ジオプロセシング - 地理データの計算

ジオプロセシングとは、ジオグラフィック データに一連の処理を論理的に実行し、新しい情報を作成することです。基本的な目的として、モデリングと解析の実行の支援と、GIS タスクの自動化の 2 点が挙げられます。

空間解析

空間解析とは、コンピュータ処理で導き出した結果をモデリングし、その結果を調査して解釈するプロセスです。空間解析は、適合性および可能性の評価、推定、予測、解釈および理解に有効です。

空間解析の利用例としては、都会の環境の大気汚染度と小児喘息との関係の調査などが挙げられます。

GIS での空間解析の利用
喘息に罹患した子供の住所は、ストリート レイヤに対してジオコーディングできます。幹線道路(たとえば、多車線の道路や高速道路)を 150 メートルの距離で選択し、バッファすることができます。これらのレイヤを重ね合わせることによって、この空間リレーションシップや、喘息の発病率に対する影響を調査できます。GIS には、これらのリレーションシップ調査のための精巧な演算子(たとえば、空間統計ツール)が他にもたくさん用意されています。

空間解析は、GIS において最も興味深い側面の 1 つです。空間解析を使用して、GIS ユーザは多くの個別ソースからの情報を組み合わせて使用し、多種多様な高性能の空間演算子を適用して、まったく新しい情報(結果)を導き出せます。そうした解析結果を導き出すため、GIS 専門家はジオプロセシングによって自分のアイデアを「プログラミング」します。導き出された解析結果は、その後、さまざまな問題の解決に役立てられます。

ジオプロセシング利用の自動化

ジオプロセシングは、主に空間解析に使用されますが、それ以外の多くの用途にも使用されます。ジオプロセシングでは、データの準備や変換、一連のビジネス ルールに対してデータの整合性チェックを自動的に実行するテストの作成、座標管理、その他のデータ管理ワークフローの自動化、マップ作成など、多くの GIS タスクを自動化できます。

ジオプロセシングは繰り返し使用できます。実際、多くのユーザは、自動化された一連のワークフローを作成して、単調な繰り返しの作業を実行しています。これらのワークフローは繰り返し可能で自動文書化され、多くのユーザ間で共有できます。また、サーバ フレームワークに置くことにより、解析だけでなく、あらゆる GIS タスクにも使用できます。

空間解析プロセス

空間解析は、地理的に参照されているデータセットに解析手法を適用して、特定の問題や目標に対応する新しい地理情報を抽出、生成するプロセスです。

空間解析プロセスの手順

1

目標を設定し、解決する問題の枠組みを構成します。

2

解析するデータを収集、整理および準備します。

3

解析モデルを構築します(通常はジオプロセシングを使用して実行しますが、ArcMap で数回のクリックで済む場合もあります)。

4

モデリングを実行し、結果を生成します。

5

結果を調査、評価、図表化、要約、解釈、視覚化、理解、および解析します。

6

結論を出し、決定を下し、結果を文書化します。

7

結果と調査結果を提示します。

実際は、この解析プロセスは反復処理されます。各手順で検証作業を実施することにより、手順の途中で得られた新しい知識や考察を取り入れることができます。解析プロセスは、モデリングという側面と、一連のマップ、レポート、科学および統計チャート、解析のサマリの作成と操作という側面があります。

解析プロセスでは、解析目標に基づいてモデルが構築され、結果のセット(出力データとマップ ビュー)が生成されます。続いて、生成された情報が解析され、解析結果のマッピング、比較、視覚化、解釈、変更、更新、測定、再実行などの処理が行われます。

ユーザは、解析結果を調査して解釈し、地図の描画や結論を出すことに使用します。


7/10/2012