キャッシュのコピー

マップ キャッシュをフォルダ間またはコンピュータ間で移動しなければならないことがあります。キャッシュが小さい場合は、オペレーティング システムのコピー/貼り付け機能を使用することができます。キャッシュが大きい場合は、簡単にはコピーできない可能性があります。これは通常、キャッシュに割り当てられているディスク容量のサイズのせいではなく、キャッシュのファイルの数が非常に多いためです。

ArcGIS Server 10 で導入されたコンパクト キャッシュ格納方式は、大きなキャッシュのコピーを容易にするために設計されました。このタイプのキャッシュでは、タイルは個別のファイルに格納されず、*.bundle ファイルにグループ化されています。これによって、コピーするファイル数がかなり少なくなり、キャッシュが小さくなります。もう 1 つの選択肢であるエクスプロード格納形式ではなく、コンパクト キャッシュ格納方式を使用すると、キャッシュのコピー時間を大幅に短縮できます。

Windows で大きなエクスプロード キャッシュをコピーする必要がある場合は、コピー/貼り付け機能ではなくコマンド ラインを使用します。Xcopy コマンドにより、ディレクトリとそのサブディレクトリをすべてコピーすることができます。次に、Xcopy を使用して、USA というキャッシュをネットワーク上の場所(Z ドライブとしてマウントされています)からローカル コンピュータ上のキャッシュ ディレクトリにコピーする方法を示します。

xcopy Z:\cache\USA C:\arcgisserver\arcgiscache\USA /s /e

コマンド ライン構造とパラメータの詳細については、Microsoft の Xcopy コマンド のドキュメントをご参照ください。

多数のファイルをコピーするのに役立つさまざまなアプリケーションがサードパーティから提供されています。これらのアプリケーションを使ってコピーするほうが、オペレーティング システムのツールを使用するよりも安全です。一部のアプリケーションでは、ジョブをスケジュールしたり、キューに配置したりできます。

FTP を使ってエクスプロード キャッシュを移動する場合は、あらかじめファイルを Zip にまとめておくと、ファイル転送をよりスムーズに行えます。Zip ファイルに圧縮することが目的ではなく、手に負えない数の小さなファイルの転送を避けることが目的です。圧縮と展開を容易にするのに役立つアプリケーションがサードパーティからいくつか提供されています。

キャッシュとフォルダ構造

既存のマップ サービスが存在するコンピュータにキャッシュをコピーすると、サービスの再起動時にキャッシュが検出されます。トップレベルのキャッシュ フォルダには、マップ サービスと同じ名前を付ける必要があります。例外として、マップ サービスが GIS サーバのフォルダ内に構成されている場合には、トップレベル ディレクトリの構文は <フォルダ名>_<マップ サービス名> となります。


3/6/2012