ArcGIS 10 のシンボルとスタイルの新機能
ArcGIS 10 では、フィーチャやグラフィックスに適用するために適切なシンボルを簡単に検索できます。そのシンボルが格納されているスタイル ファイルがわからなくても、シンボルを検索できるようになったからです。ArcGIS 10 でインストールされているすべてのスタイルから検索するか、自分の操作するスタイルのみを参照することで検索結果を制限することかできます。
各シンボルに、色やタイプなどのグラフィック特性について説明する検索可能タグが表示されるようになりました。これらのタグは、ユーザ独自のカスタム スタイルで変更し、関連するプロジェクト、マップ、レイヤ、縮尺、仕様など、そのシンボルの関連状況を説明することができます。
シンボルを整理する方法は、[シンボル選択] ダイアログ ボックスで調整できます。シンボルは、それらを格納するスタイル ファイル別、またはカテゴリ別にグループ化できます。[アイコン表示] を選択してシンボルの外観を強調したり、[リスト表示] を選択したりしてタイトルを強調することができます。[シンボル選択] ダイアログ ボックスでシンボル上にポインタを配置すると、各シンボルの関連情報を示すポップアップ ウィンドウが表示されます。[シンボル選択] ダイアログ ボックスのサイズを変更して、一度に多くのシンボルを表示することもできます。
シンボル タグ
有用な検索結果を返すために、各シンボルには説明情報のタグが含まれています。タグは、各シンボルに関するキー情報を特定する文字列です。ここには、シンボルの外観、関連元、使用方法、またはシンボルの組み合わせに対する参照を含むこともできます。タグには 255 文字以内の ASCII 文字列が含まれます。
ArcGIS 10 によってインストールされるスタイルは読み取り専用なので、ArcMap、ArcGlobe、または ArcScene で変更することはできません。これらのスタイル内のシンボルにあるタグは、シンボルのグラフィック プロパティ(原色、シンボル タイプ、絵文字マーカーの場合は元のフォント)を反映して事前に設定してあります。
ArcGIS 10 でカスタム スタイルを作成したり参照したりすると、タグがスタイル内のシンボルに追加されます。これらは必要に応じて [スタイル マネージャ] ダイアログ ボックスで編集できます。[シンボル選択] ダイアログ ボックスで [名前を付けて保存] ボタンを使用して新しいシンボルを保存する場合には、タグを直接入力することができます。ここでは、シンボル情報を保存するために特定のスタイルを選択することもできます。
[スタイル マネージャ] ダイアログ ボックスのレポート ビューで、シンボル タグを追加したり変更したりすることもできます。
スタイルの参照
マップ ドキュメントは 1 つ以上のスタイルを参照します。デフォルトでは、パーソナル スタイルと ESRI.style が参照されますが、この設定を他のスタイルに変更することもできます。参照元のセットは [参照スタイル] ダイアログ ボックスで管理できます。このダイアログ ボックスには、[シンボル選択] ダイアログ ボックスと [スタイル マネージャ] ダイアログ ボックスのどちらからでもアクセスできます。[参照スタイル] ダイアログ ボックスには、現在のスタイル ディレクトリ(デフォルトでは <インストール パス>\ArcGIS\Desktop10.0\Styles)にあるすべてのスタイルが表示されます。このダイアログ ボックスでは、参照するカスタム スタイルを探したり、新しいスタイルを作成したりすることができます。
新しいマップ ドキュメントを開くときに参照されるスタイルを正確に定義する場合は、[参照スタイル] ダイアログ ボックスでそのスタイルを選択して、[デフォルト リストに設定] ボタンをクリックします。新しいマップ ドキュメントを開くときには、このスタイル セットが参照されます。
スタイルの管理
[スタイル マネージャ] ダイアログ ボックスに、[カスタマイズ] メニューから直接アクセスできるようになりました。
以前のリリースで [ツール] → [スタイル] の順に選択してアクセスできた [参照スタイル] コマンドは、[シンボル選択] ダイアログ ボックスと [スタイル マネージャ] ダイアログ ボックスからアクセスできる [参照スタイル] ダイアログ ボックスに置き換えられました。[マップ スタイルのエクスポート] コマンドをユーザ インタフェースで直接使用することはできなくなりました。この機能には、[カスタマイズ] → [カスタマイズ モード] → [コマンド] → [ツール] からアクセスできます。
[シンボル選択] ダイアログ ボックスと同じように、[スタイル マネージャ] ダイアログ ボックスもサイズを変更できるようになり、一度に多くのシンボルを簡単に表示できるようになりました。シンボル(マーカー、ライン、塗りつぶし、またはテキスト)テーブルを選択したときに、レポート ビューに追加の列が表示されるようになり、各シンボルのタグを表示したり、スタイルが読み取り専用でない場合はこれらのタグを変更できるようになりました。Esri 提供のスタイルは読み取り専用ですが、これらのスタイルからシンボルをコピーして他のスタイルに貼り付けることができます。