例:sdetable コマンドを使用して Oracle でデータベース ビューを作成する
sdetable コマンドを使用して、Oracle のジオデータベースにビューを作成することができます。この操作により、ビューは自動的に ArcSDE に登録されます。
このトピックの例では、特定のデータへのユーザ アクセスを制限するために sdetable コマンドを使用してビューを作成する方法を示します。例は次のように定義されたテーブルに基づいています。
CREATE TABLE employees ( emp_id number(38) unique not null, name varchar2(32), department number not null, hire_date date not null);
テーブルには ArcSDE の RowID として使用できる、非 NULL の数値列が含まれている点に注目してください。
sdetable コマンドを使用したビューの作成
部署 101 の管理者に、employees テーブルで部署 101 の従業員の行についてのみ、すべての列を表示させたい場合を考えます。sdetable コマンドを使用して、部署番号が 101 のすべての行からなるビューを作成します。-w オプションは、ビューの定義に格納されるクエリの WHERE 句を指定します。
sdetable –o create_view –T view_dept_101 –t employees –c 'emp_id,name,department,hire_date' -w "where department = 101" –u gdb –p gdb.bdg –i sde:oracle11g:ora1 -s myodbserver Attribute Administration Utility __________________________________ Successfully created view view_dept_101.
sdetable コマンドの詳細については、『コマンド リファレンス』をご参照ください。
これにより、ALL_VIEWS にクエリを実行して、view_dept_101 の定義を確認できるようになります。
set lines 60 set pages 10000 set long 2000 column text format a60 wrapped; SELECT view_name, text_length, text FROM all_views WHERE owner = 'GDB' and view_name = 'VIEW_DEPT_101';
VIEW_NAME |
TEXT_LENGTH |
TEXT |
---|---|---|
VIEW_DEPT_101 |
112 |
SELECT "EMP_ID","NAME","DEPARTMENT","HIRE_DATE", FROM GDB.EMPLOYEES WHERE department = 101 |
この例では、クエリのテーブル名に所有者の名前が追加されています。SQL を使用してカスタム ビューを作成する場合、これは自動的に実行されません。
ビューとその所有者の名前は、ALL_VIEWS に格納される前に、大文字に変換されます。これは ArcSDE ではなく Oracle によって実行されています。したがって、これらのテキスト値を検索する場合には、大文字で入力する必要があります。
sdetable -o create_view コマンドを使用して登録済みのビューを作成した後、SQL を使用してビューの定義を変更することがあります。これは、複雑な sdetable -o create_view コマンド ライン構文(特に -c オプション)を避けるためか、外部データベースへの接続を使用するものなど、より複雑または拡張されたビュー定義を使用するためです。ビューを変更することで問題を解決できることもありますが、それにより ArcSDE や、ArcGIS Desktop などの ArcSDE クライアントにうまく対応しないビューが作成される可能性があります。
ビューに関する権限の付与
ビューの所有者は、ビューの権限を特定のユーザに付与することができます。また、これらのユーザにベース テーブル(employees)へのアクセスを許可する必要はありません。この例では、ユーザ mgr100 はビュー view_dept_101 の SELECT 権限を付与されています。
SQL> GRANT SELECT ON view_dept_101 TO mgr100; Grant succeeded.
この例では、テーブルの所有者とビューの所有者は同じユーザです。これらの所有者が異なるユーザである場合、テーブルの所有者はビューの所有者にテーブルの SELECT 権限と、他のユーザに SELECT 権限を付与する権限を与えます。SQL を使用して権限を付与する場合は、ステートメントに WITH GRANT OPTION を指定します。sdetable コマンドに grant 操作を指定して権限を付与する場合は、継承(-I)オプションを指定します。
権限のテスト
mgr100 としてログインし、view_dept_101 のレコードを選択します。
conn mgr100/mgr100 Connected. SQL> SELECT * FROM gdb.view_dept_101; EMP_ID NAME DEPT HIRE_DATE 29 YAN WU 101 04/15/2002 67 LEE VAN 101 11/01/2004 78 SUE CHO 101 05/31/2005 105 DAN HO 101 10/01/2006 111 ANN ANG 101 12/15/2006 135 BILL BO 101 10/15/2007
期待どおり、部署 101 の従業員のレコードだけが返されます。
ビューはそれらに設定されるテーブルにかかわらず、スキーマ オブジェクトとして存在します。次のクエリでは、ユーザ mgr100 に employees テーブルにアクセスする権限がないため、employees テーブルが存在しないことを示すメッセージが返されています。
SQL> SELECT * FROM gdb.employees; select * from gdb.employees * ERROR at line 1: ORA-00942: table or view does not exist