イメージ サービスの公開
イメージ サービスには、ほとんどの ArcGIS Server サービスで設定される多数の標準プロパティがあります。これらには、プール オプションやその他のオプションが含まれます。さらに、ラスタおよび画像データの特性により、イメージ サービスの処理速度、ダウンロード可能なデータ、条件検索など、さまざまなオプションに影響を与える多数のプロパティがあります。
イメージ データを制御するイメージ サービスのパラメータ
イメージ サービスのパラメータは、イメージ、カタログ、ダウンロード、出力の 4 つのセクションに分かれています。これらのパラメータはすべてのイメージ サービスに適用されるわけではなく、イメージ サービスの入力によって異なります。これらのパラメータのほとんどは、モザイク データセットを公開するイメージ サービスを対象としており、ラスタ データセットから作成されたイメージ サービスにはあまり影響を与えません。通常、これらのパラメータはモザイク データセットの作成時に設定しますが、サーバ管理者が変更できるパラメータもあります。ただし、サーバ管理者は、モザイク データセットのプロパティで設定した最大値より大きくすることはできません。たとえば、許可されるモザイク手法を 3 つだけに制限すると、管理者は 4 つ目の手法を追加できなくなります。または、ダウンロード可能なアイテムの最大数を設定した場合、サーバ管理者はこの数を減らすことはできても、増やすことはできません。
モザイク データセットのプロパティの制限値(リクエストの最大サイズなど)を変更した場合は、そのモザイク データセットをもう一度公開し、サーバのイメージ サービスが変更後の値を読み込めるようにする必要があります。イメージ サービスを再開するだけでは、モザイク データセットの変更したプロパティが取り込まれません。一方、サーバ管理者がイメージ サービスのプロパティを変更した場合は、イメージ サービスを再開するだけで変更が反映されます。
イメージ関連のパラメータ
イメージ関連のパラメータは、イメージ サービスへ接続したときに表示される画像に影響を与えます。
パラメータ |
説明 |
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リクエストあたりの最大イメージ サイズ |
1 回のクライアント リクエストでサーバに要求できるピクセル行とピクセル列の最大数。 クライアントのリクエストがこの値を上回る場合は、ピクセルは何も返されません。 すべての入力に適用されます。 |
モザイクあたりの最大ラスタ数 |
1 回のリクエストでモザイク処理できる最大ラスタ数。リクエストに含まれているラスタ数がこれより多い場合は、サーバ側でモザイク処理が実行されません。 クライアントのリクエストがこの値を上回る場合は、ピクセルは何も返されません。クライアントに空の画面が表示されないように、概観図は作成できるようにしておくことをお勧めします。 モザイク データセットにのみ適用されます。 |
デフォルトのリサンプリング方法 |
リクエストで使用されるリサンプリング方法。次の方法があります。
すべての入力に適用されます。 |
許可される圧縮方法 |
イメージ サービスで使用できる圧縮方法。次の 3 種類の圧縮方法があります。
クライアントは、転送時に使用する圧縮方法を選択できます。これは、[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスの [表示] タブで設定できます。 すべての入力に適用されます。 |
デフォルトの圧縮品質 |
イメージ サービスで使用する圧縮品質。JPEG 圧縮の場合にだけ有効です。 すべての入力に適用されます。 |
許可されるモザイク手法 |
イメージ サービスで使用できるモザイク手法。次のモザイク手法があります。
上記 1 番目のモザイク手法がデフォルトです。 クライアントは、使用するモザイク手法を選択できます。これは、[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスの [モザイク] タブで設定できます。 モザイク データセットにのみ適用されます。 |
カタログ関連のパラメータ
カタログ関連のパラメータは、メタデータやカタログ フィールドに対するユーザ アクセスを制御または制限します。さらに、モザイク データセット テーブルのレコードに対するリクエストも制限します。これらのパラメータは、サーバ側の負荷に影響を与えます。ユーザが表示またはクエリ可能なデータを増やすほど、サーバ側の描画負荷が大きくなります。
パラメータ |
説明 |
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1 回のリクエストで返される最大レコード数 |
トランザクションごとの転送レコード数の上限。ユーザのリクエストがこの値を超えた場合、返されるイメージでは、許可されている最大ラスタが使用されます。 モザイク データセットにのみ適用されます。 |
ラスタ メタデータ レベル |
クライアントに送信されるメタデータ。
モザイク データセットにのみ適用されます。 |
許可されたフィールド |
クライアントに転送されるフィールドの一覧です。 モザイク データセットにのみ適用されます。 |
ダウンロード関連のパラメータ
これらのパラメータは、サーバ側の負荷、およびソース画像へのユーザ アクセスに影響を与えます。
パラメータ |
説明 |
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リクエストごとにダウンロード可能な最大アイテム数 |
ユーザが一度にダウンロードできるラスタの最大数。 モザイク データセットにのみ適用されます。 メモ: GRID ラスタ形式で格納されたソース ファイルは、ダウンロードすることができません。 |
ディレクトリ |
ダウンロードする画像が存在する物理ディレクトリの一覧。 REST ダウンロード操作を呼び出す際に使用するモザイク データセットを公開する場合、そのモザイク データセットのソース ラスタを示すディレクトリをサービスで使用する必要があります。これによって、モザイク データセットのソース ディレクトリからサーバ出力ディレクトリへファイルをコピーする際にパフォーマンスが大幅に低下するのを防ぎます。 モザイク データセットにのみ適用されます。 |
仮想ディレクトリ |
画像の URL がマッピングされる仮想ディレクトリ。 モザイク データセットにのみ適用されます。 |
出力関連のパラメータ
パラメータ |
説明 |
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ディレクトリ |
一時ファイルを作成する出力ディレクトリを選択します。出力ディレクトリを指定しない場合は、画像が MIME データとしてのみ返されます。出力ディレクトリを指定すれば、出力ディレクトリには仮想ディレクトリが関連付けられているため、返された画像に URL アドレス経由でもアクセスできます。出力ディレクトリを作成するには、[サーバ プロパティ] ダイアログ ボックスを使用します。 すべての入力に適用されます。 |
仮想ディレクトリ |
仮想ディレクトリは、URL アドレスに基づいて、ArcGIS Server によって作成されたファイルへ Web アプリケーションからアクセスできるようにする仕組みです。仮想ディレクトリは、出力ディレクトリと同じディスク上の位置を指している必要があります。仮想ディレクトリは Web サーバで作成し、ディスク上の物理ディレクトリにリンクする必要があります。仮想ディレクトリの作成方法については、Web サーバのドキュメントをご参照ください。 すべての入力に適用されます。 |
サポートされる画像のリターン タイプ |
ArcGIS Server によって生成された画像が MIME データとしてのみ返されるか、MIME と URL の両方で返されるかを表示します。ArcGIS Server によって生成された画像にインターネット経由でアクセスするには、出力画像用に(同じ物理ディレクトリを指している)仮想ディレクトリが関連付けられたサーバ ディレクトリを指定する必要があります。 すべての入力に適用されます。 |
公開関連のオプション(セットアップに依存)
イメージ サービスを公開するためのオプションは、使用するソフトウェアによって異なります。
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ArcGIS Server のみを使用する場合
ラスタ データセットとラスタ データセットを参照するレイヤ ファイルのみの公開が可能です。サービスの公開には、ArcCatalog または Manager を使用することができます。「GIS リソースのサーバへの公開」の手順に従って公開します。リソースを指定する際には、公開するラスタ データセットまたはレイヤ ファイルを選択します。
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ArcGIS Server と Image Extension を使用する場合
ラスタ データセット、モザイク データセット、あるいはラスタ データセットまたはモザイク データセットを参照するレイヤ ファイルを公開できます。サービスの公開には、ArcCatalog または Manager を使用することができます。「GIS リソースのサーバへの公開」の手順に従って公開します。リソースを指定するときは、公開するラスタ データセット、モザイク データセット、またはレイヤ ファイルを選択します。
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ArcGIS Server が ArcGIS Image Server に登録されている場合
ラスタ データセットとモザイク データセットに加え、コンパイル済みイメージ サービス定義を公開できます。サービスの公開には、ArcCatalog または Manager を使用することができます。「GIS リソースのサーバへの公開」の手順に従って公開します。リソースを指定するときは、公開するラスタ データセット、モザイク データセット、レイヤ ファイル、またはコンパイル済みイメージ サービス定義を選択します。
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ArcGIS Server が JPIP Server に登録されている場合
ArcGIS Server が ITTVIS の JPIP Server 対応として構成されている場合、JPIP ストリーミング機能を使用して JPEG 2000 ファイルまたは NITF ファイル(PEG 2000 圧縮を使用)を公開できます。サービスの公開には、ArcCatalog または Manager を使用することができます。JPIP Server を ArcGIS Server に登録するには、「ArcGIS Server への JPIP Server の登録」の手順に従ってください。
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