SQL Server のバックアップ
ArcGIS Server Enterprise ライセンスで作成されるジオデータベースのみに適用されます
バックアップを実行する際には、データ、変更内容、またはトランザクション ログをバックアップします。この 3 つのバックアップの違いは、システム障害時に、どの程度の損失を許容できるかという点にあります。
データベース、ファイル グループ、およびファイル バックアップでは、エンティティ全体がバックアップされます。これは、バックアップとリカバリの基本的な操作です。差分バックアップでは、最後のデータベース全体、ファイル グループ、ファイルのバックアップ以降に変更されたデータだけがバックアップされます。トランザクション ログ バックアップでは、トランザクション ログだけがバックアップされます。
差分バックアップでは、最後の完全バックアップ以降のデータベース、ファイル グループ、ファイルへの変更が記録されます。変更内容は、データベースのすべての変更範囲を表す差分変更マップによって識別されます。マップ内のある範囲の値が 1 である場合、その範囲はバックアップされます。次の完全バックアップでは、マップ内の変更値はすべて 0 にリセットされます。
トランザクション ログ バックアップでは、トランザクション ログがバックアップされ、ログのサイズが制御されます。トランザクション ログ バックアップが役立つのは、完全リカバリ モデルまたは一括ログ リカバリ モデルに限られます。
トランザクション ログ バックアップでは、まずログ全体がバックアップされます。最も古いアクティブ トランザクション(MinLSN)よりも古いコミットまたはロールバック トランザクションと、前の仮想ログに存在するトランザクションはすべて、トランザクション ログから削除されます。これにより、トランザクション ログのサイズと増加を制御します。単純リカバリ モデルでは、トランザクション ログをリカバリに使用できないため、バックアップはログの切り捨てに使用されます。
ArcSDE の単一の空間データベースは、他の SQL Server データベースと同じようにバックアップおよびリカバリすることができます。マルチデータベース モデル(1 つの ArcSDE データベースですべての空間データベースのメタデータを保持する)を導入している場合、プロセスはより複雑になります。マルチデータベース構成では、すべての空間データベースが ArcSDE データベースに依存するため、すべてのデータベースを 1 つのデータベースとしてバックアップする必要があります。
SQL Server Management Studio を使用してバックアップを自動化することができます。バックアップの自動化には、SQL Server ジョブまたは SQL Server の管理ウィザードを使用します。
SQL Server で使用できるバックアップおよびリカバリ マニュアルを読むことはとても重要です。バックアップとリカバリの情報は、次の SQL Server マニュアルにあります。