ArcGIS Online とは

GIS を使用すると、ワークグループ、組織、エンタープライズ、コミュニティ、および公衆の間でマップと地理情報を共有することが可能になります。この共有情報を使って、共同の作業を使用、作成、解析、共有、遂行することができます。

この共有されている地理情報およびコンテンツを使えるようにするために、ArcGIS システムのすべてのパーツに組み込まれている機能が、ArcGIS Online です。コンテンツは、ArcGIS クラウド インフラストラクチャを使用して共有されます。

ArcGIS は、地理情報を共有して Web マップおよび GIS サービスとして配布することを目的に使用されます。GIS 専門家は ArcGIS Desktop および ArcGIS Server でマップ サービス、その他の GIS サービスを作成し、充実した情報を Web マップ、イメージ サービス、編集サービス、ジオプロセシング サービスなどとして共有します。いったん公開されたサービスは、さまざまな Web クライアントでの検出、利用できるようになります。

このアプローチを使用することで、GIS の組織は専門家ではないユーザに情報を提供できるようになります。これにより、組織間で情報を統合できるようになり、コラボレーションのための強固な基盤が得られます。

バージョン 10 における ArcGIS Online の変更点

以前のリリースで Esri がホストしていた Web サイトは ArcGIS Online と呼ばれています。Esri はこの ArcGIS Online を介して、すぐに使える Web マップおよび地理データのギャラリーを作成、共有しました。すべてのコンテンツの管理の担い手は Esri で、この Web サイトはマップ サービス、その他の GIS サービスへのアクセス提供に重点を置いていました。

バージョン 10 においても引き続き、Esri はリッチ Web マップおよび GIS サービスを提供します。また、場所を問わず ArcGIS システムが利用できるようになりました。利用媒体/場所としては、たとえば次のものが挙げられます。

ArcGIS 10 では、Web がシステムのすべての側面に統合されるようになったため、(Esri のマップおよびデータ以外に)Web も使用して他のユーザとの情報共有が可能になりました。ArcGIS システムのすべてのパーツ(デスクトップ、携帯電話、arcgis.com、サーバなど)に組み込まれているのが、ArcGIS Online と呼ばれる統合型オンライン機能です。

ArcGIS のオンライン機能

ArcGIS システムのすべての製品にはオンライン機能が組み込まれています。そのため、ユーザ独自のマップおよび地理情報をオンラインで管理したり、共同作業用に作成、管理、結合することの可能なユーザ グループ間で共有したりすることができます。

コンテンツは、ArcGIS Online の一部となっているマップ/アプリケーション ギャラリーで参照できます。これらのギャラリーは、Web 上の www.ArcGIS.com で表示することができます。いったん共有されたコンテンツは、その後で検出可能になり、他のユーザが使えるようになります。

すべての Arc GIS クライアントに組み込まれているオンライン機能を使って操作を実行し、この共有情報を検索して使用することができます。

ArcGIS を使った、オンラインでの情報共有

すべての ArcGIS クライアントは Web に完全に統合されているので、Web 情報およびオンライン情報を GIS プロジェクトに取り込むことができます。

ArcGIS を使ってマップおよび地理情報を共有するには、いくつかの方法があります。以下はその例です。

ArcGIS Desktop を使った、マップおよびレイヤ パッケージの作成、共有

ArcGIS Desktop ユーザはマップ パッケージおよびレイヤ パッケージを使用して、他のユーザと作業を共有することができます。他の Desktop ユーザは、それらの共有パッケージを検索、検出し、使用することができます。

オンラインで接続してレイヤ パッケージを共有するには、次の手順を実行します。

  1. ArcMap で、ArcGIS Online にサイン インします。
    ArcGIS Online へのログイン
  2. マップのコンテンツ ウィンドウで望みのレイヤを右クリックし、[レイヤ パッケージの作成] を選択します。
    レイヤ パッケージの作成
  3. レイヤ パッケージを ArcGIS Online にアップロードするように指定します。
    レイヤ パッケージを ArcGIS Online にアップロード
  4. コンテンツを整合チェックし、[共有] をクリックします。すると、レイヤ パッケージのプロパティ パネルに値が自動的に入ります。必要に応じて、パッケージを共有するグループを指定することもできます。
    レイヤ パッケージのプロパティの指定

後で、他の Desktop ユーザはオンライン接続し、共有レイヤ パッケージおよび他の Desktop コンテンツを検索、検出し、ダウンロードすることができます。

ArcGIS Desktop でのオンライン コンテンツの検索

ArcGIS コミュニティ全体での Web マップの作成、共有

www.ArcGIS.com を使用して、Web マップを作成、共有できます。Web マップは、一連のマップ サービスおよび GIS サービスを参照するオンライン マップです。これにより、それらのマップ サービスおよび GIS サービスが、あらゆる ArcGIS クライアント(デスクトップ、Web アプリケーション、モバイル デバイス、ArcGIS Explorer Online など)で使用できるようになります。各 Web マップは、複数の Web マップ サービスから構成されています。これらの Web マップ サービスを組み合わせたことにより、ArcGIS ユーザが有益なマップ エクスペリエンスが得られるようになっています。

Web マップ クライアント

Web マップは、ArcGIS ソフトウェアをインストールする必要なしに、Web 経由であらゆる人が共有し、使用することができます。それらの Web マップにアクセスして使用するには、Web ブラウザ、携帯電話、または ArcGIS Explorer Online を使用するだけで済みます。Web マップは、ArcGIS Desktop での操作も可能です。

Web マップを使うことによって、地理情報が実用的なものになり、各マップ表示の背後にある充実した GIS 情報およびツールへのアクセスが可能になります。ArcGIS.com には、誰でも Web マップを作成し共有できる Web アプリケーションが用意されています。

特化型ユーザ グループ内でのコンテンツの作成、共有

ArcGIS Online にログインすることによって、ユーザ グループを作成し、参加することができます。より密接に協力し合って作業することを望んでいる特化型ユーザ コミュニティです。ユーザはそのようなグループを定義し、他のユーザに参加するように勧めることができます。

また、ArcGIS Online に読み込んで共有するコンテンツを制御することもできます。特定のコンテンツ エレメントを少数のユーザ間で共有することも可能です。

グループを使用した、共同共有の制御

ArcGIS Online の利用対象者

共有の提供者と利用者

共有内容

共有方法

デスクトップ ユーザがデスクトップ ユーザに提供

  • マップ ドキュメントとグローブ ドキュメント
  • レイヤ
  • モデルとスクリプト
  • ジオデータベース
  • ロケータ
  • イメージ モザイク
  • Web マップ

ArcGIS Desktop を使用してオンラインで接続し、オンライン ワークスペース内のコンテンツを管理して、グループを介してコンテンツを共有します。

デスクトップ ユーザが Web ユーザに提供

  • Web マップ
  • Web アプリケーション
  • ArcGIS サービスへの参照:
    • マップ サービス
    • イメージ サービス
    • グローブ サービス
    • ジオプロセシング サービス
    • ロケータ サービス
    • ジオデータ サービス
  • ArcGIS Server を使用して、マップ サービスと GIS サービスを公開します。
  • ArcGIS.com とそのローカル サーバ ノードで Web マップを作成し、共有します。
  • ArcGIS.com とそのローカル サーバ ノードで、Web アプリケーションおよびモバイル アプリケーションを作成し、共有します。

Web ユーザが Web ユーザに提供

  • Web マップ

ArcGIS.com で Web マップを作成し、共有します。

Web 開発者がWeb ユーザに提供

  • カスタム Web アプリケーション

ArcGIS 用の無償 Web API を使用して、Web マップを作成します。それらの Web アプリケーションには、Web マップが使用されています。


7/10/2012