ログ メッセージの構造
ログ ファイルのメッセージに含まれている情報は、一貫した構造になっています。この構造を理解することは、ログ ファイルの情報を解釈するために不可欠です。
ログに記録されるメッセージは、ArcGIS Server のさまざまなサブシステムによって生成されます。これらのメッセージは、SOM(Server Object Manager)の起動、管理操作、ユーザによる使用の結果として生成されます。各メッセージにはターゲットがありますが、これはサーバまたは個々のサービスのどちらかになります。ターゲットがサーバのメッセージは、SOM のコア機能に関連するイベントを記録し、ターゲットがサービスのメッセージは、特定のサービス構成とそのインスタンスに関連するイベントを記録します。
すべてのログ メッセージは以下のプロパティを持ちます。
- time: ログに記録されたイベントが発生した時刻です。
- type: メッセージの詳細レベルを示します(すべてのレベルの詳細については「ログ ファイルの解釈」をご参照ください)。
- code: メッセージに関連するコードです。
- target: 「Server」か、メッセージに関連するサービス構成の名前です。
- thread: メッセージを生成した SOM プロセス スレッドです。
以下の追加プロパティもメッセージに含まれることがあります。
- methodName: ログ メッセージを生じたサービスに対するメソッド呼び出しです。
- machine: イベントが発生した SOC コンピュータを示します。たとえば、特定のコンピュータ上で特定のサービス構成のサーバ コンテキストを作成できないエラーをサーバが記録することがあります。machine プロパティは、特定のコンピュータで記録された統計情報に適用されるメッセージにのみ含まれます。
- user: ログ メッセージを生じたリクエストを出したユーザ。このプロパティは ArcGIS Server のセキュリティが有効になっているときに役立ちます。
- elapsed: ログに記録されるイベントが完了するまでの所要時間です。たとえば、サーバ オブジェクトの作成イベントには、サービス インスタンスの作成にかかった時間を示す elapsed 時間が含まれています。
ログ メッセージは、ログに記録されたイベントの文章による説明であり、メッセージを生成したサービスが実行されているコンテナ プロセスのプロセス ID とスレッド ID に加えて、そのプロセスが実行されている SOC コンピュータに関する情報が含まれていることがあります。メッセージには、出力を書き込めないことを示すエラーなど、サービス自体から提供されたエラーの説明が含まれていることがあります。
次に、一般的なログ メッセージの例を示します。このログ メッセージは、Yellowstone マップ サービスのインスタンスが「padisha」という SOC マ シンで作成されたことと、サービスの作成に 2.443 秒かかったことを示しています。
<Msg time='2009-10-31T14:36:05' type='INFO3' code='4004' target='Yellowstone.MapServer' machine='padisha' user='Fred' thread='2936' elapsed='2.443'> Server Object instance is successfully created on machine padisha. </MSG>
メッセージのターゲット
ログ メッセージのターゲットは、サーバまたはサービスです。サービスに関連するメッセージには、サービスの名前と種類が target プロパティとして含まれています。たとえば、Yellowstone マップ サービスは「Yellowstone.MapServer」として記録されます。
ログには内部サービス構成を示す追加のターゲットが 2 つあります。管理者はこれらのサービス構成を直接管理しませんが、対処を必要とするエラーが発生することがあります。
内部サービスは、SDM.ServerDirectoryManager と Engine.Engine の 2 つです。SDM.ServerDirectoryManager は、GIS サーバのサーバ ディレクトリからファイルを削除するオブジェクトです。SDM.ServerDirectoryManager のインスタンスは、SOM の起動時に作成されます。サーバ ディレクトリをクリーンナップするときには、この SDM.ServerDirectoryManager のインスタンスがすべてのサーバ ディレクトリをクリーンナップします。クリーンナップ時に発生したエラーはすべて記録されます。SDM.ServerDirectoryManager によって記録される一般的なエラーには、クリーンナップが必要なディレクトリにアクセスできないことを示すエラーが含まれます。
サーバ ディレクトリが作成または削除されるたびに、SDM.ServerDirectoryManager が停止され、再起動されます。
Engine.Engine サービスは、空のサーバ コンテキスト コンフィグレーションを表します。クライアントが空のコンテキストの作成を要求すると、Engine.Engine コンフィグレーションによって空のコンテキストが作成されます。