.NET Web ADF における独自のキャッシュの ArcGIS Online サービスへのオーバーレイ
.NET Web Application Developer Framework(ADF)で ArcGIS Online サービスとともに使用されるキャッシュを作成するときは、以下の事項に注意する必要があります。
マップの座標系
マップが ArcGIS Online サービスと同じ座標系、つまり WGS 1984 Web メルカトル(Auxiliary Sphere)であることを確認します。この座標系を使用しない場合、マップはリアルタイム投影されるため、キャッシュの効果が損なわれます。
縮尺レベル
2 つのキャッシュの縮尺レベルが一致する場合にのみ、両方のキャッシュによるパフォーマンス上の効果が達成されます。縮尺レベルが異なると(一方のキャッシュには縮尺レベルが存在するが、他方のキャッシュには存在しない場合)は、オーバーレイするイメージをキャッシュから取得することができず、動的に生成する必要があるため、パフォーマンスが低下します。この場合、イメージ品質も低下します。これは、動的イメージを既存の縮尺レベルの 1 つからリサンプリングする必要があるためです。
以下の図では、キャッシュ A が縮尺レベル 3 に存在しません。したがって、.NET Web ADF により、イメージをオーバーレイするための動的イメージが、この縮尺のキャッシュ B から生成されます。
動的イメージがキャッシュの最大または最小の縮尺レベルを超える縮尺に合わせて作成されることはありません。したがって、キャッシュ A に対して、動的イメージは縮尺レベル 5 では生成されません。キャッシュ A は縮尺レベル 5 では表示されず、キャッシュ B からキャッシュされたイメージのみが表示されます。同様に、縮尺レベル 1 ではキャッシュ A のみが表示されます。
多くの ArcGIS Online サービスが、さまざまな縮尺で世界全体をカバーしています。これらすべての縮尺を使用してキャッシュを作成する必要はありませんが、可能な限り、使用する縮尺レベルが ArcGIS Online サービスで使用されている縮尺と一致するようにしてください。
ArcGIS Online サービスをオーバーレイするキャッシュを構築するとき、既存のタイル スキーマを選択して読み込みます。次に、ArcGIS Online サービスのタイル スキーマをドロップダウン リストから選択します。これにより、すべての高精度の縮尺値が自動的に表示されます。これで、必要に応じて縮尺を追加したり削除したりできます。
イメージ形式
ArcGIS Online サービスのベースマップでは JPEG 画像形式が使用されますが、参照オーバーレイ キャッシュでは PNG が使用されます。JPEG 形式は他の形式よりも速く表示されますが、透過表示をサポートしていません。したがって、ArcGIS Online サービスのベースマップは、その下にあるレイヤを隠してしまいます。同様に、独自の JPEG キャッシュを作成する場合も、その下に配置するレイヤが表示されなくなります。
2 つの PNG 24 ベースのキャッシュをオーバーレイするとき、PNG 24 イメージは Internet Explorer 6 では透過表示されないことに注意してください(http://support.microsoft.com/kb/294714 に掲載されている Microsoft の関連サポート技術情報をご参照ください)。この場合、.NET Web ADF は上の PNG 24 イメージを PNG 32 に変換します。この変換はリアルタイムで実行されるため、パフォーマンスが低下する可能性があります。