Web ブラウザでの WMS サービスとの通信
このトピックでは、URL パラメータを使って Web ブラウザで WMS サービスと通信する方法を示します。
WMS リクエストとレスポンス
WMS 準拠のサーバによってサポートされる各オペレーションのオンライン リソースは HTTP URL(Uniform Resource Locator)なので、WMS サービスは REST(Representational State Transfer)サービスと見なすことができます。標準の Web サービスとは異なり、WMS サービスを使用するために SOAP クライアントは必要なく、Web ブラウザが最も単純なクライアントとなります。WMS サービスのサービス レベル メタデータ、マップ イメージ、またはフィーチャの属性値を取得するには、サーバに URL リクエストを送信し、返されたレスポンスをブラウザで XML ドキュメントまたはイメージとして表示します。
ArcGIS Server WMS サービスによってサポートされる各オペレーションのリクエストとレスポンスのサンプルを、以下に示します。
WMS GetCapabilities リクエスト
http://sampleserver1.arcgisonline.com/ArcGIS/services/Specialty/ESRI_StatesCitiesRivers_USA/MapServer/WMSServer?service=WMS&request=GetCapabilities&version=1.3.0
XML レスポンス
WMS GetMap リクエスト
http://sampleserver1.arcgisonline.com/ArcGIS/services/Specialty/ESRI_StatesCitiesRivers_USA/MapServer/WMSServer?VERSION=1.3.0&REQUEST=GetMap&CRS=CRS:84&BBOX=-178.217598,18.924782,-66.969271,71.406235&WIDTH=765&HEIGHT=360&LAYERS=0,1,2&STYLES=,,Symbolizer&EXCEPTIONS=application/vnd.ogc.se_xml&FORMAT=image/png&BGCOLOR=0xFFFFFF&TRANSPARENT=TRUE
レスポンス マップ
WMS GetFeatureInfo リクエスト
http://sampleserver1.arcgisonline.com/arcgis/services/Specialty/ESRI_StatesCitiesRivers_USA/MapServer/WMSServer?REQUEST=GetFeatureInfo&SERVICE=WMS&VERSION=1.1.1&LAYERS=0&STYLES=default&FORMAT=image/png&BGCOLOR=0xFFFFFF&TRANSPARENT=TRUE&SRS=EPSG:4326&BBOX=-125.192865,11.2289864971264,-66.105824,62.5056715028736&WIDTH=1044&HEIGHT=906&QUERY_LAYERS=0&X=103&Y=462
XML レスポンス
WMS GetStyles リクエスト
http://myserver/arcgis/services/OGC/SanFrancisco/MapServer/WMSServer?Service=WMS&Request=GetStyles&Version=1.3.0&Layers=pizzastores,highways,blockgroups
XML レスポンス
WMS GetLegendGraphic リクエスト
http://myserver/arcgis/services/OGC/SanFrancisco/MapServer/WMSServer?Service=WMS&Request=GetLegendGraphic&Version=1.1.1&Layer=blockgroups&Style=population_dist&Format=image/png&Width=128&Height=64&transparent=false&bgcolor=0xffff00&SLD=http://zeon/resources/cr/CR53077/sld.xml
レスポンスの凡例のグラフィック
TIME パラメータを使った WMS GetMap リクエスト
http://myserver/arcgis/services/OGC/Fire/MapServer/WMSServer?VERSION=1.3.0&REQUEST=GetMap&CRS=CRS:84&BBOX=-111.232092,43.910823,-109.455485,45.339498&WIDTH=626&HEIGHT=504&LAYERS=fire&STYLES=&EXCEPTIONS=application/vnd.ogc.se_xml&FORMAT=image/png&BGCOLOR=0xFFFFFF&TRANSPARENT=TRUE&TIME=1988-08-01T00:00:00/1988-08-11T00:00:00
レスポンス マップ
多くの場合、Web ブラウザは WMS クライアントとして推奨されませんが、WMS サーバとクライアント間のやり取りを追跡し、デバッグするツールとしては常に推奨されます。
WMS リクエスト パラメータ
OGC WMS 仕様は、各 WMS オペレーションで使用できるリクエスト パラメータを完全に定義しています。さまざまなバージョンの OGC WMS 実装仕様については、次のリンクをご参照ください。
以下の表に、ArcGIS Server での WMS 実装に適用されるリクエスト パラメータをすべて示します。これは仕様で定義されているリクエスト パラメータのほんの一部にすぎません。
WMS GetCapabilities リクエストの URL のパラメータ
必須/オプション |
デフォルト値 |
説明 | |
---|---|---|---|
VERSION/WMTVER |
オプション |
1.3.0(9.3 以降) 1.1.1 (9.2) |
リクエスト バージョン。WMTVER は WMS 1.0.0 でのみ使用します。WMS 1.0.0 以外では、VERSION を使用します。 |
SERVICE |
必須 |
なし |
サービス タイプ。WMS に設定する必要があります。WMS 1.0.0 ではパラメータは使用できません。 |
REQUEST |
必須 |
なし |
リクエスト名。GetCapabilities に設定する必要があります。WMS 1.0.0 の場合、capabilities に設定する必要があります。 |
FORMAT |
オプション |
text/xml(9.3 以降) |
サービス メタデータの出力形式。これは WMS 1.3.0 だけで使用可能です(たとえば、application/vnd.ogc.wms_xml、text/plain、text/html)。 |
WMS GetMap リクエストの URL のパラメータ
必須/オプション |
デフォルト値 |
説明 | |
---|---|---|---|
VERSION/WMTVER |
必須 |
なし |
リクエスト バージョン。WMTVER は WMS 1.0.0 でのみ使用します。WMS 1.0.0 以外では、VERSION を使用します。 |
REQUEST |
必須 |
なし |
リクエスト名。GetMap に設定する必要があります。WMS 1.0.0 の場合、map に設定する必要があります。 |
LAYERS |
必須 |
なし |
1 つまたは複数のマップ レイヤのカンマ区切りリスト(たとえば、0,1,2 や layer1,layer2) |
STYLES |
必須 |
なし |
1 つまたは複数のスタイルのカンマ区切りリスト。リクエストされたレイヤごとに 1 つのレイヤ(たとえば、0,1,2 や layer1,layer2) |
CRS/SRS |
必須 |
なし |
座標系。CRS は WMS 1.3.0 だけで使用されます。それ以外の場合には SRS を使用します(たとえば、EPSG:4326 や EPSG:4269)。 |
BBOX |
必須 |
なし |
CRS/SRS の単位のバウンディング ボックスの角(左下と右上)(たとえば、-180、-90、180、90) |
WIDTH |
必須 |
なし |
マップ ピクチャのピクセル単位の幅(1024 など) |
HEIGHT |
必須 |
なし |
マップ ピクチャのピクセル単位の高さ(768 など) |
FORMAT |
必須 |
なし |
マップの出力形式(たとえば、image/png、image/jpeg、image/svg+xml) |
TRANSPARENT |
オプション |
False |
背景が透明かどうかを決定します(たとえば、True や False)。 |
BGCOLOR |
オプション |
0xFFFFFF |
マップの背景の 16 進数の RGB カラー(たとえば、0xFFFFFF、FFFFFF) |
SLD |
オプション |
"" |
Styled Layer Descriptor XML ファイルの URL |
SLD_BODY | オプション | "" | Styled Layer Descriptor ファイルの XML 本文 |
TIME | オプション | "" | 要求されたレイヤの時間値。 |
EXCEPTIONS |
オプション |
text/xml(WMS 1.3.0) application/vnd.ogc.se_xml(WMS 1.1.1 および WMS 1.1.0) application/vnd.ogc.inimage(WMS 1.0.0) |
例外通知のフォーマット(たとえば、text/xml や text/html)。 |
WMS GetFeatureInfo リクエストの URL のパラメータ
必須/オプション |
デフォルト値 |
説明 | |
---|---|---|---|
VERSION/WMTVER |
必須 |
なし |
リクエスト バージョン。WMTVER は WMS 1.0.0 でのみ使用します。WMS 1.0.0 以外では、VERSION を使用します。 |
REQUEST |
必須 |
なし |
リクエスト名。GetFeatureInfo に設定する必要があります。WMS 1.0.0 の場合、feature_info に設定する必要があります。 |
マップ リクエストの一部 |
必須 |
なし |
情報を必要としているマップを生成した、GetMap リクエスト パラメータの部分的なコピー |
QUERY_LAYERS |
必須 |
なし |
検索対象の 1 つまたは複数のマップ レイヤのカンマ区切りリスト(たとえば、0,1,2 や layer1,layer2) |
INFO_FORMAT |
必須(WMS 1.3.0) オプション(WMS 1.1.1、1.1.0、1.0.0) |
なし(WMS 1.3.0) text/xml(WMS 1.1.1、1.1.0、1.0.0) |
フィーチャ情報のリターン形式(たとえば、text/xml や text/html)。 |
I/X |
必須 |
なし |
マップ座標系におけるフィーチャのピクセル単位の X 座標(100 など)。WMS 1.3.0 には I を使用します。それ以外の場合には X を使用します。 |
J/Y |
必須 |
なし |
マップ座標系におけるフィーチャのピクセル単位の Y 座標(100 など)。WMS 1.3.0 には J を使用します。それ以外の場合には Y を使用します。 |
TIME | オプション | "" | 要求されたレイヤの時間値。 |
EXCEPTIONS |
オプション |
text/xml(WMS 1.3.0) application/vnd.ogc.se_xml(WMS 1.1.1 および WMS 1.1.0) application/vnd.ogc.inimage(WMS 1.0.0) |
例外通知のフォーマット(たとえば、text/xml や text/html)。 |
WMS GetStyles リクエストのパラメータ
必須/オプション |
デフォルト値 |
説明 | |
---|---|---|---|
VERSION |
必須 |
1.3.0(9.3 以降) 1.1.1 (9.2) |
OGC インタフェースに必要なバージョン |
REQUEST |
必須 |
なし |
リクエスト名。GetStyles に設定する必要があります。 |
LAYERS |
必須 |
なし |
スタイルの説明を取得する、名前を付けたレイヤのカンマ区切りリスト |
SLDVER |
オプション |
1.0.0 (10.0) |
SLD ドキュメントのためにリクエストされた SLD バージョン。バージョン 1.0.0 のみがサポートされています。 |
WMS GetLegendGraphic リクエストのパラメータ
必須/オプション |
デフォルト値 |
説明 | |
---|---|---|---|
VERSION |
必須 |
1.3.0(9.3 以降) 1.1.1 (9.2) |
OGC インタフェースに必要なバージョン |
REQUEST |
必須 |
なし |
リクエスト名。GetLegendGraphic に設定する必要があります。 |
LAYER |
必須 |
なし |
凡例のグラフィックを作成するレイヤ |
STYLE |
オプション |
デフォルト |
凡例のグラフィックを作成するレイヤのスタイル。存在しない場合、デフォルトのスタイルが選択されます。スタイルには、レイヤに使用できる有効な任意のスタイルを使用できます(非 SLD 内部定義スタイルを含む)。 |
RULE | オプション | "" | 該当する場合、凡例のグラフィックを作成するスタイルのルール。スタイルに複数のルールがあり、特定のルールが選択されていない場合、マップ サービスはスタイルのすべてのルールを表現するグラフィックを作成することになります。 |
SLD | オプション | "" | SLD ドキュメントへの参照を指定します。これは WMS GetMap オペレーションの SLD= パラメータと同様に動作します。 |
SLD_BODY | オプション | "" | SLD ドキュメントが HTTP GET リクエストに直接含まれるようにします。これは WMS GetMap オペレーションの SLD_BODY パラメータと同様に動作します。 |
FORMAT | オプション | image/png(png24) | 凡例グラフィックを返す際のファイル形式の MIME タイプ。使用可能な値は WMS GetMap リクエストの FORMAT= パラメータのものと同じです。 |
WIDTH | オプション | 特定の凡例イメージに依存 | 返されるグラフィックの幅(ピクセル単位)についての情報を示します。 |
HEIGHT | オプション | 特定の凡例イメージに依存 | 返されるグラフィックの高さ(ピクセル単位)についての情報を示します。 |
EXCEPTIONS | オプション | text/xml(WMS 1.3.0) application/vnd.ogc.se_xml(WMS 1.1.1 および WMS 1.1.0) application/vnd.ogc.inimage(WMS 1.0.0) | 例外を返す際の形式の MIME タイプ。使用可能な値は WMS GetMap リクエストの EXCEPTIONS= パラメータのものと同じです。 |