複数のコンピュータにサービスを導入する際のローカル ジョブ ディレクトリの使用
ジョブ ディレクトリは、クライアントがジオプロセシング タスクの結果を取得できるように、サービスの出力が書き出される場所です。ArcGIS Server が複数のコンピュータで構成される場合、ジョブ ディレクトリはサービスをホストするすべてのコンピュータからアクセスできる場所でなければなりません。つまり、この共有場所については、UNC パスを使用することになります。ただし、LAN 経由で出力を書き出すため、ローカル ディスクにデータを書き出す場合より速度が下がります。より効率的なサービスにするために、サービス プロパティに用意されている [ローカル ジョブ ディレクトリ] オプションをオンにするとよいでしょう。
ローカル ジョブ ディレクトリを使用すると、複数のコンピュータ上の SOC でパフォーマンスが大幅に向上します。
[ローカル ジョブ ディレクトリ] オプションをオンにすると、サービスの出力が SOC コンピュータのディスク ドライブにあるジョブ ディレクトリに書き出されます。このローカル ジョブ ディレクトリは ArcGISSOC アカウントのテンポラリ ディレクトリ(オペレーティング システムに応じて、通常 C:\Documents and Settings\ArcGISSOC\Local Settings\Temp または C:\Users\ArcGISSOC\AppData\Local\Temp)です。サービスの実行が完了すると、ArcGIS Server はローカル ジョブ ディレクトリの内容を共有ジョブ ディレクトリに移動して(ジョブ ディレクトリ プロパティについて指定された UNC パス)、クライアントが結果にアクセスできるようにします。LAN 経由で移動されるデータの量は同じですが、ArcGIS Server にとっては、ローカル ジョブ ディレクトリ全体の内容を一度に移動する方が、サービスが LAN 経由で多数のファイルを 1 つずつ共有ジョブ ディレクトリに書き出す場合よりもはるかに効率的です。
ジオプロセシング サービスが [Spatial Analyst] ツールまたは [カバレッジ] ツールを利用している場合は、ArcGISSOC アカウントのテンポラリ ディレクトリを C:\arcgisserver\temp など、別のフォルダに変更してください。これらのツールの一部は、100 文字を上回る、またはスペースを伴うパスに書き出す場合、制限を受けます。フル パスは、ディレクトリ名、サービス名、一意なジョブ ID を合わせるとすぐに 100 文字を上回ってしまいます。