかどうかを決定します。データ主題を使用する場合には、ベースマップのマップ縮尺と、縮尺ごとの表示プロパティを定義することが重要です。ほとんどの場合は、縮尺ごとに異なるマップ仕様を定義し、各縮尺に対して必要なマップ レイヤを定義します。
    複数の解像度レベルにおけるベースマップの表示

Microsoft Visio と Geodatabase Diagrammer ツールの使用

Esri では、ジオデータベース設計をグラフィックスとして生成したいユーザのために、ダイアグラム ユーティリティを用意しています。データセットとジオデータベースのエレメントの Visio グラフィックスを生成するこの Geodatabase Diagrammer ツールをダウンロードするには、http://arcscripts.esri.com で、「Geodatabase Diagrammer」を検索してください。

このツールを使用して Visio のグラフィックスをコピーし、Microsoft Word、PowerPoint、その他 .wmf ファイルに対応するアプリケーションに貼り付けることができます。

Geodatabase Diagrammer
Geodatabase Diagrammer
Geodatabase Diagrammer

ジオデータベース設計の追加プロパティの文書化

ジオデータベース設計のその他の主要なプロパティについて検討し、次の内容を文書化する必要があります。


3/6/2012