KML の例
KML ではさまざまな GIS データが作成され、多くの表示オプションがあるため、地理データが KML として表現される方法は非常に多様です。多くの場合、データは 2 次元であり、ArcMap を使用して KML を作成することができます。ArcGlobe または ArcScene を使用して作成する必要のある 3D の性質を持つデータもあります。
次に、ArcGIS Desktop を使用して KML を作成する例をいくつか示します。
KML プレースマークとしてのポイントの公開
Accountant Bob という名前のフランチャイズ会計事務所は、国内のいたるところに事務所を持ち、オンライン広告の方法として仮想地球儀上に事務所の場所を表示したいと考えています。各事務所は共有 Web アドレス上に固有のホーム Web ページを持ち、業務内容の詳細を載せています。次に、この情報を KML として公開するために可能な 1 つのワークフローを詳細に示します。
データの準備
- 各事務所の住所をジオコーディングすることにより、会計事務所の場所を含むポイント フィーチャクラスを作成します。
- 各事務所の Web ページ URL を生成するために使用できる属性をフィーチャクラスに定義します。たとえば、各事務所の URL は、http://www.accountantbob.com というメインの Accountant Bob Web ページに office1.html を付加したものであるため、Office1、Office2 などの属性値がすべてのフィーチャに必要です。
レイヤの準備
- ArcMap で、レイヤの名前を「Accountant Bob Offices」に設定します。
- 提供する会計サービスの詳細を含むようにレイヤの説明を設定します。
- レイヤのポイント シンボルを金色の星に設定します。
- レイヤのラベル式を事務所の都市名に設定します。
- [HTML ポップアップ] プロパティを設定して、OfficeID 属性と静的テキストの組み合わせに基づいてホーム ページの URL を作成します。
マップの準備
この場合は、レイヤを KML に直接エクスポートできるため、マップ ドキュメントを作成する必要はありません。
KML の作成と共有
- この場合は、レイヤを KML に直接エクスポートできるため、マップ ドキュメントを作成する必要はありません。
- [変換ツール] ツールボックスの [KML へ変換] ツールセットから [レイヤ → KML(Layer to KML)] ジオプロセシング ツールを開きます。
- [レイヤ → KML(Layer to KML)] ツールのパラメータを入力し、圧縮された KML ファイルを作成します。
- KML データ形式を表示できるアプリケーションで KML ファイルをプレビューします。
- KML ファイルをパブリックな場所にポストして、Googleなどの検索エンジンの検索結果にコンテンツが含まれるようにします。
KML グラウンド オーバーレイとしてのマップの公開
ある地方自治体に、宅地の再区画整理計画を示すマップがあるとします。都市の住民が変更内容を確認して異議を唱えることができるようにするため、この地図を住民に公開したいと考えています。マップを KML として共有することで、地方自治体は変更に関する地理情報や、市民が直接フィードバックするための Web ページへのリンクを提供することができます。次に、この情報を KML として公開するために可能な 1 つのワークフローを詳細に示します。
データの準備
- 道路および土地のソース レコード データは、何年にもわたって地方自治体により作成および保守されています。データには、街路名アノテーション レイヤ、土地区画ポリゴン レイヤ、土地利用ポリゴン レイヤ、および建物フットプリント ポリゴン レイヤが含まれています。
- この専用マップを作成するために、管理されているフィーチャのサブセットが独立したデータベースにエクスポートされ、周辺フィーチャが分割されて正方形のアウトラインが作成されています。
レイヤの準備
- ArcMap で、建物、土地区画境界、および区画整理の各レイヤにレイヤ シンボルを設定します。ほとんどの KML 表示アプリケーションには街路名情報が含まれているため、このマップを KML にエクスポートする場合に街路名は不要です。
マップの準備
- 街路名レイヤをオフにして、エクスポートされる KML に含まれないようにします。
- データ フレームの名前を「Proposed Rezoning Map」に変更します。この名前は、マップが KML にエクスポートされるときにメイン ノード名として使用されます。
- データ フレームの説明に HTML リンクを含めます。これらのリンクは、最上位ノードが KML としてクリックされた場合に有効になり、コンシューマが参照サイトに簡単にアクセスできるようにします。必要に応じて、完全な HTML 書式設定を使用することができます。
- レイアウト ビューに切り替えて、マップの凡例を作成します。この凡例は、KML が表示されたときにスクリーン オーバーレイとして表示され、提案される区画整理変更を視覚的に説明します。
- マップ ドキュメントを保存します。
KML の作成と共有
- [変換ツール] ツールセットの [KML へ変換] フォルダから [マップ → KML(Map to KML)] ジオプロセシング ツールを開きます。
- [マップ → KML(Map to KML)] ツールのパラメータを入力し、圧縮された KML ファイルを作成します。
- KML データ形式を表示できるアプリケーションで KML ファイルをプレビューします。
- 地方自治体の Web サイトに KML ファイルへのリンクをポストします。これにより、仮想グローブ上に情報をダウンロードおよび表示できるようになります。
KML としての 3D ベクタ フィーチャの公開
ある大学が、地方空港に接近したときの航空機の騒音レベルについて調査したとします。この大学では、仮想グローブなどの 3 次元地理コンテキストでこれらの調査結果を共有したいと考えています。接近飛行経路などの一部のデータは本質的に 3D です。分類された騒音公害レベルを表すポリゴン エリアなどのその他のデータは、その性質上 2D ですが、大学では立ち上げを使用してこれらを 3D でシンボル表示しようとしています。次に、この情報を KML として公開するために可能な 1 つのワークフローを詳細に示します。
データの準備
- 方位、距離、および標高に関する飛行経路のテキスト説明から 3D ライン フィーチャクラスを作成します。
- 接近する航空機からの騒音公害を表すラスタ サーフェスを分類することにより、類似する騒音レベルのポリゴン エリアを作成します。
レイヤの準備
- ArcGlobe で、飛行経路データをフローティング レイヤとして表示します。
- ポリゴン データを追加し、分類レンダラと部分透過表示を使用するようにレイヤを設定します。
- 騒音公害のレベルに基づいてポリゴンの立ち上げ高さを設定します。
マップの準備
- ArcMap を開き、ArcGlobe の飛行経路および立ち上げゾーン レイヤ間でコピーします。ArcGlobe の内部で作成された 3D プロパティは、ArcMap に取り込まれたときにレイヤに保持されます。
- データ フレームの名前を「Flight path noise study」に設定します。
- 必要に応じて、凡例を含めて KML のスクリーン オーバーレイ イメージを提供します。
- マップ ドキュメントを保存します。
KML の作成と共有
- [変換ツール] ツールセットの [KML へ変換] フォルダから [マップ → KML(Map to KML)] ジオプロセシング ツールを開きます。
- [マップ → KML(Map to KML)] ツールのパラメータを入力し、圧縮された KML ファイルを作成します。
- KML データ形式を表示できるアプリケーションで KML ファイルをプレビューします。
- 大学の Web ポータルに KML を組み込んで、ダウンロードと表示を可能にします。